プチトマトのベーコン巻き
「おっ?今日のランチは鍋?」
入ってきて早々、がーさんが確認をしてくるのですがまあいつもの客席にコンロの上に置かれたなべがあればすぐにそれは分かる訳で。
「ええ。シイタケ鍋にしてみました。具材にご飯系のモノまではいっているので、シメなしでも十分楽しめるように……」
そこまで伝えたところで、言葉を遮るようにがーさんが言います。
「じゃ、お酒にあうつまみ、ついでに作って貰ってもいい?」
「鍋があるのに、ですか?」
「そそ。鍋を食べつつ、更におつまみも食べて、甘いモノと辛いモノを同時に食べたいという感じ?いや、無限ループ出来る味の中に浸りたい?的な?」
「言わんとしていることはなんとなく分かりますけど、とりあえず……」
「うんうん。鍋は鍋でキッチリ頂いておくからさ?なんとなく美味しそうなモノ考えてよ?」
ここまで言われると流石にノーは無い訳で。
そして事前に一人鍋を今回は用意しているのもあって、ランチが始まってしまえばあまりやる事もなく。
「追加のお肉や野菜は先に準備してあるので、私達で出しますね?」
「あ、ご飯でつくった団子も追加は……まだまだ一杯あるんですね」
「うん。じゃあ、ちょっとの間二人に客席の方は任せてもいいかな?」
二人に客席をお願いして、お酒のおつまみを考えるわけですが鍋というそれだけで十分だと思えるぐらいのメインがあるので、あまりそれを邪魔しないそういうおつまみがいい気が。
さらに言えば、ランチ中のおつまみ。
時間や手間のかかる一品が欲しいという意味でがーさんが言うはずもなく、美味しければ文句は何もないような雰囲気。
「手早く、でも簡単、それでいて美味しくて……いや、鍋の時にわざわざ言って来たって事は……鍋に合わせたいって事??」
鍋に合わせるとなれば、なかなか選択肢が減りそうではありますがリクエスト自体はお酒のおつまみ。
鍋を食べている時、ちょっと欲しくなりそうなおつまみで考えてみると……なかなか選択肢は広くなさそう。
「メインとは別でちょっとつまめて、更にお酒にも合う……だと……ああ、うん、あれなら嬉しいかもしれない。で、ちょっとチーズなんか付けてもアリかな?」
悩んでいるうちに、良さそうな食材が。
大きさの都合、プチトマトを選ぶことにしたわけですが、トマトを選んでも問題は無く。ただ、トマトだと汁気がかなり出てしまうのでちょっとばかり勿体ない感じになる可能性が高いので、その辺りを上手い事出来る場合は、トマトにしてもいい感じ。
「よし、ぱぱっとやろう」
がーさんの注文ですが、うちの二人や他のメンバーが要らないなんて言うはずも無いので、人数分。出来れば一人二串……いえ、五本ぐらいあった方がいい気がしてきたので、パパっと串を多めに用意して、次に取り出す食材はベーコン。
薄切りのベーコンでいいのですが、料理って感じにしたい場合は薄切りの豚バラやしゃぶしゃぶ用のお肉に変えて、さっきも言ったようにプチトマトではなく普通のトマトを櫛切りにした形でもいいモノが出来ます。
プチトマトは緑色なヘタをプチっととって、さっと水洗いをしてあげるだけ。あえて黄色やオレンジ、の色とりどりのプチトマトを使ってみて色合いの違いもつけて目で楽しむ形に今回はしてみましたが、普通のプチトマトだけでももちろんオッケー。
そのプチトマトの周りにくるりと一周ベーコンを巻いて、後は長い串にプスッと刺します。一串で三つぐらいがいいのですが、先端は少しだけ多めに残してあげて串に刺した後はトースターで軽く全体が温まる程度でオッケー。
塩と黒コショウをパラッと振りかけてあげれば、プチトマトのベーコン巻きの出来上がり。
先端を多めに開けた部分には市販のプロセスチーズを指して、チーズも一緒に食べられる状態にしてあげれば、完全に出来上がり。
トースターで温めるだけ大丈夫なのはベーコンもプチトマトもそのまま食べられるからなので、プチトマトをトマトに変えているぐらいだと問題はありませんが、しゃぶしゃぶ用のお肉や豚バラ肉でやる場合はお肉にしっかりと火が通るまで火を通さないといけないので、サッと温める程度よりは時間をじっくりかけないとダメ。
ただ、その分お肉の旨味もギュッと詰まるので、それはそれでいい感じに。
「がーさんご所望なお酒のおつまみ、プチトマトのベーコン巻きチーズ乗せです」
「おお。これは、うんうん。まさにお酒のあてにも最高だね?」
「追加の具材がきたのかとおもったら、本当にお酒が欲しくなるような、最高な一品じゃないか!」
「これはもう、飲むしかない?」
「いや、でもお酒は……どうしよう」
まだお昼なので全員が飲むぞと即決などできるはずないのですが、なにかに気がついたのは女性陣。
「ねぇ、もしかしてこの串って?」
「ええ。そのまま鍋に入れて、トマト風というかプチトマトとチーズもはいれば、味変化用の具材としても使えますよ」
「なるほどね?お酒のおつまみっていう効果だけじゃなくしてくれたわけだ?」
「ええ。皆さんが飲むとは限りませんからね」
うんうんとがーさんが何度も首を縦に振るのですが、どうやら今日は飲みたいみたいで。
「じゃあ、もう一品今度こそお酒に合うの何か頼める?」
「もう一品……ですね?」
お酒に合うの、何かありますかね??もうちょっと考えましょう。
シメ無しな鍋にした結果、もうちょっと何か欲しい……という謎の展開に(笑)
そのまま食べてもヨシ、鍋に入れてもヨシ。
こういう時の串ものっていいです。
ふと、今これを書いていて思い出しましたが(笑)、結構前に焼き鳥を串から外すか、外さないか的な話題があった事を思い出しましたが……あれ、話したっけ??(笑)
因みに、今回の場合は串から食った方がいいです。
鍋に串から外して入れると、ただの具材に戻っちゃう(笑)
いや、まあ鍋としてはそれが正解ですけどねー
作る側の手間も気にしてねって話でしたよねぇ。多分アレ。……作らない人には一生分かって貰えない分かり合えない話な気がしてきた(笑)
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