★ダンジョン496
「あ、そうだ。ちょうどさっき話していたマップの魔法でこの部屋だけ確認してみればいいんだ」
「あー、言われてみると。そんな話していましたね」
「阻害というかはじかれたりするかどうかの確認でしたよね?」
「そうそう。丁度周りにいまはいなくなっているし、タイミング的にもバッチリじゃない?」
いつものマップの魔法は部屋から通路を通り、さらにその先のすべての部屋をパリパリと空気でどういう感じなのかを確認しますが、多分この部屋に階段があると思われる今の状況だと階段の位置が分かればいいのとすべての部屋ではなくこの部屋だけで済むというのもあって、消費魔力も少なくて済みそう。
「一応で地面……いや、壁に手をつく形のほうがいいかな?」
「いつも通り地面で問題ないと思いますよ?だって、土ですし、そんな事を言ってしまうと、土でアースだのなんだのと言って雷が通らず、マップの魔法が使えないって事になりかねませんからね?」
言われてみればその通りなので、ふわふわの地面に右手をついて、頭の中で階段を探すようなそうぞうをしっかりとしたうえで、言葉による確定をします。
「マップ」
すると、パリッと空気に電気が走るような間があり、その後はしっかりとこの部屋のマップが脳内に出来上がります。
そしてすぐにそれに気がついたウチの二人は同じマップを確認したみたいで、
「やっぱり、問題なかったですね」
「階段はもっと奥の西側でしたね」
「というか、明らかに大きいの居ましたよ?あれ、どうします?」
マップでこの部屋の状況が一気に分かるようになったので、みんな片目をとじるような形で状況把握をしているのですが、タマエの言う通りで階段の方向にはひときわ大きな赤いマークが。
「もしや、私の出番では?」
「多分、アースワームが居たって事は……だよ?」
「別にいいんじゃないですか?本人がやりたいみたいですし」
なんとなく分かっているよね?という感じに言葉を掛けようと思ったのですが、精霊的には別にいいんじゃないの?という感じだったみたいで、雑に会話を投げると当の本人である、タマエはフンスと鼻息を荒い状態に。
「まあ、本人がやる気あるなら構わないけど、記憶通りだと普通のモンスターは一マスなのにこいつ四マスだから、本当に大きいとか場合によってはボスみたいな強さがあるかもしれないからね?」
「大丈夫です。私、切り札ですよ?」
切り札だから、大丈夫の意味は分かりませんが、タマエはタマエなりになにかしら案はあるのでしょう。
「じゃあ、階段の方に向かうってことでいい?」
「ええ。それで行きましょう」
部屋の真ん中を横切るように西へと向かうと、遠くの方でさっきと同じような動きをしているガーゴイルが居るのですが、この辺りはどうやらアースワームは見当たらないみたいで、少しばかり首をかしげながらも歩みを進めていきます。
「多分この辺りですかね?」
「もう少し先に階段でしたよね?」
「わざわざ倒さなくても、そのまま階段に入るのも一つだと思うよ?」
「そうだとしても、まずは一度確認をしたいのでこのままもう少し進んでモール?でいいんですかね?存在を確認しましょ?」
言っている事は何も間違っていないので、頷きながらも先に進むと明らかにモールっぽい何かが地面の下を移動したような跡があり、パッと見ると地面に畝が出来ているような感じが見えます。
「この下にいるっぽいですね?」
「多分、この感じはモールに違いはなさそうかな?」
そんな会話をしつつもマップを片目をとじる形で確認すると、モールはかなり近くにいるはずなのですが、気配はなく、遠くに居たはずのガーゴイルが少しずつこっちへ向かってきている状態。
「このまま観察をしていれば、モールとガーゴイルがやり合うかもしれませんね?私はその間に入って、ずばばばーんと、やってしまえばいいのでしょう?」
「……ずばばばーん?」
「……少し不安になってきますね」
精霊も自分と同じで心配になってきているみたいですが、一人やる気満々のタマエはそんな事もないみたいで、肩の上でシャドーボクシングならぬ、肉球をシュッシュいわせてちょっとした肩たたきみたいな動きをしてくれているのですが、この後どうしようか少し迷っていると、どうやらガーゴイルがしっかりと今回こっちを見つけてしまったみたいで、勢いは変わらないのですが、こっちに向かって動いてきているのが分かります。
「モールより先にガーゴイルがこっちを補足したみたいですね?」
「あれぇ?私はモールと戦うつもりなんですけど……うーん、この場合は先輩とかご主人がパパっとやってくれたりしません?」
タマエ的には今回のデビュー戦をモールと決めているみたいで、そんなことを聞いてきます。
「別に構わないけど、そうしたらあのガーゴイルはこっちでスパッとやろうか?」
「お願いします」
さっき一度やった事をもう一度やるだけなので、水を口から吐いてくる前にこのまま遠距離を保った状態でスパッとやる為にも、刀に手を掛けてググっと力を溜めましょう。
自分で考えた中でも特にズルいと思うのがこのマップの魔法。
いや、まあこれがあればすべて余裕になるので重宝しますが、色々とバランスブレイカーなので、こう何というか……限定的に使わせている次第です。。。
土属性って……こう書いてみると……なかなか厄介でして(笑)
難しい。。。ですね。
あまり派手さはないのに……強さはある……とか、表現が難しすぎる(笑)
派手なヤツ……もあまり見ないのは、私の読んでいるものが偏っているから……かなぁ(笑)
今回も読んでいただきありがとうございます
目に見える形の評価やブックマークそして感想もかなり嬉しいです
誤字脱字報告とても助かります&申し訳ありません
改めてありがとうございます
毎日投稿頑張ります




