★ダンジョン495
今度は最近あまり出番が無かった骨刀に手を掛けて、居合のような構えをして深呼吸。
酷使しないといっていた自分の言葉は何処に行ったの?と言われそうですが、自分の魔力を腕輪に流し、そして腕輪から風の魔力をそのまま刀の鞘そして刀に流していきます。
ボコッ
距離としてはある程度離れているのですがアースワームが飛び出てきた瞬間を狙い、刀をスッとひき、右手を前に切り結んだ後の様な状態になると、刀の形をした風刃がスパッと横一文字を描きながら、突き進みます。
ぼと
アースワームが出てきた音にかなり近い音で、ボトっと鈍い音が鳴ると、そこには顔を出したはずのアースワームの頭だけがスパッと切り取られた状態に。
「スパッとやりましたね?」
「まあ、一応ね」
「距離もそれなりにあったと思いますが?」
「風だからね?」
風の一言で済ませていいか少し迷うぐらいには離れていたかもしれませんが、出来たことに何かケチをつけても意味は無いので、そのままとりあえずアースワームの回収に向かう事に。
「ボコボコと出てきますが、仲間?味方がやられてもあまり反応はないみたいですね?」
精霊が言う通りで、反応を示すアースワームは見当たらず、今も変わらずにボコボコとあちらこちらで頭を出して、そして引っ込めています。
「切り札を切るには……まだ早すぎますね」
「そう言っているうちに、切るタイミングがなくなるんだよ?」
「それはそれで切り札って感じでいいのでは?」
「まあ、本人がそれでいいならいいけど?」
肩の上で少し悩み始めたタマエですが、まずは倒したアースワームを回収しましょう。
近くまで行ってリュックに入れるだけですが、手に持ってみると自分が知っているアースワームとかなり違う事が分かります。
「肌は石?岩?でゴツゴツしているし……ミミズに遠目だと見えていたけど、ミミズよりは岩とかヘビに近い感じに見えるかな?」
「ですね。って、この肌の部分の岩?取れますよ?もしかしたら魔法を使えたかもしれませんね?」
「そう考えると先制攻撃でスパッといって正解だったかな?」
「その可能性はかなり高くなりますね」
ほとんど自分の身長と同じ長さのアースワームを収納し、後は階段探しに戻るつもりだったのですが、またも変な音が。
ドッドッドッドッ
ある程度規則性のある音で、少しだけ地面が揺れるのもあって肩の上の二人もなんとなく察した顔。
自分も今さっきアースワームを倒したばかりというのもあって、なんとなくああ。という気持ちだったのですが、目の前に入ってきたのは予想とは違う光景。
「アレは……なんですかね?」
「さあ?ただ、動きは早くなった……といえばいいのかな?」
「言われてみると、そうなりますかね?」
見えたものはとっても大きなジャンプみたいな移動をしているガーゴイル。
自分達が前の階やこの階でみたガーゴイルは普通に土の上をふよふよと浮いていた気がしますが、土が柔らかい事をまるで理解しているみたいで、数メートル間隔の種でも植えるような穴を作るような動き方でもって、ガーゴイルが移動しています。
「浮くより、早いよね?」
「ですが……あれは攻撃ではなく、移動ですよね?」
「訳が分からない感じがするので、雅?こういう時こそ……切り札を使うべきでは?」
いきなり自分に話が飛ぶとは思っていなかったみたいで、タマエは慌てて首を左右にブンブンと風が出る程に否定の姿勢を表します。
「切り札は新しいモンスターにとっておいた方がいいです。今じゃありません!!」
「アレも結構不思議だし、いいんじゃないの?」
「先輩もご主人も倒しているのですから今更過ぎます。それに、どうやら大きな音を立てながらもこっちには移動してきていないので、戦う必要もなさそうですよ?」
タマエの言う通りで、こちらに向かって移動しているように見えたのですが、途中で方向転換をしていたみたいで、今は自分達から離れるような方向に向かっている状態。
「アレなら倒す必要はないですよね?」
「まあ、そうだね」
「それにしても、ガーゴイルも色々なタイプがいるのかな?」
「事前に調べた限りでは、水を吐くまでしかなかったので場合によってはレアモンスターなのかもしれませんね?」
そんな言葉を聞いてしまうと、逆に自分が興味を持ってしまうわけですが、今は距離をどんどん離されてこのままだとまた視界から外れるかと思うわけですが、気がつけばアレ?と違和感を覚えます。
何がおかしいのか分からないので、もう一度周りを見回してみますが、これといった大きな変化は……一つだけ。
「あれ?アースワームが顔を出さなくなった?」
「え?……あ、そうですね?言われてみると??」
「でも、奥の方……も、顔を出さなくなりましたね?」
もしかして、もしかする?
そんな心配が頭の中をよぎりますが、聞こえるのはドッドッというガーゴイルの定期的な音だけ。
「ちょっと気を張り過ぎたかな?」
「かもしれませんね?」
とりあえずアースワームを倒し、変なガーゴイルを確認したわけですが……階段が見つからない状態。どうしましょうかね?
もう全部この「スパッと」でいいんじゃないか???
と、何度も思っている次第です。。。(笑)
使い勝手がいいんですよー。遠距離、風、斬属性。
そしてモンスターが盾で防ぐ事は殆ど無いので……。この結果。
多分ここが本当の見せ所で、格好いいシーンやちょっと笑えるシーンなどを混ぜられるといい……きはするけど、うまくできてないですねー。
数字だけ見てちょっとさっきビックリしたのですが……495???もうすぐダンジョンだけで500話なんですね。。。そりゃぁ、100階以上もいきますわなー(笑)
今回も読んでいただきありがとうございます
目に見える形の評価やブックマークそして感想もかなり嬉しいです
誤字脱字報告とても助かります&申し訳ありません
改めてありがとうございます
毎日投稿頑張ります




