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今日、なにつくろう  作者: 藻翰
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鶏豆腐鍋


 鶏スペアリブの甘味噌タレはすぐにみんなの手元へ行く事になり、数分と経たずに奇麗さっぱり無くなってしまう事に。


「甘さが何とも言えませんね」

「通常の塩焼きも悪くないと思うのですが、これだけを何本も食べたい感じになるが分かるやみつきの味ですね」

「折角なので追加で……通常の塩も頼めますかね?」


 何故かがーさんではなく精霊が頼んできますが、まあそのぐらい美味しいというのは作った自分も分かっているほどのいいモノで。

 自分が目の前で作っているので買って来たものとは思わないのですが、何も知らずに食卓に出されると買ってきたものかと思われるぐらいには美味しい一品。


「じゃ、追加で塩焼きの手羽でも作ろうか」

「あ、私はさっきと同じ味噌で!」

「こっちも味噌追加で」

「私、塩は勿論ですが味噌もですよ?」

「「なっ!?」」


 三人は今日も楽しそうにわちゃわちゃし始めましたが、自分は一人厨房に戻って同じ作業をもう一度。


 そして、二回目の鶏スペアリブが作り終わるわけですが、二度も茹でた汁がしっかりと残っているとわかれば、この美味しい汁をそのまま放置と言うのももったいない訳で。

 ここにもう少し具材を入れて旨味を足してあげれば十分美味しいスープが出来ているので、何か良さそうなものに折角であれば作り替えてあげたい所。


「ありきたりだけど、鳥の旨味を楽しむならやっぱり鍋かなぁ」


 手羽を茹でた汁とはいえ、長い時間を茹でた訳でもないので凄く旨味が出ているという程でもなく、だからと言って食べ終わった骨を戻してもう一度なんてことをするつもりはもちろんないわけで。


「キャッソワリのお肉……は解体屋さんにもっていってないからまだだし……普通の鶏肉で行くか」


 冷蔵庫さんに何か良さそうな鶏肉をお願いしてみると、出してくれた鶏肉はモモ肉。

 食べやすい大きさにモモ肉を一口大でカットして、軽く塩を振って酒を掛けてお肉に下味をなじませてから、さっき手羽を茹でた汁で同じようにこの鶏肉も茹でるのですが、茹でる前に一度強めにしっかりと沸騰させて、鶏肉を入れてアクがまた出て来るのでそれも奇麗に掬います。

 鶏肉をしっかりと茹でて、灰汁も掬って鶏の旨味と鶏肉しか入っていない鍋が出来上がるわけですが、鍋料理とするならば具材を入れないといけない所。


「お酒のつまみ用な鍋と考えれば、シンプルもまたいいかな?」


 鍋に一緒に入れるのは豆腐だけ。

 一応好みに合わせてでいいのですが、口当たりがいいのはやっぱり絹ごし。ただ、木綿にしてみたり、木綿を焼き豆腐にしてみたりしてもまたちょっと違う感じがいいので、豆腐であれば何でもオッケー。

 因みに充填豆腐だと、絹よりも柔らかめで口に入れると蕩けるのでこれまたハズレにはならずいい感じ。

 豆腐を入れて、後は最後の味見。

 足すものはお塩のみで、ちょっと薄いかな?ぐらいが量を食べる場合は特にいい感じ。


「よっし、鶏豆腐鍋の出来上がりっと」


 あえて今回は野菜抜きにしましたが、普通に白菜や長ネギをいれてあげても美味しくて。

 入れてはいけない訳ではないのですが、無い方が何故か食べた気がするという不思議な鍋に。


「何かを作っている感じはありましたが、お鍋ですか?」

「暑い時期に鍋で更に汗を?」

「お風呂でオロポ飲んだし、少しぐらい汗をかいてもいいでしょ?」

「それにしても、かなりシンプルな鍋ですね?」

「鶏と豆腐だけですか」


 パッと見てわかる具材だけなのでこのシンプルさがいいわけですが、同じぐらい大事なのは食べる時のタレ。

 簡単に作る場合はお水を用意して、昆布茶、鰹節、醤油、砂糖を混ぜ合わせて作るのですが、追加でココに卵黄を入れると、ちょっとだけすき焼き的な楽しみも追加。

 わざわざタレを作るのが面倒であれば、普通に鍋を食べる時につかうポン酢やゴマダレなどでも十分美味しいので、何を付けて食べればいいかはそこまで考えなくて大丈夫。


「先にスープを味わって、その後鶏と豆腐をじっくり楽しめばいい訳か」

「コレは、日本酒……冷酒がいいかんじですかね?いや、温かいのでわざと熱燗を合わせてみるのもアリですかね?」

「キンキンに冷えたビールでも多分合いますよね?」


 ウチの二人も食べながら飲むことを覚えているみたいで、盛り上がってきているので少しだけ声を掛け辛いのですが、ここは心を鬼にしてタマエに声を掛けます。


「忘れないうちに強化しちゃった方がいいと思うから、必要な場所だけ教えてくれる?」

「あ、私じゃなくて火の精霊さんですね?」

「うん」

「えーっと、どうぞ?」


 きゅぽんっとワインのコルクを抜いたようないい音で尻尾が一本抜けるといつものタマエとはちょっと違う赤い色がところどころに見える小さめの狐さんが。


「レッドドラゴンの鱗と爪?あと、レッドハンドゴーレムの欠片も?うんうん」


 自分の強化に必要なモノはなんとなく分かるという事で、確認をしながら必要なものを集めて、三人が鶏豆腐鍋に夢中になっている間に強化を済ませてしまいます。

 すると、火の精霊さんかなりの強化が出来たみたいでところどころが赤かった狐からまだら模様ぐらいには赤い感じの狐さんに。


「ん?色々と出来るようになったの?ちょっとお手伝いして欲しい?」


 何か作りたいみたいなので、手伝ってみましょうか。







シンプルってイイです。

鶏で出汁が取れたのでと言う流れですが、本編には書きませんでしたが鶏ガラスープと鶏肉、そして豆腐でも出来ちゃいます。

ただ、何というか「勿体ない」精神で折角茹でたし、ゆで汁使いたいなーって。


まあ、毎日料理を作っている主婦さんや主夫さん、料理人の方はちょっと違う可能性もありますが、

いくら勿体ないといっても、根っこをわざわざ残して後で野菜くずをつかって出汁をとは毎回毎回だと無理、難しい事は理解しております。

なので、気が向いた時にそういえばこんな方法もあったなーと、いう程度になればと思っていたりします。


毎日ってコツコツの積み重ねな事は理解していますが、積み重ねたくない日だって勿論あって。

折り合いがつかない日ってどうしてもあるもの。

でも、そういう日を出来るだけ減らせるように、頑張っていきたいものです(出来るとは言ってない(笑)


今回も読んでいただきありがとうございます

目に見える形の評価やブックマークそして感想もかなり嬉しいです

誤字脱字報告とても助かります&申し訳ありません

改めてありがとうございます

毎日投稿頑張ります

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― 新着の感想 ―
捨てればゴミ、分けたら資源的な。 化学調味料さんの時短的圧勝を覆す為には…不労所得を増やさないと? 昆布も鰹節も、、真面目に使うと結構なお値段。。 お水につけて一晩置いて、翌朝に沸かしながらかつお節を…
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