カルビクッパ(スープ)
ビビンパなランチ。
自分の中で完璧だと勝手に思っていたのですが、お客さん達に出す前に多少辛そうな顔をしているうちの二人にも見せてみた所、首を何故か傾げる事に。
「え?何かおかしい?」
「ビビンパですよね?」
「何かおかしかった?」
「ええ。大事な一品が入っていませんから」
「大事な一品?……お肉が二種類とかそういう事?」
「そういったカスタムは私達には嬉しいですけど、違います」
「違うの?……なんだろう?」
ナムルがあって、お肉もあって、てっぺんにはコチュジャンに温玉と完璧な気がするのですが、精霊が胸の前で×印をつくって、タマエは尻尾をぶんぶん振る形で否定してきます。
「答えは、キムチです!」
「キムチ?ああ、あー、キムチが無かったって事?」
「そうです!ビビンパならキムチは必須でしょう?」
「そうなの?キムチビビンパなら必要だと思うけど、普通のビビンパならキムチ無くてもいいかなーって」
「欲しいじゃないですかー辛い物!!」
「そうです。ついでにカクテキとかオイキムチとか辛さがあった方が美味しいじゃないですか!」
「まあ、言わんとしてることは分からなくはないかな?でも、もうランチなんだよね」
「それでしたら、この後に……って、わかめスープがもうあるぅぅ!?」
「そりゃあ、スープと一緒に出すものでしょ?」
二人はいきなり後ろを向いてコソコソと何か相談を始めますが、そろそろランチの時間。今から追加で何かを作るというのは難しいと伝えるのですが、自分達のランチをいつもの後にしてくれという風に言われ、それぐらいは問題が無いので了解としたのですが、二人の仲でオイキムチやカクテキは欲しいという事で流石に今から作ることは出来なかったので冷蔵庫さんに出して貰う事に。
「こういう感じになんでも出せるのはちょっとやっぱりズルいですね」
「でもお陰でキムチも追加できるのでアリと言えばアリですよね」
ウチの二人的にキムチは必須だったみたいでビビンパにキムチを付ける形でランチを済ませたのですが、お客さん達もキムチ無しは何となく疑問に思う部分があったみたいで、キムチを別添えで出す形になったのですが、かなり喜んでくれることに。
「わかめスープも合うよねぇ。って、普通のビビンパでよかったよ」
「えーっと、それはまたどういう意味で?」
「いや、結構前なんだけどビビンパの食べ方はこうだっ!っていう人が居てね?」
一応まだ食べている最中だったのですが、がーさんが話し始めた話は中々面白いモノで。
ビビンパが出てきたらわかめスープを一気にかけてそれから全体を混ぜ合わせて食べるのが正当だっ!と、強く言う人が居たらしく、また厄介な事にその人は周りにもその食べ方を強要するタイプだったみたいで、それをやってくれという感じになって。
そこまでだと微妙な話程度で済むのですが、その食べ方を気に入った人も居て。
そして何も知らずにその食べ方を石焼ビビンパでやったところ、スープを掛けた瞬間に器である熱々の石がパキンッという音と同時に真っ二つに割れる事に。
他の人達も一瞬過ぎて何が起こったのか分からなかったみたいですが、石焼ビビンパの石というのはかなり熱くなっていて、そこに一応熱いスープではあっても水物が入ると温度差もあって割れる事が。
そんな事があって、石焼ビビンパにはスープはかけない方がいいかなという風になっている話を聞く事に。
「まあ、そういう失敗も後で思えば笑い話だけどねぇ。目の前で起こるとビックリだよ?」
「なるほど。それで普通のビビンパでよかった。という事ですか」
「そそ」
一緒にこの話を聞いていたまわりの皆さんもそんな事もあるのかという感じになったのですが、その話に触発されちゃったのはウチの二人。
「ランチはビビンパのままでもいいかと思いましたが、変更を!」
「美味しいスープを作ってクッパにしてください!」
「クッパ?あー、うん。いいよ?」
一から作り直せと言われると流石に難しいのですが、スープを作るぐらいであればそこまでの面倒も無く。
ただ、お客さん達が帰ってからという話にしてもらって、お客さん達が帰り終わったら早速自分達のランチに。
流石に今から骨からしっかり出汁をとるというのは時間が掛かり過ぎるので、ある程度代用品になりそうなものを使って作ります。
メインになりそうなものはカルビ肉。
長ネギ、もやし、ニラも少々。後はニンジンや大根も入れると美味しそうですが、ナムルがあるので今回は入れません。
後は調味料で、すりおろした生姜、にんにくにコチュジャン、醤油、砂糖、お酒にゴマ油。
あとはもし用意出来たら程度ですが、干し貝柱があったらそれをお湯で戻してあげて戻し汁と干し貝柱を一緒に入れてあげるとかなり旨味の多いスープに。
作り方はカルビ肉を食べやすい大きさにカットして、長ネギ、もやし、ニラも一緒に入れてゴマ油を敷いた鍋やフライパンで軽く炒めます。
お肉に多少の火が通り、野菜が柔らかくなったあたりで鶏ガラスープを入れて一度しっかりと沸騰させて、アクが出てくるのでしっかりとアクを掬い一煮立ちさせた後に調味料を入れていき、味を確認。
少しばかりコクを足したいときは白みそやオイスターソースが入るといい感じに。
干し貝柱が入ると辛さの中に旨さの深みが出るので結構あると嬉しいですが、無くても結構いい感じのスープが出来上がります。
後はこのスープを器に盛ったビビンパの中にたっぷり入れてあげれば、種類で言うとカルビ肉を使っているのでカルビクッパ?ともなりそうですが、まあクッパに違いは無く。
「おお。汁気があるのでビビンパよりは食べ易そうになりました」
「昨日と違って今日は無茶しないでいきましょうね?先輩」
「そういう日も大事ですね」
二人は二人なりのなにかがあるみたいで。
自分達のランチはこんな感じになりました。
話中の石焼ビビンパの器が割れた話は事実です(笑)私じゃないけど家族の内の誰かです(笑)
そういう事をする人ばかりではないと思いますが、きをつけませう。
そして、ビビンパがあるならやっぱりクッパも。
ただのクッパにするのが惜しかったので、カルビクッパに。
まあ、クッパは汁ご飯で……ビビンパよろしく「クッ」の部分が汁だっけ?「パ」がご飯。とか、そんな感じだったはずです。
むしろ調べていて面白かったのは、有名な配管工のラスボスさん。
ココから名前をとっていたらしいです。いや、同じだけど……そうなの?って。
ゲッソーも同じ系統で名前付けされたそうな。。。面白いですよね。
焼肉とかビビンパとかクッパとか韓国料理の話をしていると食べたくなるのは私は冷麺かなぁ。
いや、肉が良いんですけど何故か……ああ、少し暖かくなってきたからかなぁ?(笑)
今回も読んでいただきありがとうございます
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誤字脱字報告とても助かります&申し訳ありません
改めてありがとうございます
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