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今日、なにつくろう  作者: 藻翰
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世界樹の新芽の肉巻き


「世界樹さんの魔力が増えたのであれば、もしかして新芽とか若芽をまた頂けるのかな?と思いまして」


 思いついたのは世界樹さんの新芽。

 現実で言う所のコシアブラみたいなものや、色々な山菜の旨味をもった食材になった記憶があったのでまた食べたいと思ったのですが、


「それは、うん。余裕も余裕だと思う。それに、変な言い方かもしれないけどここで貰わなくても、ね?」

「ええ、今は多分ここの色々と混ざった物はそれはそれで美味しいかもしれませんが、混ざり気が無いモノを……ね?」


 がーさんも世界樹さんも微妙に歯切れの悪い感じがしたのですが、


「あー、何となくで察しているかと思ったけど意外と気がつかないモノなのかな?」

「かもしれないですねぇ。まあ、別に構いませんよ?私からいくらでも渡せますから」

「んん?」


 一人だけ分かっていない感じの空気になってしまったので、実体のない世界樹さんもにぐぁらいの空気を出しているほど。


「えーっと、この家がダンジョンの一部だって話はしたよね?」

「ええ。そのおかげというか、冷蔵庫さんもそういう事でなんでも出せるって」

「そう。で、その一部に世界樹もいるわけだから、まあ同じ食材って考えで間違いはないんだけど」

「もしかして?」

「うん。骨の話をしたから理解しているとばかり思っていたんだけど、本当に何でもなんだよ」

「という事は、食べた事はないですけど、葉っぱとか枝とかも?」

「食材として使えるかどうかは別だけど、多分出せるよね」


 世界樹さんも頷いているのか、木々がばっさばっさと動きます。


「多分ね、そのはじめて手に入れたドラゴンローブとかも正直出せちゃう可能性もある。まあ、一応食材っていう大きい括りでリミッターはかけているつもりだから問題は殆ど無いんだけど、あー、その辺りにもう少し色々と制限を掛けてあげると、もしかして皆楽になる?」


 さっきの精霊とタマエみたいな感じで今度はがーさんと世界樹さんが静かに。

 少しの間待っていると、何となく話は決まったみたいで二人共穏やかな笑顔に。


「まあ、色々とアップデート出来たって事でいいかなぁ」

「大丈夫ですか?」

「多分?まあ、いいよ。また何かあってから考えよう?それで、世界樹の新芽を使って何か作ってくれるつもりになったって事でいいのかな?」

「まあ、結論だけを言うと……はい」

「じゃ、新芽を少々貰おうか」

「あ、貰ってもいいんです?」

「勿論、ね?」

「ですね。ココに取りに来ていただくと、先程も伝えた通り色々と混ざった感じの新芽に。冷蔵庫さんの方が出してくれるのは新鮮な混ざり気のないモノになりますね」


 どういう違いがあるのか逆に気になってしまったので、ある程度の量の世界樹の新芽をとらせてもらってから厨房に戻って、冷蔵庫さんにも新芽を出して貰うとなかなか見た目だけでも違いが。


「とりあえず山菜と一緒で問題ないって言うから、サッとゆでる形で塩を振るかな」


 そして二つを食べ比べてみたのですが、よく言うと世界樹さんからとらせてもらう新芽は噛むと色々な味がする感じで、冷蔵庫さんが出してくれた方はさっぱりとした感じ。

 ただ、山菜独特な風味を強く感じやすいのは世界樹さんから貰った方がいい感じ。


「で、それをどうするつもりなの?」

「あー、お酒のおつまみにしようと思っていまして」

「うんうん。山菜だと日本酒かな?」

「それもいいですし、白ワインとかもいいと思いますよ」

「いいねー」


 茹でた山菜をつかって作るのはまた?と言われそうですが、牛肉で巻いた山菜の肉巻き。


 先程の山菜の風味をしっかりと出したいので、さっきの様にサッとゆでた後は冷水でしめてあげて、色合いをよくあく抜きをする形で山菜の下処理をします。

 薄切り肉の牛肉で山菜をまるまる奇麗に包むのですが、その前にお肉に下味を。

 お酒、醤油、砂糖を混ぜて、お肉に味をしっかりと付けそれから山菜を包みます。

 後は油を少し敷いたフライパンでお肉にしっかりと火を通すだけ。


「今までの肉巻きとはちょっと違う感じかな?」

「まあ、中身が違いますけど食べてみるとそこまで大きな違いは感じないかもしれないですよ?」

「そんなものかな?」

「ええ」


 お肉にしっかりと火が通ったら出来上がり。

 糸唐辛子や白ゴマをぱらりと振りかけてあげれば、完成。


「見た目は完全に肉って感じだね?」

「新芽をちょこんと出してあげてもいいのですが、完全に包むと逆に中で香りがしっかりと溜まるので、食べた瞬間口の中一杯に山菜の風味が広がるって寸法です」

「ほっほー?それはスグにお酒を入れたくなりそうな?」

「かもしれないですね」


 一応味見をしてみましたが、かなり大人の味。

 ただ、牛肉に下味をつけて巻いているので牛肉が殆ど山菜独特な風味は消してくれている感じに。


「これは、これは」

「どうです?」

「最高にお酒が進むね。ついでにちょっとチーズ系も欲しくなってきたかな」

「それでしたら海苔巻きチーズでも出しましょうか」

「あ、贅沢を言っていいならチーズ焼きにして!」

「分かりました」


 世界樹さんから新芽を頂いて、今日の午後はゆっくりしましょうか。





流石に世界樹の新芽はスーパーに売っていないと思うので(笑)

タラの芽とか山菜で大丈夫です。

フキノトウだとちょっと苦めかなぁ

コシアブラとかでもいいですねぇ……まあ、高いけどねぇ


強化イベントも終わったし、後はいつも通りに戻れそうです。

……戻れるかな?(笑)




今回も読んでいただきありがとうございます

目に見える形の評価やブックマークそして感想もかなり嬉しいです

誤字脱字報告とても助かります&申し訳ありません

改めてありがとうございます

毎日投稿頑張ります

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― 新着の感想 ―
幼い頃はあまり好きではなかった山菜。 年喰って、味蕾が鈍感になったせいか、美味しく感じるようになりました。 なんていうか、お野菜と違って品種改良されていない雑味が何とも言えず…! サクサクな天ぷらが良…
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