豚肉の炒め物シャキシャキレタス敷き
いつもの感覚で外から帰ったらまずは手洗い、うがいなので洗面所で手を洗ってうがいをすませて、すぐ隣にあるお風呂場の扉を開けてみます。
「昼間にしては、静か……ですかね?」
前までは世界樹がいるというのもあって小さな精霊達が五月蠅くしていたのですが、最近は少し音も小さくなったような話を雅がそういえばしていたようなことを思い出します。
「いませんかー?」
何故か静かなお風呂場はいるはずのタマエもおらず、さらに言えば精霊の声もほとんど聞こえず。そして当たり前ですが雅もどうやらここには居ない模様。
「仕方ないですね。ココにもいないとなると後は何処ですかね?」
色々と考えてはみるのですが、これだという場所が思いつかないので世界樹に聞いてみようと思うわけですが……。
「アレ?」
お風呂場にはいつも通り立派な樹があるのですが、そういえば何も聞こえない?
精霊の声が聞こえないのはまあ誤差というか、自分の各が上がる程に聞こえる声の大きさを変えたりすればいいのですが、世界樹に話しかけても返事が何故かありません。
「おーい?世界樹さーん?せっ!かっ!い!ジューーー!!……ぉかあさん?」
思いつく限りの色々な感じに声をかけてみたのですが、返事はなくただ樹がそこにあるだけ。
「えーっと、もしかしてかなり面倒な事になっている感じですかね?」
独り言をつぶやいても勿論返事は無く、流石にここまでくれば何か予想外の事態に遭い、現在自分も含めて巻き込まれていることが実感できます。
そしてこういう時に焦っても仕方がない事は分かっていて、さらに言えばどうにかできる方法もすぐに一応浮かびます。
「困った時のがーさん頼みですかね」
そういえば雅や後輩がどういう仕組みでいつも連絡をがーさんと取っているの?と聞いてきたことがありましたが、分かりやすく言うと自分の体の中に通話機能のあるアプリが入っているような状態というだけ。
なので頭の中でソレを起動してあげれば、まあ、鏡を見るとちょっと不思議な感じに目の色が変わりますが、それで話が出来るだけ。
「がーさん?がーさん?なにかちょっと今回面倒な事になっていません?」
「んー?どうかしたの?精霊が連絡してくるなんて」
「あれ?がーさんがまた何かしたのかと思っていたんですけど?違うんです?」
「ん?何の話?って、おおぅ?本当?え?いつの間に?何が……え?どうなっているの?」
「あら?その感じはもしかしていきなり何か起きている感じですか?」
どうやらがーさんも把握していない様な大事が起きていたみたいですが、とりあえず現状を話さない事には話が進みそうにないので、今の状況を伝える事に。
「よく分かりませんが、今朝から雅が見当たらないので後輩と一緒に色々と探してみたのですが、後輩も消えちゃって。後輩が向かったのが世界樹の所だったので、今さっきここに来たら世界樹も反応がないので連絡をしたところです」
「世界樹さんも反応無いの?マジで?」
「マジです」
「何か変な事は無かった?」
「変な事……は別にそれほどの事は無かったと思いますけど?」
「んー、じゃあちょっと原因を調べてみるからとりあえずそっちに向かうようにするから、何か作れる?」
「えぇ?私が何か作るんです?」
「お腹減っちゃって」
「大したものが出来るとは思わないで下さいね?」
「うんうん。その位は分かっているよ」
「そういわれるとそれはそれでムカつきますね?」
という事で、何か作る事になるわけですが自分が食べたい物と言われて考えられるものはいつも通りにお肉。
ひき肉よりも食べた感じが欲しい気がしたのである程度の厚さのあるお肉がいいのですが、そうなってくると牛肉や豚肉が浮かんできます。
で、食べたいというがーさんがどのぐらい食べたいのかというのは分からないのですがお腹が減ったとは言っていたのでガツンと食べられる方が良さそうではあって。
「腹が減っては戦が出来ませんし、私もお腹が減ってきた気がしますから、ガツンとしたものでも作りますか」
ただ、難しいモノを作れるとは思わなかったので出来るだけ簡単で美味しいモノを頭に浮かべてみるとなかなか悪くなさそうなものが。
「取り合えずご飯を炊きますか」
水に浸して本当は待たないといけませんが、がーさんは多分すぐに来ると思うので、ボタンをぽちっと押してすぐに炊飯を始めます。
「ごはんのおかずといったらやっぱりこういうのですよね」
お肉は豚肉を冷蔵庫さんに出して貰うのですが、豚小間や豚バラ肉辺りがよくて、一緒に冷蔵庫さんが出してきたのは何故かレタス。
「お肉だけで……いえ、何でもありません」
冷蔵庫さんはある意味この家で最も怒らせてはいけない人 (?)なので、レタスを出してきたという事は使えと言う事。
まあ、水洗いして手でちぎればいいだけなのでそこまで難しい事はなく、色合いも良さそうなので使っても問題はないハズ。
メインなお肉はフライパンに少量の油を敷いてから色が変わるまで炒めて、味付けは醤油をメインに酒、みりん、そしてオイスターソースも。
味付けをココだけで決める必要は無いのですが、レタスもあるので食卓にはマヨネーズも置いたら美味しい気が。
この味付けだけでもいいのですが、匂いが気にならないのであればニンニクや生姜を追加するとさらに美味しい感じにもなるので、その辺りのさじ加減は上手い事やって欲しいのですが、私が作るとなればシンプルなものになるのでこんな感じに。
「おっ、思った以上に美味しそうなもの出来た感じ?」
「もう来たんですね?」
「まあ、何か作ってくれってお願いしたからねぇ」
ご飯を食べながら事の顛末を聞くとしましょう。
なんだかんだと言いながらも、お手伝いをしていたり自分でも作ってみたりとやっているので実は結構精霊も料理が出来るように……なっていた?
門前の小僧何とやら……みたいな感じでしょうか?
まあ、疑問に思う人は少ないかと思いますが「ぉかあさん?」の部分は誤字ではなく、精霊が小さい声で呼んだだけです。「ぉヵぁさん?」としようかと思ったのですが、精霊の性格的に一文字目は小さいかもしれませんが、その後は流れに身を任せそうという判断ですね。
何となく読めて来た……って人が多そうな話ですが、着地はするはず。ぷかーっと浮いたまま投げ捨てる予定は無いので安心してください。
……大丈夫だよね?(未来の自分にお願いしておこう)(笑)
今回も読んでいただきありがとうございます
目に見える形の評価やブックマークそして感想もかなり嬉しいです
誤字脱字報告とても助かります&申し訳ありません
改めてありがとうございます
毎日投稿頑張ります




