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今日、なにつくろう  作者: 藻翰
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海苔重


「何を思いついたのです?」

「すっごくシンプルなものかな」

「シンプル……です?」

「うん。凄く美味しいけど、見た目とかはコレだけ?って感じになっちゃうし、場合によってはちょっとした付け合わせも用意するべきかなーってところだけど……、あえて今日は何もなしのシンプルなものがいいかなっていう奴なんだけど」

「逆に気になりますね」


 そんな会話があって、用意してもらうものを冷蔵庫さんに出してもらうのですが、あまりこういう願い方は今までにしたことが無いので、そんな願い方をしていいのか少し迷いもあるのですが、「ままよ」とムムムっとしながら冷蔵庫さんを開けるとそこにあったのは願い通りの海苔が。


「これは、うん。いい奴だと思う……」


 正直言うとそこまで自分で判断が付けられるものではないのでこういうところは本音を言えばお店に頼りたい部分ではあるのですが、こっちにいる以上そのお店というのが無いのでその部分は冷蔵庫さんにまかせっきり。

 そんな冷蔵庫さんにお願いしたのは「高級ないい海苔が欲しい」という事で、出してもらったのは黒くもあり艶もある見た目がかなり良さそうな海苔。


「海苔ですね?」

「え、もしかして?」

「シンプルってそういう事ですか?」


 何となくウチの二人も理解したみたいで、縦にこちらが頷くのですが、本気?という目でこちらを見てきます。


「まあ、作り方とか色々とあるし食べてみないとわからないよっていうのもあるんだけど、一人前だけじゃあ作ってみようか?ご飯もそろそろ炊けるし」


 シンプルなものにするのであればこの後土鍋でご飯を炊いて、ご飯のグレードもあげた方が良さそうなので、折角炊いたご飯は後で自分達の食べるモノ行きになるのですが、海苔に負けないの意味が多分二人は分かっていない様子だったので、こればかりは食べて理解してもらうしかないわけで。


「食べればわかるという事ですね?」

「ランチとは別の味見ですよね?」

「まあ、じゃあ三人で味見って事で、やることはそこまで多くないからすぐ終わると思うよ」


 しっかりと美味しいものを提供したい気持ちがあるので、一応使う醤油も今日は作るつもり。

 と言っても、難しい作業があるわけではなく、酒、みりん、醤油を一度沸騰させて醤油自体にコクを足した醤油に少量のかつおだしを足した出汁醤油を鍋で作ってあげます。

 今どきは炊飯器で炊いても土鍋に負けない美味しいご飯は炊けるのですが、時間があまりそうだったので、土鍋でふっくらと炊けた粒の立っている艶々のご飯を炊き、後は一つに纏めればいい状態に。


「お椀ではないんですね?」

「あー、うん。今日はお弁当みたいな形にしたいから折角だしお重を使おうと思ってね」


 もし家にあるよっていうのであれば、お勧めはワッパのような弁当箱ですが、普通のお椀でやっても問題はありません。

 先にご飯をつぶさないようにしながら敷いて、次に用意するのが海苔ですが湿気っていないパリパリのそのままでも美味しい海苔であれば先ほど作った出汁醤油に少しだけ浸してご飯の上に乗せていけばいいのですが、もしそうでない場合は軽く海苔を火で炙ってからパリパリにしてそれをご飯に乗せたい所。

 さらに言うのであれば、一枚のままだとやはり食べにくい部分はあるのでパリパリにしてからはさみなどで食べやすい大きさにカットしてそれから出汁醤油をくぐらせてご飯の上に乗せていきます。

 奇麗にお重のなかが海苔しか見えない状態になったら、二段目の為にご飯をもう一度乗せて、さらにその上にもう一度海苔をパリパリにして出汁醤油をくぐらせてたっぷりとのせてあげたら、のり重の出来上がり。


 今回は出汁醤油にしましたが、海苔のパリパリを最大限に味わいたい場合は出汁醤油をくぐらせたくない時があるので、その場合出汁醤油等はおかかと白ゴマを混ぜたところに和えて、海苔自体には味をつけないでおかか醤油の味で食べるというパターンもあって、このやり方だけが正解という事はなく。


 何はともあれ、二段海苔重が出来上がったので、早速味見。


「ご飯に海苔だけですが、そういえばおにぎりなどの時もかなりパリパリの海苔とご飯は相性が良かったですね」

「海苔の佃煮とご飯みたいなのもありでしたよね」


 今更になって思い出したみたいですが、とりあえず出来立てを食べてみる事に。


 パクっと口の中に入れると、海苔からは磯のいい香りが口いっぱいに広がり、醤油の味とほかほかのご飯。

 見た目は地味ですが、旨さは本物。

 誰も何も言わずに次の一口に手を付けて、三口目には奪い合いのような形でお重が右に左に。

 そして時間は殆ど経たずにお重の中は米粒一つない空っぽの状態に。


「コレは、うん」

「ですね、うんうん」

「よかったよね」


 もっと色々と言えるコメントがあるんじゃないの?と思うかもしれませんが、出てくる言葉がないぐらいには美味しい一品。

 これにさっき作ったお味噌汁で今日は行くつもりですが、もしお弁当にするのであれば白身魚のフライやちくわを磯部揚げにして乗っけてあげてもいい気もしたのですが、それをウチの二人に話したところ、思っていたようなのとは違う答えが返ってくることに。


「コレだけ美味しいのに余計なものは置かない方がいいです」

「ですです。コレで完璧。邪魔なものを置いたら、折角の美味しさが半減です」


 と、自分が思っているよりもかなり絶賛してくれることになりました。





先に行ってしまいますが、のり弁はそのうち出る気がします(笑)


という事で、海苔重です。お重ですよ!お重!!!

贅沢っ!って感じです。


海苔、ピンキリですが高い方だと本当に高い。。。その代わり、すっごく美味しいです。

いや、味の違いとか気にしないというような人でも、多分そっこーで分かるぐらいに海苔は美味しさが分かりやすく美味しいです。


……テレビで見たなと思ったそこのあなた、正解です!(笑)

でも、実際美味しい海苔は作者も何度か食べたことがありますが、全然違う。

本当に美味しいんですよー


って事で、料理というよりも素材勝負な回になってしまいました。


まあ、そういう日もアリと思ってもらえると嬉しいかなー?(笑)


今回も読んでいただきありがとうございます

目に見える形の評価やブックマークそして感想もかなり嬉しいです

誤字脱字報告とても助かります&申し訳ありません

改めてありがとうございます

毎日投稿頑張ります

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― 新着の感想 ―
先に行けばのり弁が…(゜A゜;)ゴクリ おかか版か刷毛で後塗りしか作ったことなかった… 先に浸すのもありなのか。だがしかし 食べやすいように炙ったのを手で握りつぶしたのを敷き詰めていたから それを浸…
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