お麩とドラゴン肉の甘辛炒め
ランチは無事に終わったと言えば終わったのですが、自分達が味見をしたときと同じような反応がお客さん達からもあって、いつも以上のおかわりに次ぐおかわり。
そしてお客さん達が満足して帰った後はクタクタの状態になりながら、ウチの二人もおかわりを。
そんないつもと変わらないランチが終わって片付けまでおわったら後は自由時間。
鍵の情報を使ってあれこれと調べる事をしてみたり、自分を鍛える行動をしてみたりと色々とやれることは多いのですが、何となく今日はゆっくりとしたい気分になってしまったので、外出をせずにそのまま家の温泉でゆっくりと休むことに。
「その顔は忘れていましたね?」
「あー、うん。時間帯をまあ、間違えたね」
「そんなことは少ないと思っていたのですが、本当にご主人間違えていたんですね」
そんなことを二人から言われてしまう位にはちょっとだけお疲れモードだったわけですが、昼間の時間帯は色々な精霊が世界樹さんの元に遊びに来ているのもあってかなり賑やかな状況。
そしてそれをいくら無視して入っていても、多少のちょっかいはあるわけで。
怒る事もないのでそのままにしていたのですが、体の疲れは多少癒えても休まったという感じは無くて。
そんな午後を過ごして、さてもう少しゆっくりしようと思っていると、
「で、今日のお夕飯は?」
「…………。そういえば、考えていなかったね」
あまり頭が働かない状態なのでどうしようと迷っていたのですが、なにかに気がついたのであろうタマエが、冷蔵庫さんにお願いしてみては?と言ってくれて。
「こういう時はお願いするのもアリかな?」
「ですねー。ただ、私達が作るよりもやはりご主人が作った方が美味しいので、作るのはお願いします」
たったそれだけの一言でまあいいかと思えてしまう事ももしかしたらちょっと良くないのかもしれませんが、それでもやはりうれしい事には変わりないのでムムムっといつもの感じに冷蔵庫さんにお願いをしてみると、出してきたのはいつの間にか薄切りにされたドラゴン肉とお麩。
「ドラゴン肉とお麩?」
「見た感じは豚バラ肉にしか見えませんが、よく分かりますね?」
「いや、まあ魔力が見えたからね。でも結構ぬけているみたいだから二人は美味しくていいかもね?」
「今日のランチのお肉も悪くなかったですが、お肉らしいお肉はいいものですからねー」
お肉らしいお肉……。
鶏のひき肉にはんぺんを足してしまっていたのでお肉らしいお肉ではなかった判定になっているのはちょっと面白く思えますが、まあなんとなく分かるこの二つで何をどうしようか少し考えてみるのですが、目の前の二つだけではなかった模様。
「雅、後ろにタマネギとニラではなく……ネギですね」
どうやら見逃している食材があったみたいでそれも二人が出してくれたのですが、まあこの食材だったら炒めればいいかなー?という感じ。
ただ、冷蔵庫さんにしては珍しいチョイスだなーと思っていると、
「え?」
と、タマエが何かを聞いたみたいで大きな声で反応します。
「どうかした?」
「あの、多分冷蔵庫さんがコレも使ってみては?と」
「どれ?」
と、タマエが渡してきたのは卵。
「卵?」
「しっかりと聞こえているわけではないので何ともなのですが、多分タレに使ってみてはって」
「タレに、卵?」
いわれてから少しだけ考えてみるのですが、タレに卵。
卵焼きではなくタレとして使うという方法で卵を使うことは無いわけではないのでそこまで難しい話ではないのですが、イマイチしっくりこない状態。
ただ、何となく言わんとしていることは考えているうちに分かってきたので、とりあえず頷いて、やってみる事にしましょう。
「失敗は殆どないのですが、もし失敗しても自分達が食べるモノですから大丈夫です」
言われてみるとランチではないので問題なしという事で、先にやるのはお肉への下味。
まあ、ドラゴン肉はあまり下味がつかないのですが、気持の問題として塩コショウを軽く振って、一応コーティング的な感じとこの後のタレを絡ませる為に片栗粉を振ってお肉をしっかりと包みます。
タマネギはちょっと大きめの櫛切りで、ネギは色合いのような感じで使えばいいように感じたので細かく小口切り。
と、ここまでやってやっと卵の使い方がなんとなく分かってきます。
お肉と野菜の準備が終わったら、次はお麩。
順番的に言えば本当は一番最初にこれからやっていたらよかったみたいですが、お麩はそのままでもいいのですが、一緒に炒めるとなると少し沁みさせた方が美味しいわけで。
卵を溶いて、お水や出汁を入れて、更に少々味付けを。
噛むとじゅわっといい味が出てくれると嬉しいので、普通に味付けは醤油と砂糖でオッケー。
卵と水も入っているので火を入れるとちょっとだけ固まりやすくお麩自体のコーティングにもなるので、一気に背負う。
多分そういう事で卵を使って欲しかったのだと理解して、お麩がある程度水分を吸ったら、後は一気に完成に向かって炒めるだけ。
先にお肉をフライパンに入れて火を通して、ある程度色が変わったところに野菜と同じタイミングでお麩も入れましょう。
そして味付けはコレだとちょっと足りないので、お麩も多少炒めていい感じの焼き色が付いて来た辺りで酒、醤油、みりんを混ぜた甘辛味を加えて、全体にそれが馴染んだら完成間近。
ネギは散らせばいいのですが、火を通したい場合は最後の余熱で全体に絡まるようにネギを入れて出来上がりです。
「お麩とドラゴン肉の甘辛炒めのできあがりっと」
「お肉ぅぅですね」
「コレは、もしかすると、もしかするかもしれませんね?」
後は白いご飯と一緒に食べるだけ。
食べてみると予想通りだったみたいで、お肉はお肉の旨味があって、そしてその旨味もお麩と卵のコーティングがいい感じに吸ってくれていて、お麩は噛めば噛むほどお肉の様な旨味を感じるものになって。
「無限に食べられます」
「体が熱くなってきましたよー」
「本当に、ちょっと熱くなってきたかもしれないから、後でお風呂入り直しかな」
そんないつもの夕方になりました。
本編にもあるようにドラゴン肉とタイトルにはありますが、豚バラ肉で代用可能です。というか現実にはドラゴン肉がないので豚バラがいいかなー(笑)
豚小間でもいいですよ?牛肉でもいいけど、豚の方が安いかな?(笑)
そしてタレの卵入りが結構決め手な一品です。
甘辛はどんな時期でも美味しく頂けるのでうれしいですが、白いご飯が沢山欲しい。
そんな一品になったかなーって感じですね。
秋の夜長?でしたっけ?読書にはいい季節になってきた感じが。
ドラマとかアニメとか、面白そうなのがまた色々とはじまるっぽいので目が離せないのですが、眩暈が酷い(笑)
目を閉じてゆっくりできるのって曲を聞くぐらいなのですが、本が読みたい。
眩暈を無視して、本を読むと疲れるけど楽しい。
本を読むのが楽しいって私の人生ってかなーり幸せだと今更実感していたりします(笑)
今回も読んでいただきありがとうございます
目に見える形の評価やブックマークそして感想もかなり嬉しいです
誤字脱字報告とても助かります&申し訳ありません
改めてありがとうございます
毎日投稿頑張ります




