新年、俺は夢を見る
「あけましておめでとう!」
チャットSNSアプリLINヨでの会話。
気づけば一時半を回っていて、すぐにベッドに入るも眠れない。
それでも寝ようと、まぶたの裏を必死に見つめていた時だった。
ーーまた奴らが現れた。
俺の体から飛び出したそいつは言う。
「どうもォどうもォこんにちはァ! マヂカルアクマーですゥ!」
「おい悪魔! 漫才師みたいな出かたすな!面白くないぞ!」
大晦日、俺が勉強したくないと思っていた時に出た、悪魔と天使。二人の意見は矛盾していて、『悪魔はサボる方が楽だ』と、天使は『勉強を頑張るのだ』と。
漫画によく出るあの光景だ。
(今夜は俺を、『寝かしつける天使 or スマホいじろうぜ悪魔』とみた)
「俺はスベってねェ!」
何か聞いたことある様なセリフを、悪魔が言った。
「あぁそれ……すみません、スベっている自覚が無かったんですね」
と、今度は天使が、何か聞き覚えのあるセリフを。
「まさか悪魔界にも漫画あんの!? なんだっけ……あ、『魔滅の刃』だっけか?」
「うるせェぞ! 俺はスベってな」
「はいはい! 悪魔ちゃんはスベってないですよ〜! 良い子はおねんねの時間ですよ〜」
天使も悪魔をからかいながら、天使の任務『俺を寝かしつける』を発動……
いや、悪魔にも発動している……ってことは、範囲攻撃なのか!
「うっせェ天使のくせしてェ!」
「はいはい子守唄歌ってほちぃのでちゅか? それとも最近流行りの『うっせェわ』歌ってほちいのでちゅか?」
「お前天使のくせしてこの俺様をォ!!!」
またうるさくなってきた……。
「お前ら、俺に誘惑しに来てるくせに、その俺忘れて喧嘩するとか、無脳かアホか!」
「そそ! 俺たちァアホでなァ! なんせアホの脳から出たもんでなァ! すみやァせん!」
「そうよ!天使だって好きで出てるわけじゃないのに、アホにアホって言われるなんて悲しいわ」
お前ら結局何しに来たんだ! 二人して俺をイラつかせに来てるとか、何仲良くなってんだよ!
「♬ 『アホ』には一致、あるいは、意見割れるわ、気分悪いわ、でさいやく辛いわ!」
と、ラップをかます……が、
「( ᐛ )」
「( ºωº )」
その顔、その反応、うぜぇ。お前ら本当は仲良しだろ!? 二人して俺を寝かせずイラつかせる為に来たんだろ!
「俺はスベってな」
「あぁそれ……すみません、スベっている自覚が無かったんですね」
「あァそれ……わりィ、、、スベっている自覚が無かったんだなァ」
ムッか〜(ノꐦ ⊙曲ఠ)ノ彡┻━┻
「やっぱりお前ら気が合うな(−_−#) 結婚式呼べよ、美味い飯待ってる、おやすみ」
イライラするから寝よ! そうしよ! あいつら一体なんやってん!
「今夜は僕の勝ちですね」
天使はそう言うと微笑む。
「てめェ。それが目的で俺に合わせてきたのかァ。確かに今夜は負けを認めるしかねェぜ、クッソ次は勝つ!」
眠いからもう寝よ。
深夜テンション書き。