地深の里再び
「ようこそ。地深の里へ」
「お待ちしておりました。ささ、こちらへ」
連絡を受け首を長くして待っていた束、黒灰と奥さんが四人を出迎える。
マスコットの様な可愛らしい奥さんに沙智は笑顔していた
「あれから変わりないのか?」
「ええ。細かな問題はありますが、平穏に過ごしてます」
「そうか」
黒灰の一声でロームが宴の準備を進めようと奥へ向かい、奥さんも手伝いに走って行った。
黒灰は四人の応対(ほとんど会話してるのは燐火)と準備ができる間の案内をする事に務めるが、話の進み具合で黒灰の現悩みが出始める
「私はそろそろ“束”を引き継ぎたいと思ってるのですが、息子(赤灰)がどうにも落ち着かなくて」
「苦労してるな」
「はい…息子でなくても良いのですが里人は息子で良いと言いますし……」
切なそうに話す束に咲耶達は赤灰を思い出し、落ち着かないんだなと苦笑
〈今日はこっちがいいか?〉
〈あっ、それもいい〉
〈ちょっとまった!〉
「…あれ…この声……」
通りがかりに聞こえてきた声に聞き覚えを感じ、咲耶達は近くまで歩いて行く。
そこには宇宙服?を身に纏い整列してる三人とそれを束ねる一人の女性がいる。女性は三人の指揮官的役割の様で命令口調にビシビシ指摘していた
「まだまだ生ぬるいわ! やるからには徹底的に着こなすのよ、分かった?」
三人「はい!」
「舞!?」
咲耶と沙智が怪しい衣装を着ている四人に駆け寄った。長かった髪は最初に会った頃の様に短くなり、光沢のある銀色のスーツを装着している
「地深の里にいたんだ!!」
「どーりで連絡つかないと思ったら」
「あら、あんた達」
「おおっ 使いの皆様!!!」
丸いヘルメットをスッポリ被り誰が誰だか謎だったが、赤灰・業火・カヌマの三人は『ありがたや~ありがたや~』と跪き拝んでいた
「ところで何やってんの?」
訝しげに四人を見る咲耶と沙智
「ファッションの研究よ。今はこれが流行ってんのよ」
「今では彼女が地深・楠・染を周回してあの三人を引き連れています。人間の服が多いので気に入った様ですね」
「…………」
遠巻きに見ていた燐火達はバツが悪そうに話す黒灰にやや同情気味だ
ハッ
(氷雪!!?)
燐火のいる方を見た舞は氷雪を見て目がパチクリに。
恐怖を感じた氷雪がびくつくが、再び笑いながら赤灰達の方へと振り返る
「ふ…ふふふ、私はもう昔の私とは違うのよ。過去は捨て、新しくなった自分として生きているんだから」
〈祝福してあげるわ、咲耶〉
〈そらどうも…〉
「じゃ、赤灰君と?」
「違う!!!」
沙智の一言に大声で否定。ヘルメットを外した赤灰がショックを受けカヌマと業火が応援している。
舞は人差し指を上に掲げ高らかに笑い出した
「ファッションよ!」
ホーホッホホホホ
「ファッションと自由恋愛!! これこそが私にぴったりの生き方だわ!!!」
皆・ポカーン
「今日は何? 宴会でもするの?」
「…うん」
「じゃ、私達も参加しましょ♦」
「おー!」
「………」
黒灰の奥さんが『出来ましたよ』と呼びに来た為黒灰が先頭に立ち皆を連れて行く
「…息子には違う娘にしろと言ってるんですが、何せガンゴで…」
「当分引き継ぎは無さそうだな」
「……」
「まったくです」
宴会場への間、一人赤灰が拳を作り『負けないっての』と呟きながらわなわなしていた
「お―――――♥」
「各地の名物料理も取り揃えておりますからどうぞお好きな物を召し上がって下さい」
案内された場所は広く整えられた野外だった。
木材を加工したテーブルには各里で振る舞われる豪華料理ばかりが揃い、味はもちろん見た目も新鮮つやつやで、食べるのを躊躇してしまうほどだ。
奥さんとロームを筆頭に地深の里人も集まり各々自由に飲み食いが始まった
「うわー、お団子ー」
「向こうに座ろうか」
「うん!」
大量に積まれた団子を見かけ沙智の顔色が輝き出した。咲耶達も場所を決め、近くに並んでいた飲み物類に手を伸ばす
「氷雪ってお酒強いよねー」
「飲んでも液体だしな。強いと言うか意味がないと言うか」
笑いながら器を咲耶へ渡し、甘酒を手にする
「咲耶はこっち」
「うん、ありがと」
一通りの料理を手に入れる為に二人は歩き出す。別場所では柔らかい椅子に寛いだ舞に三人が甲斐甲斐しく食事と飲み物を運んでいた
「姉ゴ、お菓子です」
「ジュースっす」
「あら、ありがとー♦」
「辛みそ野菜の胡麻和えです」
舞が居座った理由は居心地が良いのもあるようだ。
皆寛ぎワイワイ賑やかが続く。
黒灰や奥さん、ローム達は皆の様子を綻んで見ていた
びゅ――――――
「わっ」
勢いのある風に吹かれ枯葉や軽い物が飛んでいく
「季節の変わり目が近くて時々突風が吹くんです」
「いや、構わない」
申し訳ないと謝る黒灰、気にする程でもないと燐火は言う。しかし咲耶と沙智が風で飛んで行った方向を見て焦っていた
「リボンが…」
「あたしのも飛んじゃった」
最低限のお洒落をと沙智は髪にリボンを結い、きつく縛った筈だった咲耶のリボンも飛んで行った。
立ち上がり取りに行こうとするが、先に氷雪が飛んだ方向へと走り出す
「二人の取ってくる」
「ゴメン」
「ありがとう…」
「あの方向…」
氷雪が向かった先をじーっと見つめる赤灰、良い気分になっていた舞も気付く
二つのリボンを発見した氷雪は足早に拾い来た道を戻ろうとする
「あれ~?」
声に気付き足を止めると数メートル離れた場所に水が満タンに入ったバケツを片手に持ち、ランニングを着た頭がボサボサの人物がきょとんとして氷雪を見ていた
「見た事あると思ったら、氷雪だ~」
「…………榊…」
ダダダダダ とうっ! しゅんっ しゅっ しゅっ
「氷雪さんに何かしたら、この業火が許さないからな!!!」
「おう!」
榊に警戒した氷雪の前に業火を先頭に立たせ後ろから威嚇する赤灰とカヌマが現れた
「…何で榊がここにいるの?」
「咲耶」
「土が良いんですって」
三人と氷雪の間に壁になる様に入って来た咲耶も厳しい顔をして榊を見ている
「舞…」
「変態花育てんのにここの土が良くって、勝手にいついたのよ。私も人の事言ってらんないけどさー」
遅れてやって来た舞が『ヤレヤレ』と溜息
「褒められてるみたいでうれしいっしょ♪」
「褒めてんじゃないわ!!!」
ケラケラ笑う榊にカチンとなり顔が豹変
「本当は認められないんですが、地深に騒音や迷惑をかけないと言う約束で無属と監視の元、彼をここに住まわせています」
「束」
困った様子で話す黒灰、その後ろには燐火と沙智もいる。
咲耶と氷雪は黒灰達の所へ歩きだし、からかいの対象を見つけた榊は舞と談笑?していた
「身体の一部を採取し無属で調べて貰えれば彼の里が分かるのですが」
〈今日も変な服着てんなー〉
ケラケラ
〈うっさいわ!〉
〈姐ゴ!! 相手にしないで〉
「なにぶん動きが素早くて」
「本人に直接聞いたら?」
「本人は“もう無くなった”としか言わないんです」
「……」
黒灰の視線が榊に向き、咲耶達も視線を移す
「混血なのかとも思いましたが両親“木”だと言い張りますし…………紫珠の件では何かと問題があった彼です。無属に近いこの地での監視と言う形で落ち着いています」
「いついてからの問題事は?」
「いえ、ありません」
「………」
燐火が榊の方へ行き、事情を尋ねる
「いつも一緒にいた灯はどうした?」
「人間の別荘にいるっしょ」
「お前は行かないのか?」
「……」
人面花の中心にいる榊は急な質問に一瞬の間
「たまに行くと消されそうになるから戻って来るっしょ」
「……」
ケラケラ笑う榊に沙智は目を伏せ怯えてしまう
「さぁさ、こんな奴ほっといて続きやりましょ。もう何もしないし大丈夫よ」
榊に背を向けやってらんないわみたいな態度で帰ろうとする。赤灰達も同意し元の場所へと向かう
「じゃあの。舞」
ケラケラ
「名前を呼ぶな!」
〈姉ゴ! ムシっすよ〉
手を振り覚えた名前を口にする。ムカっときた舞は榊を睨んだ。
戻る途中、沙智が振り返ると鼻歌混じりで人面花に水をかけてる榊の姿があった
「沙智?」
咲耶の声に気づき止まっていた足を動かす。元の場所に戻ると氷雪からリボンを受け取り礼を言う。
咲耶のリボンは氷雪がきつく結い直していた
「…何考えてるか分からなくて怖いけど……何か……さみしそう…」
「あいつは道化だ。自分を偽ってよく笑う」
沙智の言葉に反応しポソリと氷雪
「そんな裏の心に晦冥が目を付け、使いにしたのかもしれんな」
「でもやっぱりまだ許せないよ!!」
見てない様で見てるんだなと感心する燐火。
咲耶はムッとなり顔が引きつるが、氷雪は優しく咲耶を見て微笑している
「皆さん。気を取り直して、地深名物彩り三昧をどうぞ!!」
四人の目の前に赤灰達が次々と彩り鮮やかな料理を置く。
その後赤灰達は宴会の中心へ行くと箸の先端に丸い食べ物を刺し陽気に踊り出した
「そして俺達三人で歌います!!」
〈いいぞー〉
「どこでそんな事覚えたんだ」
束が呆れて突っ込みを入れている。
宴会が盛り上がる中、道中から人影が現れた
「やあ、楽しんでるね」
「こよりさん!」
「おれも混ざっていいかな?」
「もちろんっす!!」
こよりと呼ばれた人物は挨拶程度に手をあげ全身を隠せる外套を頭だけ覗かせて笑顔を向けていた
「こよりぃ~~~~~~♥」
ドカーン
三人の間を突進して舞がこよりへと突き進む
「やあ、舞」
「ねねっ 新しく繁華街に甘味処ができたのよ♦ 一緒に行かない?」
「そうだね。今度“みんな”で行ってみようか」
「えっ」
「おー♪」
赤灰、業火、カヌマが手を挙げ喜んでいるが肩すかしをくらい舞はびっくり。
黒灰がこよりの所へ行き話を聞きに奥へと向かう
「あの人は?」
「“頼渡”のこよりさんっす」
「人当り良くて気さくだから姉ゴめろめろっす。その上キュート」
〈赤兄、めげるなだ〉
〈…おう〉
「奥さんいるんだが姉ゴめろめろ」
「は!?」
こよりの後ろ姿をラブラブしながら見送る舞に赤灰は落ち込みカヌマと業火は咲耶達に説明している
「…舞……」
「奥さんいるって知ってて…?」
「なるほど、それで自由恋愛か」
呆れる咲耶に狼狽える沙智。燐火はしれっとしながら舞の言った事を思い出し、氷雪に至っては関心が無く酒を飲んでいる
「こよりさんは姉ゴのアタックを軽くかわすっす」
「噂だと奥さんは恐妻家みたいで、奥さんの事聞くと爽やかなあの顔が真っ青になるっす」
「なのでこよりさんは自由恋愛ムリっす」
「俺にはまだチャンスがあるっての!!」
業火とカヌマが四人の所に寄って来てはヒソヒソこより情報を語り出した。
黒灰達の用は終わり、こよりに近づいてイソイソ酌をしに行く舞の姿がある
「こより♥ こっちこっち♥ ほら、食べ物持ってきて!」
三人「はい!!」
やんわり断り自分でしようとするこよりだがそれを許さない舞。指示された三人は手際よく動きだし、こよりの隣にいた黒灰は唖然としていた。そしてこよりも加わり宴会は賑やかに過ぎて行く
「……ねむ…」
夜も更け辺りは暗闇に。
台の上に顔を乗せ咲耶は眠たそうにしてる
「そろそろ休むか?」
「そだね」
「さくやぁ まだまだ序の口よ、もっと飲みなさい!!」
「…飲めないって」
遠く離れた所で舞が指摘する。地獄耳は相変わらずだ
「…さくやって言うの? あの娘」
隣にいたこよりに聞かれテンションが上がった舞は饒舌に話し出す
「そうよ。私が認めた永遠のライバルよ♦ あいつすんごい無鉄砲で、毎日大変だったわ♦」
「この宴会は旺珠の使いをした五人を招いての催しだったんす」
「舞の姉ゴも使いをされた立派な人っす!!!」
「やーねー♪ もう終わった事じゃない♦」
持ち上げられ喜ぶ舞。
こよりは周りに挨拶をして宿へと向かう咲耶達を珍しい物でも見るかの様な目で追っていた
「そうなんだ」
はっ
「まさかこより! 咲耶の事…」 だめよ不倫は!!
「え?」
「姉ゴ…」
急に振られ何の事か分からない。赤灰達は舞に総突っ込みをしていた。
こよりは何かを思い出したか笑って立ち上がる
「おれもう行くよ。早めに戻んないと」
「ええ! 行っちゃうの!?」
「奥さん怖いっすか?」
「ハハハ…」
「ごちそう様」
〈少し貰ってもいいかい〉
〈ああ〉
大量に持たされる料理のお土産を片手に手を振りながら帰っていく
「絶っ対今度行きましょうね!」
両手をブンブン振って見送る舞、見えなくなる頃大きく溜息を吐いた
「甘酒なのによったー」
宿までの通路中、眠たそうにし顔を赤くフラフラしていた咲耶を氷雪は支えながらクスクス笑っている
「ほんのり顔が染まってる咲耶もかわいいな」
「ぐあ!」
不意打ちを受け咲耶がより赤くなり戸惑った
「氷雪のストレートさにまだ慣れない時があるなぁ…」
照れ笑いの咲耶に氷雪は尚笑う
「さっきより赤くなった」
「もうっ」
コツ…
二人とも笑い出しじゃれ合っていたが、ふいに響く足音に気づき振り向くと、マントを羽織り左手に大量の荷物を持った人物と目が合った
「…あれ……頼渡の…」
「ゴメン、邪魔するつもりは無かったけど今しかなくて…」
バツが悪そうに眉を下げているこより。咲耶達を優しく見つめている
「……大樹によろしくって伝えて」
「じゃ」
シュッ
「あ!」
言ったか言わない内に瞬移で消えてしまった。
先程までいたこよりの場所をしばらく二人は眺めている
「大樹って…木の花の束……友達なのかな?」
「……」
二人は不思議そうにしていたが、気を取り直して通路を歩いて行った
瞳を閉じた人面花達の中央で、大の字になり大きく口を開けて榊は眠っている
「はい、食べて」
顔の横に荷物を置かれ目を覚ました榊は包まれているお土産を開けると美味しそうな料理が並んでいた為驚き、早速手掴みで食べ始めた
「まだ決まらないかな?」
「君を巡回視として無属と一緒に染を行き来して欲しいのだけど、やっぱりこの場所にいたいかい?」
パクパクとがっつく榊の隣に腰をおろすと、こよりは榊を眺めながら口を開く
「染には人が多い分諍いが起こる事もよくあるんだ」
「………」
パクパクパクパク
「君は戦いのセンスがあるし、無属にとっても都合がいいんだが…」
ハムスター化した榊は片手に食べ物を持ち目だけをこよりに向ける
「…こいつらを育てる方がいいっしょ。堅苦しい服は着たくないっしょ!」
「そうか…分かった、又来るよ」
諦めたこよりは立ち上がり、残りのお土産を持って帰ろうとする
「またのー。“巡回視”」
手を振って見送る榊。数歩進んだところで再び榊の方へと向き直る
「一ついいかい?」
「?」
「自分の意思表示を女の子に伝えないと相手には通じないよ」
意味不な事を言われきょとんとしているが、さらにこよりは続けた
「気になる子がいるからここにいるんじゃないのかい?」
「…」
「それにもう一人別の場所にもいるみたいだね」
クスリと笑うこよりに対し榊は聞いてるのか聞いていないのか微妙な態度でいる
「じゃ」
こよりは去って行く。いなくなったこよりの周囲をキョロキョロ見回し考え込む
「………そうなのかあ?………………????」
榊の頭は『?』で一杯だ。
地深では、出来上がった舞が盆を持ち踊っていたり、団子を食べきるまで居続けようとする沙智や引き気味で沙智に酒を出す燐火の姿があった
宴は明け方まで続き、次の日は各々解散となる
台に突っ伏して眠りこけてる舞を起こさない様後片付けをしてる三人や、咲耶は染に行く沙智達と分かれ地深を後にした
「大樹(束)―――!!」
「お帰り。楽しかったか?」
「あのね」
木の花へと戻り大樹の所へ向かう二人。
大樹は着物を着崩すことなくしっかりと着て少し長めの髪を後ろで一つに結っている。長年いる事もあり年長者ゆえの落ち着きがある彼は、里人の人望も厚い。
普段は一緒に桜の手入れをし、里人と大差ない事をしている。そして今日も普段と変わらず仕事をしていた。
後で咲耶達の話を聞くと懐かしそうに苦笑いしながら二人と会話する事となる
場所が変わり柱が何本も建つ宮殿型の屋敷があった。
白や赤、青等で整えられた屋敷は原色を使っているにも派手さは感じられず、空気が張りつめた緊張感が漂い厳かな雰囲気を醸している
「……」
美しく細工された台の上に重箱と箸が置かれている事に気づき『じー』っと眺めている女性がいた
「これは何ぞ? こより」
「里で宴会があって、お土産に貰って来たんだ」
『食べて』とこよりは着替えながら女性に言う。屋敷の中では金色の髪がよく映えどこにいても目立つその女性はいつのまにか椅子に座り重箱の蓋を開けると神妙になった
「………五属は楽しそうでええのお……こっちじゃ宴なぞ数年に一度くらいなのに」
「…ら、来年あるじゃないか」
雲行きが怪しい事に察したこよりは焦りが生じるも、静かに一所懸命食べる女性を後ろから見守っていた
「…………美味い」
モグモグ
「…それは良かった」
お上品ながらも一気にたいらげ完食。
少しの沈黙後両手を台につき勢いよく立ち上がった
「…決めた!! わらわは巡回視になる!!」
「!?」
「さすれば毎回五属の美味食材が堪能できる!! こっそり抜けるぞこより!! いざ!!」
「ちょっ………まっ…」
五属の土産で内部に秘めた炎が燃え盛り、こよりの腕を掴むと屋敷の外へ強引に出ようとする
「まって……“鶯綺”!!!」
抵抗するこよりだが勢いに呑まれ抗う事が出来ない。必死に大声を上げ助けを求めていた
「だっ……誰かぁ――――――!!」
【終】




