幽霊ってデレるんだ
そうツッコミをいれると、ようやくメリーは口を開いた。
「え、えっと、う・・・・・。
だって、幽霊でずっと、人を脅かすことに、飽きたんだもん!!!
面白くないんだもん!!!つまらないから脅かしているだけで!!!
それさえも、つまらなくなったら・・・私。
どうしたらいいのかわからなくて」
少し泣いているようだ。
「だ、だから、誰でもいいから人間の友達がほしかったの!
そしたら少しでも楽しくなるかと思って・・・」
いつもえらそうなメリーがこうも、おとなしそうに話していると
笑っていい場面ではないが、笑いそうになる。
「でもやっぱり、人間の友達を作ったって、面白くない。
なんでこの世の中、こんなにつまらないのかしら」
メリーは少し吹っ切れたように、またいつもと同じような話し方に戻っていくのだった。
つまり、メリーはつまらない日常を変えようと思っているらしい。
というか、幽霊に日常なんてあるのだろうか。さっさと、昇天して、天国や地獄やらにいったらいいのではないだろうか。
「なによ、なにかいいなさいよ」
文句言いたげな僕に察しがついたのか、メリーがそういう。
「なんにもございません」
「・・・ふん、つまんない人間だわ。
それでもあんたと話していると、まだ最悪な退屈はしのげているような気がするわ」
「あ、デレですか?」
「デレってなによ?」
「ぼっちとかいう言葉を知りながら、デレを知らないんですか?」
「ちょっと、デレってなんなの!ねえ、教えなさいってば!」
「あ、そろそろ僕寝る時間なんで、おやすみなさい」