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幽霊との謎の会話(電話)がはじまる。拒否権はない。
よくある怪談。
何度もいたずら電話のようにかかり、
今自分がいる場所を伝えるのだ。
「私、メリー。今あなたの後ろにいるの」
そう、最後にはこんな風に電話の向こうから、少女の声が聞こえる。
そして、後ろを振り返ると……。
「・・・・いない」
誰もいない現実をつきつけられる。
別に期待していたわけじゃないけど。
ただ、幻は存在しないってことだ。
「ねえ、電話きらないで」
「えっ?」
「電話きらないでよ、そのままよ?」
「・・・・はあ」
電話の向こうから聞こえる声はさっきよりもワントーン明るい声だ。
「電話をきったら、あなた死ぬからね」
「えっ・・・」
突然の死亡宣告。
「死にたくなければ、私とお話しなさい」
そして、突然に・・・・
強いられた謎の会話がはじまるのだった。