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プロローグ


なんの不満も不安もなく、無我夢中で毎日楽しく面白おかしく生きていたのは何歳までだっただろう。

自分が小学生の頃は喧嘩も強くなくて運動も勉強も出来る方ではなかった。

周りを見渡せば校内にはいじめが燻っていたし、家庭内では両親の関係は完全に冷え切っていた。

小遣いは月に千円で門限は18時。

遊び場は駄菓子屋か公園か誰かの家か。

毎朝7時に起きて、訳の分からないニュースを見ながら食べるトーストは嫌いだった。


「朝ご飯なんかいらないからもう少し寝たい」


そんな事を言ってはよく母に怒られた。

小学校の授業は退屈で嫌いだったけれど、休み時間になると聞こえてくる「○○ってキモくね?」だの「あいつって△△が好きらしいよ」だのの噂話なのか陰口なのか分からない会話はもっと嫌いだった。

今になって思えば小学生の頃にそんなに良い思い出はなくて、早く大人になりたいと切望していた。

それにも関わらず今の自分の頭の中は、小学生の頃に戻れたらという叶いもしない願望で埋め尽くされている。

いい思い出はなくとも、あの頃の自分は無我夢中で生きていたと思うから。


今年で28歳になった。

職業は無職で職歴はなし、ニートが出来るほど裕福な家庭ではなく、生活もままならない上に返済できるか分からない奨学金を抱えていて、有り体に言えばお先真っ暗であった。

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