⑬ PERFECT CRIMINAL
見つけたよ?
見つけたかい?
見つけたの?
見つけられるかな?
ご存知の通り、二を別ち、互いに隠しあうための存在は「壁」だね
そして君はその壁を何十にも敷き詰めて、一切を隔すなんてことを成し遂げた
すごいよね
誰にも突破できない、
いや、誰にも突破させない、
いや、誰にも突破するなんて、思考をもたせない
そんな箱庭
君は臆病だよね
鏡さえ見ていれば満足で、幸せだなんて
その壁の中で、誰にも知覚されなければ
おおよそ君の思い通りで
おおよそ君の大勝利なんだろう
ズルいよね
本心とは真逆のことを主張したいがために、君の表層は
まるで整合性のとれていない「ありふれた」つぎはぎの代物
とても、
とてもじゃないけれど、君が纏っているその紙のような装甲を
突破してくれだなんて、残酷がすぎるエクセキューション
だから断る
君は、その大切そうに仕舞われた、オルゴール付きの木箱の中で
その輝きのような何かを永遠に内包したまま、静を奏でながら眠れ
心配しなくとも、その施錠は、必ず行うよ
う〇ち