表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
〝ユメ〟  作者: ミーケん
【現実編】file3 迫るユメ
12/12

data1 神崎

 違和感は膨れ上がり、教室の隅に座って授業を受けている今も僕の目線は黒板でチョークを削っている教師なんかに行かず、目の前に広がる多くの空席に向いていた。

 少なくとも10人分はいる空席に対し、誰も騒ぐことなどなく、ただ普通に授業を受けている。その光景ははっきりいって異常だった。そして、同時に僕自身が異常であり、みんなが正常なんじゃないかとも思った。それは当然だろう。僕は1人でみんなは20人以上いる。普通と表現されるなら多数であるみんなに当たる。

 なのに、僕はみんなに対して異常と表現している。

 なぜ?それは根拠があるからだ。みんなが異常であるという決定的な証拠を知っているから。自覚しているからだ。

 昨日の夜。唐突に忘れたなにか、誰に聞いても分からない。

 僕はそれを自覚している。つまり、『何かを忘れた』という記憶がある。なにかがあったのにそこに何があったのか思い出せない。したことがあるのにしたことを思い出せないことを覚えている。

 ひどい矛盾のように感じるが、しかし、事実であるなら信じる他ない。僕は昨日の夜に何かをしていて、その直後に僕は『なにをしていたか』についての記憶を無くした。

 このおかしな現象は一体どういうことか。僕だけでは分かりそうもなさそうだった。


 この学校には掲示板がある。匿名で書き込むことができる代物で、誰が運営しているのかは知らないが、一昔に流行っていた裏掲示板のように悪口なども蔓延っているが、しかし、そのような書き込みは公開されないように設定されているらしく、僕は掲示板を使ってしばらく経つが、そのような内容の書き込みを見たことがない。

 掲示板に書き込む際、利用者にはナンバーが1~1000からランダムで抽出され、当てられる。そのナンバーは掲示板に入る事に代わり、誰が何番なのか全くわからないシステムである。

 しかし、そんな中、1人ナンバーでないユーザーがいる。『神崎』というユーザーである。彼だけは名前が変わることはなく、利用者の間では『神崎』が運営者ではないかと噂されている。

 そんな『神崎』だが、彼は基本的に日本語を書き込まないことで有名だ。

 例えば今月最初の日には「hatari()」とだけ書き込んだ。


 そして、今日。彼は再び掲示板に書き込んだ。

 「absenteeISincrease」

神崎は予言する。


「▒▒▒は▒▒▒」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ