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〝ユメ〟  作者: ミーケん
【ххх】file0 1人目
1/12

data0 噂

新連載スタート

 ──ねぇ、知ってる?


 ──知らないの?ユメの噂だよ。


 ──へぇ、わかった。君友達いないね?


 ──ははは。そんな顔しないでよ。


 ──えーとね。どんな話だったかな。


 ──君の通う高校あるじゃん?


 ──そうそう。あの偏屈先生が有名なあそこ。


 ──あの高校の図書室に表紙も裏表紙も真っ白な本があるんだって。


 ──あぁ、違う違う。これはただの導入だって。


 ──そそ。噂の本題はここからだよ。


 ──その本にはこんな噂があるんだ。


 ──ふふふ。そんなに焦らなくても教えてあげるよ。


 ──実は本に触れると不思議な世界に行けるって言われてるんだ。


 ──うん。よくはわかってないよ?だって噂話だからね。


 ──あはは。その世界に行きたいって?


 ──いや、別にバカにしてる訳じゃないんだよ。でも、やっぱりそれを言うのはすこし面白くはあったかな。


 ──君がいますべきことはその不思議な世界に行くことじゃない。


 ──わからないかな?僕がいまこの話をしてる意味が。


 ──うーん。じゃあ、教えてあげるよ。


 ──君はこれからこの噂話を広めてほしい。


 ──そうだね。50人ぐらいに広まれば充分かな。


 ──広めなかったらどうするか?


 ──だったら別の人に頼むとするよ。君にはとりあえずこちらに来てもらうけどね。


 ──こちらがどちらかわからないならそれでもいいよ。


 ──まだ50人にしか広められてないんだよなぁ。


 ──まぁ、いっか。で?どうするの?広められるか?


 ──んー。そうか。友達がいないから無理か。


 ──え?いじめられてるの?


 ──だからその世界に行きたいと。ふーん。


 ──あははは!そんなこと言ってー。まさかその世界がないとか思ってるのかな?


 ──へー。そうかそうか。なるほどね。


 ──うん。わかった。じゃあ君を1人目にしてあげるよ。


 ──ありがとうって。そんなこと言わなくてもいいのに。


──じゃあ、とりあえず君は〝ユメ〟に来てもらうよ。


 ──うん。こちら側だよ。


 ──せいぜい最愛の兄との思い出に耽っていてよ。


 ──うん。たぶん一生の別れかもしれないよ。その兄が〝ユメ〟に来ない限りね。


 ──おっと。そういえば君の名前を聞いてなかったね。


 ──ん?兄のことを知ってたのに名前を知らないわけない?


 ──違う違う。これはただの確認だよ。君が君であるというね。


 ──ん。ありがと。


 ──じゃあ、行こうか。(ゆう)ちゃん。

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