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違和感

今日もいつも通り大学のあとのバイトをこなしてまっすぐ家に帰り、風呂に入って寝る...それで今日が終わると思っていた。


あの違和感に気づくまでは――――――――――




「おはようございます~」



浅野孝一(あさのこういち)は大学の授業が終わったので家の近くのファミレスにバイトをしに出勤しに来たところだ。



「あ、孝一さん!おはようございます!!」



この子は同じ大学の後輩で佐倉水希(さくらみずき)、学校でもよく話をしたりと仲良くしている子だ。



「あれ?水希ちゃん、今日シフト入ってたっけ?」


「今日は店長に頼まれちゃって...」

 

「あ~...あの人に言い寄られたら確かに断れないよね」



ここの店長は悪い人ではないのだが体がガチムチすぎて女の子には少々怖く見られているのかもしれない。



「この時間帯はちょっと大変だけど一緒にがんばろう」


「はい!!!」



孝一はすぐにバイト先の服に着替えて仕事を始めることにした。





仕事を始め客がピークだった時間が過ぎて店内が落ち着きを取り戻し、解放感と疲労感で孝一はぐったりしていた。



「ふぃ~とりあえず一段落かな」


「お疲れ様です、孝一さん」



洗い物をしている所に横から水希が話しかけてきた。



「お疲れさま水希ちゃん、今から休憩?」


「はい、孝一さんはそろそろ上がりですか?」


「今日は僕、最後まで入ってるんだ。なんか人手が足りないらしくてさ」



そう、今日に限ってなぜか人手が足りず閉店までやらされるはめになってしまった。明日までにやらなきゃいけない課題があるというのに。



「そうなんですか、手伝いましょうか?」


「ううん、先に休んでて。僕もこれが終わったら休憩だから」


「わかりました!それではお先に」



そういって彼女は休憩室に歩いて行った



「さて、僕もさっさと終わらせるか」



孝一は気合を入れなおして仕事にかかり始めた。












30分ほどかかりようやく洗い物地獄から解放され孝一は重い足取りで休憩室に向かっていた。



「たく、なんで全部僕に丸投げなんだよ...」



いつかブラック企業で訴えてやるとそっと心に誓い休憩室にいる水希に大学の課題を手伝ってもらうようお願いをしようと思い扉を開け見渡すが他の店員がいるだけで水希の姿はなかった。



「もしかしてゴミ出しにでも行ったのかな?」



そう思い孝一は手伝うために裏口に行きゴミ出しをしてるであろう水希を探そうと思ったとき、突然大声が聞こえた。



「どうしてくれんだよおい!!!」



男の野太い声が裏口に響きわたり孝一は急いで声の聞こえた方向に走っていった。



「こんなに汚してくれちゃって!!!え!?どう責任取るつもりだ!!!!」


「すみません!まさかこんなところに人がいるとは思わなくて...」


「人がいなかったら缶の中身をぶちまけていいのかよ!!」



よく見ると怒鳴り散らしている男のズボンにうっすらとシミができていた。


 

「どうしたの、水希ちゃん」


「あ...孝一さん」



どうやら飲みかけだった缶から中身がでてそれがゴミ袋に染み込んでゴミ箱に投げ捨てたら液体が飛び散り男にかかったらしい。



(だとしてもここは関係者以外立ち入り禁止だぞ)



そう、この男はここの従業員ではないのに勝手に入りそのうえタバコまで吸っていたのだ。当然の報いだが流石に本人の前でそんなことを言ったらどうなるかわかったことではないので孝一は水希を自分の後ろに立たせて男を落ち着かせようとした。



「申し訳ありませんでした、今後はこのようなことがないようにしますので」


「あ!?今後もクソもあるか!!!このズボンどうしてくれんだよ!!!もちろん弁償してくれんだよな!?」


「申し訳ありませんでした」



こういう時は頭を下げ平謝りし相手に諦めさせてもらうしかないと思いもう一度謝ったのだが、男は逆にその態度が気に入らなっからしく更に怒らせてしまった。



「申し訳ありませんじゃねぇよ!!!ずっと同じこと言いやがって、なめてんのか!!!」


「申し訳ありませんでした」


「てめぇ!!!」



ドゴォ!!!



男は我慢の限界だったらしく、孝一の肩を思いっきり殴った。



「孝一さん!!!」


「大丈夫だから近づいちゃだめだ!!」



孝一は水希に叫びながら、男をじっと見つめていた。男は自分の殴った手をじっと見つめ、不思議そうな顔をしていた。孝一も肩を殴られた痛みなど忘れ、男と同じに不思議そうな顔をしていた。



(今、確実にあの人は僕の顔を狙っていた...なんでわざわざ肩にずらした?激情しているのに今さら優しさなんてないだろうに)



疑問に思っていると男はもう一度殴りかかってきたが、今度は孝一の顔ギリギリ横を通り空を切った。



「避けんじゃねぇよ!!!」



(避ける?肩の痛みでそれどころじゃないし、そもそも避けられるほど僕は喧嘩慣れしてないぞ)



ついに怒りすぎて頭がおかしくなったのかと割とまじめに考えていると後ろから人間か疑うレベルのでかい腕がぬっと出てきて男の肩に手をかけた。



「お客様、お話があるなら奥でじっくり聞きますが?」


「っ!!くそ!」



男は孝一を睨みながらそそくさと逃げていった。そりゃあんながたいの人に肩でも掴まれたら死を感じるぐらい怖いと思う。



「すみません店長...トラブルを起こしてしまって」


「いやいや、トラブルの1つや2つ仕事をしていればしてしまうさ。それよりケガはないかい?」


「はい、僕はだいじょう――――」



大丈夫と言おうと思うやいなや水希が孝一の上着を脱がせようとしてので慌てて服をおさえた。



「ちょちょ!?何するの水希ちゃん!?」



と言って腕に力を入れた瞬間、左肩に激痛が走った。




「ほら!やっぱりあざになってるじゃないですか!!私を庇ってくれたことは嬉しいですが無理しないでください!」


「わかった!わかったから服引っ張るのやめて!!」


「ふむ...若いな、青春だ」


「店長もわけわかんないこと言ってないでやめさせて!!」


「孝一さん!とりあえず冷やしますよ、こっち来てください!!!」


「痛い痛い!!わかったから引っ張って連れてかないで!!」



そのあと水希にちゃんと看病をしてもらい仕事に戻ろうとしたら、



「今日の分の孝一さんのシフトは私がやっとくのでかえってゆっくりしてくださいね」



痛みもある程度引いたので問題はないと思うのだが水希の笑顔がやけに怖かったので孝一はおとなしく任せて、店長の許可をもらい帰ることにした。


孝一は帰りながら今日の事を思い出していた。



(僕に殴り掛かった人、様子がおかしかったな...まるで自分の意図していない方向に殴っているような)



あの男が盲目だったのなら話は別だがそんな風には見えなかったし、そもそも見えていないのならズボンに飲み物がかかったことには気づかないはずだ。



「うん、きっと相当頭にきすぎて手元が狂ったんだなきっと」



そう決めて孝一はあまりこのことは考えても仕方がないと思い眠るまで思い出さないようにしていたが、なぜだか寝る直前まで違和感が拭えされずにいた。

















ども、倭 太郎です。年が明けて気分が一転しましたので、思い切ってかいてみました。

初めてなので誤字脱字が多いと思いますので指摘などしてくれると幸いです。

三日坊主にならないよう精進していきます!!

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