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サトリの異世界楽隠居譚  作者: 夢落ち ポカ(現在一時凍結中)
第二章 転生(憑依)して超頑張ったら学園に入学しちゃったよ
32/46

第30話 サトリの長い一日(終)ーーー夜

終わりです。

()=○○の心の声です

《》=サトリの心の声です

*ラインベル大聖堂をケルリン大聖堂に修正しました、第一章でケルリンが早かったので。

 





 ケルリン大聖堂はサトリの住んでいた孤児院の隣にあったボロボロな教会と違い石造りで巨大な建造物だった。


 柱の上には聖人の彫像を何体も置いていることから、一体どこからその資金を捻出したのか不思議に思うだろう。


 答えは明瞭で、『善意の寄付』からなっている。


 農民から貴族、王族が国教であるイヴェルダ教に対して小額から莫大な額の寄付を出しているのだ。


 神の家だからと大きく立派な建物にし、彫像になり、寄付された鉄貨や金貨はこうして教会の見栄だけの食べられない(・・・・・・)代物と化したのだ。


 だが、後ろ暗い金を手にして私服を肥やし、聖職者に禁じられている姦淫や暴食に明け暮れている者もいた。


 サトリのいた孤児院や教会の月々の運営費も本来はもっとあったが、大司教マールがピン撥ねしていたのである。


 サトリとしてはそのことに対して思うところは何一つない。


 宗教家の事情など関わりたくもないし説教も聞く気もない。


 神の愛は自分を救わない、神の光は自分の闇を灯さない。


 故にサトリは神に対して何も思わない、目の前にいたとしてもそういってのけるだろう。


 全知全能だろうと権能を司る数だけ神がいようとこの地に生きるのは人である。


 特に一度堕落すれば坂道を転がるように早く深く堕ちていくのだ。


 善性を保ち続けることは難く、悪性は容易く堕ちるに易い。


 何より人の悪性を見続けてきたサトリが堕落した人間を見たとしても『そういうものだ』と受け入れていた。


「…さてと、本日のラストミッションといこうか。

 フレア、エア、ガイア、よろしくね?」

「お任せをマスター」

「監視している怪しい奴捕まえてくるね!!」

「……がんばる」


 夜ももう更けて、日の出まであと数時間と迫っている。


 三者三様の返事に疲れていたサトリの精神が少し和らいで、一度深呼吸をした。


 サトリの長く面倒な一日が、ようやく終わろうとしていた。



 * * *



 ケルリン大聖堂の構造はいたって簡単だ。


 礼拝を行う空間以外の側廊(そくろう)から二階、三階へ上がる階段があり、そこには教会に属する者たちが寝食を共にしていた。


 夜も更けてきた頃、教会の扉がノックされた。


 夜番をしていた侍祭はそれに気付くと、恐る恐る扉を開けた。


「こんな夜更けに…神の家にどのようなご用向きですか?」

「夜分に申し訳ない。

 大司教マール様に呼ばれた(・・・・)者です。

 大司教様はいらっしゃいますか?」


 またか、と侍祭は思った。


 顔を隠すようにフードを被った四人組で、内三人はまだ子供である。


 侍祭はマールの『悪癖』を知っていて、また歓楽街の娼館から娼婦を呼んだのかと思ったのだ。


 今日も既に一人の娼婦がマールの部屋でせっせと『説教』を受けている、この上まだこんな小さな子供に毒牙を及ぼすのかと吐き気を催した。


「……大司教様は右手の側廊にある階段を上がって三階の最奥の部屋です」


 ただ、侍祭は震える声で四人を通す。


 これでもし勝手に帰せば自分のみならずこの四人、特に子供たちに危険が及んでしまう。


「神よ、無力な私をどうかお許しください…」


 無力な自分に歯噛みにしながら、侍祭は階段を上る四人を見送った。




「…あの侍祭、俺のこと子供の娼婦と勘違いしてた」


 サトリは当初ケルリン大聖堂に忍び込もうとしたが、残念ながらこの大聖堂は侵入者防止の為の魔道具が展開されていて、進入経路が一箇所、つまり入り口しかなかったのだ。


 時間があれば魔道具を無効化して進入出来ただろうが、時間の惜しいサトリはそれをしなかった。


 サトリはケルリン大聖堂へすんなりと入れたことに助かったと思ったが、招き入れてくれた侍祭がサトリのことを子供の娼婦と勘違いしていたことに思わずぼやいてしまった。


 フードで全身を隠している以上、背格好だけでしか判断できないので仕方ないといえよう。


 侍祭の反応から、日常的にマールが自分の立場を利用して娼婦を招いているという事が分かりげんなりとした。


「いえ、灰にしてきましょう」

「バラバラ決定だね!!」

「……つぶし…じゃなくて、お兄ちゃんたちやめて」


 自分の主を勘違いとはいえ娼婦呼ばわりしたのだ、職業に貴賎がないと綺麗事を口にしようと魔導人形たちは侮辱と取った以上容赦しないだろう。


 サトリの事となると直情的なフレアとエアが先程の侍祭に手を出そうとしているのをストッパー役のガイアが止めたことで事無きを得たが、そのガイアも辛うじて自分を抑えていたのに流石のサトリもほっと溜息をついた。


 階段を上り終え、サトリたちはマールのいる部屋の前で立ち止まる。


 扉の向こうからは娼婦の嬌声が聞こえてくる。


 それと合わせたように男の汚い笑い声が聞こえてきてどっと疲れた溜息をつくサトリはエアに娼婦を気絶させるように命じて扉を開けた、ノックはしない。


 蹴破った訳でないので大きな音はしないが、それでも木製の扉だ、石材と擦れる音がして『説教』に夢中な二人もすぐに気付いた。


「だ、だれだキサマら!!」

「きゃぁっ!!」

「エア、やって」

「はいどーんっ!!」


 サトリの命令の元、エアは瞬時に動いた。


 私室に踏み入りマールに跨っている娼婦の首元を掴むと少女の体躯から信じられないほどの怪力でベッドから引きずり出されるとバチン、という音が響く。


 まるで糸の切れた人形のように倒れこむ娼婦にマールはぎょっとした。


 むわっとする匂いに顔を顰めたサトリだが、それよりも酷い絵面が目の前の光景だ。


 大司教が着る事を許された祭服は汗と白濁した匂いのする液体で汚されて、それを着た大司教―――マールは突然の事に最初の一言以上の言葉が出ず固まってしまっていた。


『説教』という名を借りた情事を邪魔されて、下半身丸出しなマールは何を食べたらそこまで出るのか分からない腹を揺すってようやく立ち上がる。


「だ、だれだキサマらは!?

 このわしをだれだと思っている!?

 恐れ多くもこのレイヴァン王国におけるイヴェルダ教の大司教マール様だぞ!?」


 マールは脂ぎった顔で唾を撒き散らしながら威張り怒鳴るが、サトリを筆頭に誰も臆することなく、冷めた目でマールを見ていた。


 威張り散らしてはいるが、先程までこれほどの醜態を晒していながら威厳など出るはずもない。


 正直サトリとしては視界に入れるだけでも吐き気のするマールの格好―――一言で言って破廉恥な格好である―――にとやかく言わず、会話を進めることにした。


「こんばんわ大司教殿。

 ずいぶんとお楽しみのようだね、聖職者が娼婦を呼んでいるとかイヴェルダ教はそんな事を許しているんだね」

「何をいうか小童!!

 これは高位の者のみが許される『秘跡』だ!!

 下民どもの行う姦淫などではないわ!!

(何故だ、どうして侵入者だ現れていながら誰もこんのじゃ!!

 ええい、どいつもこいつも役に立たぬ、闇風はまだ来ぬのか!!)」


 マールはいつも苦言をする仔細たち同様の文句をいってしらばっくれながら、どうして護衛をしている者たち―――闇風と呼ばれるイヴェルダ教の暗部たちが来ないのか訝しんだ。


 既にその者たちはエアがケルリン大聖堂に入る前に捕獲してウルスラの餌にしていたためにマールを守る事すら出来ないのだが、それを知る術もないマールは余計に苛立った。


 既にこの私室にはサトリが魔法をかけて周囲の音が漏れないようにしているので周囲に聞こえる事はない。


 今頃マールの部屋から聞こえていた嬌声が止んだことで悶々としていた他の聖職者たちもこれでようやく眠れるとばかりに夢の世界に旅立っていく。


 サトリとしては、マールの斬新な言い訳(・・・・・・)に眉も動かさずただ周囲を見回した。


 聖職者だというのにこの部屋にはいかにも高価な調度品が置かれていて、これを全て売ればどれだけの人間が救われるのだろうという感想しか浮かばない。


「ふうん?

 まぁそれは別にいいけど。

 …って、俺が誰か分かっていないの?」


 サトリとマールは以前会話もしているし会ってもいる。


 特にサトリに対してはねっとりとした視線を隠そうともしなかったことも印象深かったサトリは『ブタの記憶力は当てにならないか』と今日何度目かの溜息をついた。


 サトリはフードを取ると、改めて挨拶をする。


「こんばんわマール大司教。

 豊穣の錬金術師サトリだ。

 おはなし(・・・・)にきたよ?」

「なぁあっ!?」


 フードを取ったサトリが何故ここにいるのか分からず、マールは素っ頓狂な声を上げた。


「どうしたのさ、俺が殺されていない(・・・・・・・)のに驚いたのかな?」

「ど、どうしてそれをっ…じゃない、サトリ殿、こんな夜更けに一体なにをしに来たのだ!!

 礼拝ならばまた夜が明けて来ればよかろう、今日のところは改めて…」

「次なんてないよマール、お前はもう終わりだ」


 サトリは嘲笑しながら冷たく言い放つ。


 この間にもサトリはマールが垂れ流している心の声を聞いてどういう顛末で自分が狙われる事になったのかを知った。


 なんてことはない、単なる一人の男の権力欲から始まった愚行だったのだ。


「お前がやった事は全部聞いた(・・・)

 イヴェルダ教国からの指針を無視して独断で動いて豊穣の錬金術師の確保に動いたこと。

 暗殺者を使ってこの国にいる事に危機感を抱かせ、言葉巧みにお前がイヴェルダ教国に保護しようとすること、全部だ。

 知っちゃったから、この事をイヴェルダ教国にいるえらーいおじさんたちにお手紙を送ろうと思うんだよ。

 マールっていうブタみたいな大司教がこの国の貴族を脅して暗殺者を使って俺を殺そうとしたこと、レイヴァン王国よりもイヴェルダ教国の方が安全だといって連れて行き、自分を後見人にして大司教よりも更に上の地位―――枢機卿になろうと画策しようと、全部ね」


 マールは現在イヴェルダ教における教皇―――最高権力者である―――ラムセス十三世の甥である事で今の地位に就いていたが、辺境であるレイヴァン王国のイヴェルダ教の取り纏めとしてこの地に縛られていると思っているマールはなんとしてもこの地から中央へ―――イヴェルダ教国へと返り咲きたかった。


 サトリという破格の『手土産』を持ってイヴェルダ教国へと返り咲き、枢機卿、そしてあわよくば教皇へと野心を募らせたマールは本国からの指針を無視して愚行に走ったのだ。


 権力という病に取り付かれた愚者、マールはその典型ともいえる男だった。


「どうなるんだろうねぇ、いくら教皇の甥っ子だろうと、間接的に暗殺者を使って俺を襲わせるなんてねぇ。

 一歩間違えたら俺死んでたような作戦じゃない?

 死ななかったら何してもいいなんてバカみたいな言い訳やめてよ?

 危機感持たせてようと画策しておきながら本当に死んでいたらお前どう責任取れるんだよ?」

「し、知らぬ!!

 しらぬしらぬしらぬ!!

 なんだそれは、わしは知らぬぞ!!

 罠じゃ、わしを陥れようとする罠じゃ!!

(ど、どうすればいい、このままではわしの未来は破滅だ!!)」

「それはないかなあ、闇風から吐かせた情報だと、あんたが貴族と通じて闇ギルドに俺への暗殺依頼をしたっていう証拠を掴んでいるんだよ」


 サトリはウルスラから聞いた情報をマールに伝えた。


 既に闇風が捕らわれている事に歯噛みするマールだが、サトリは楽しそうに嗤った。


「おじさん…教皇が知ったらどうなると思う?

 絶対に他の枢機卿から突き上げを喰らって退位させられちゃうよね?

 任命したのは教皇だから任命責任が付きまとう…そうしたらお前はどうなるんだろうね?

 まず本国に連れていかれて宗教裁判?

 俺を殺そうとした罪で破門されたりこれを知った民衆を宥めさせる為に公開処刑待ったなし!?

 ははっ、よかったねマール、生まれ育った地に帰れた上に最高の舞台が待っているじゃないか!!

 おめでとう!!」


 サトリはこの情報をレイヴァン王国やイヴェルダ教国だけに限らず、世界中の国々に拡散する気でいる。


 サトリを手に入れて出世に利用とする強欲な男を告発する為だが、その余波は計り知れないだろう。


 魔王復活が密かに囁かれている今、勇者を召喚することが出来るというイヴェルダ教国がそのような世界を揺るがす大事件を大司教が起こしたとなればどうなるのか。


 各地で暴動が起き、イヴェルダ教は追い込まれる可能性は高いだろう。


 黎明期と呼ばれるほど衰退するかもしれないが、それこそサトリの知った事ではない。


 やられた以上、倍なんて生温い報復では物足りない。


 マールを生贄に、イヴェルダ教国に甚大な被害を与える気でいた。


 命を狙われた以上、味方を一人でも多く作らなければ世界最大の宗教に勝てる道理もないのだから、とサトリはそう考えていた。


 一方、マールはといえば、


「わしはお前の事をもっと、世界に羽ばたいてもらおうと善意で行なったに過ぎん!!

 た、確かに褒められた行為でなかったかも試練、じゃがこれからもこういう危険はあるんだというわしの善意がじゃなあ―――」


 サトリを言い包め様とベッドから降り、じりじりと近付きながらマールは興奮しながら弁舌を振るっていた。


「じゃあ、マール大司教は俺に暗殺者を送ったことを認める(・・・)んだね?」


 サトリはマールに尋ねる。


「そ、そうじゃ、わしは確かに(・・・)暗殺者を送った。

 じゃがそれは…」


 マールはサトリの放った()に嵌った。


 質問に対し、肯定した答えを返してしまった。


 罠にかかったブタ(マール)に嗤うサトリは懐から小さな小箱を取り出した。


 木製の、洒落っ気のない箱だ。


 ところどころに穴が開いていて、一体何に使う道具なのか初見では誰も言い当てる事の出来ないものだろう道具だ。


 だが、ひとつだけ分かる事があった。


 それは、サトリが持っている以上何かの『魔道具』だという事だ。


『―――じゃあ、マール大司教は俺に暗殺者を送ったことを認める(・・・)んだね?』

『―――そ、そうじゃ、わしは確かに(・・・)暗殺者を送った』


 箱から、サトリとマールが先程まで会話していた声が聞こえてくる。


 この出来事に、マールは気付いた。


 自分が何をしたのかを、罠にかかってしまったのかを。


 そして、自分の未来が決まってしまった事を。


「な…な…な…」

「すごいでしょう、これ?

 録音機(レコーダー)っていうんだ、この魔道具。

 音とか声を記憶する機能を持ったものでね、とっても便利なんだよ。

 ちょうど、自白したという証拠(・・)を裁判所に提出するには十分とは思えない?」


 共鳴機能を使ったトランシーバーを作ったと同時期に作った作品であるこの魔道具は小型化まで成功していたため、サトリはこうして持ってきていた。


 この証拠を各国に量産して送ればそれはもう愉快(・・)な事が起きるだろうと、楽しそうに嗤うサトリに、マールは飛び掛った。


 あの箱を壊さなければ、マールは破滅だ。


 あの箱さえ壊せば、後は叔父である教皇に頼み込めば命だけは助かるかもしれないとマールはサトリの手に持った箱に手を伸ばすが、何かに阻まれて届かない。


「よこせええええええええええええっ!!」


 障壁の護符によって、マールの手はサトリの持つ録音機には届かない。


 何度も障壁を殴り破壊しようとするが、碌な鍛錬もしていない中年男の拳でサトリの作った護符が敗れる訳もなかった。


「やだよ、そんな事したら壊しちゃうじゃない。

 これは、大事に大事に量産して、もうマールっていう罪人がこの世に知らぬ人がないってくらい量産するんだ!!」

「そ、そんな事をすれば、わ、わしだけじゃない、イヴェルダ教は破滅だ!!」

「腐った木を根こそぎ倒すにはいい機会じゃないの?」


 にべもなく返すサトリの表情からはこれから破滅するだろうマールとイヴェルダ教の未来予想図に嗤った。


 とはいえ、これはあくまでもハッタリ(ブラフ)である。


 そこまですればもはやイヴェルダ教と修復不能な溝を作る事にもなるので、単に黒幕であるマールをどん底へと突き落とす為だけに言っているだけだ。


「それじゃあこれでお暇しようかな。

 じゃあねブタ野郎。

 お前の未来が明るく照らしてくれる事を祈っているよ…はははっ!!

 …エア、やって」

「あいあいさー!!」

「まで、まっでぇっ!?」


 笑いが堪え切れなかったのか、嘲笑うサトリにマールは追い縋ろうとするが、背後に立ったエアに首元を掴まれ、そして―――、


「―――ギャッ!?」


 ―――バチン、という音がすると、マールがまるで糸の切れた人形のようにその場に倒れる。


 手を伸ばそうにも体の動かないマールは失意の内に意識が途絶えた。


 サトリの周囲を巻き込んだ事件は、これにて終結した。


 大聖堂を侍祭に見送られて出ると、サトリたちは夜中の王都を歩いていったのだった。



 * * *



(サトリ視点)




 終わった終わった。


 とりあえず今日中に面倒な事は全て終わったのだ。


 スピード解決にして名推理が光ったね!!


 一時間のサスペンスドラマよりも早いよ、ドラマでも何日もかかってるから俺の方が優秀っていう事だな。


 時刻は午前三時を少し回ったところだ。


 宰相との会食が昼の十二時からだから、仮眠というよりもぐっすりと眠れるな。


「マスター、あの者はそのままにしてもよかったのですか?

 あのような脆弱な存在、今後の未来に絶望して自決してしまうと思うのですが?」

「別にいいと思うな!!

 だってマスターのこと殺そうとしたんだし、不名誉な罰は死んでも利用出来るからどっち道構わないと思う!!」

「……興味ない」


 フレアの不安にエアが構わないと否定した、ガイアは何もしていないとあってつまらなさそうな顔をしてそっぽを向いていた。


 俺としてもエアの方に賛成をする。


 この後の自分がどんな目に遭うのかと考えれば、今首を吊るなり手首切るなりした方が苦しまずに済むだろう。


 あいつが死んだところで、俺が手を緩めたりしないからどうでもいいしね。


 もうあのブタの役割は生きていても死んでもいいくらいの価値しか持っていない。


 苦しみ抜いて死ぬか、自殺して死ぬか、それくらいだろう。


 ああ、逃げるという手もあるけど、そんな事は許さないな。


 エアに監視しておくように言って、俺は孤児院へと帰っていくのだった。




長かったです、ぶひー倒しまして終了です。

読んで頂き、ありがとうございました。

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