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三幕構成とは? 起承転結ではなく、起結起結という話。

こんにちは。はじめまして。筆者です。

ふと思いたって、ハウツーものを書いてみることにしました。


といっても、これは過去作です。

数年前くらいにtwitterで呟いた一連のツイートを、リライトしました。

結構反響あったので。


なろうで、どのくらい響くものだかわかりませんが。

三幕構成に興味のあるかたは、どぞどぞ。


※ ※ ※



■「ハウルの動く城」を構成分解する


「ハウルの動く城」を、構成分解してみてたんですが。

宮崎駿の脚本は第二ターニングポイントが第三幕への指標性を持たず、(まるでミッドポイントから始まる二幕後半のように)三幕の序盤から畳み掛けるようにテコ入れしてパニック映画に持っていくのがスタイルなのかもしれない。

序破急。


ミッドポイントも、セントラルクエスチョンの一次回答という側面をあんまり持たず、単純に新展開への切り替えくらいの印象。

あと、重要そうに見えるサブプロットを第三幕で実にあっさりとサクサク回収していく。

荒業だなー、と思いました。



■三幕構成について話してみる


せっかくだから、今回は三幕構成について語ろうと思います。


前提として、筆者の三幕構成の理解は、だいぶ我流なので、そこだけ注意です。

ただ、その分、実践的で使いやすいんじゃないかなと思っています。

少なくとも、筆者にとっては一番わかりやすい説明です。


一応想定している対象読者は、三幕構成についてひととおり調べたものの、イマイチぴんと来てない人です。

「一冊読んでみたものの、さっぱりだったよ」みたいな人向け。

なので、各用語の説明などは省きます。


個人的には、飲みの席などで、


「いやー、筆者君、この前、三幕構成について一冊読んでみたんだけどね」

「おや、先輩。それはすごいですね。して、首尾は」

「それがさっぱりだよ。何か君の知見はあるかい」

「ははあ。なるほど。そういうことでしたら。筆者が思うに、三幕構成というのはですね――」


と話しているようなイメージです。

そのくらいのスタンスで、ゆるっと読んでいただけると、幸いです。



■三幕構成とは、当たり前の集合


三幕構成というのは、すごく簡単にまとめると「序盤があって、中盤があって、終盤があるよね」ということを言っています。

用語が多くてとっつきにくいけど。

言ってることはごくごく当たり前のことばっかりです。


まだ自分が学生だった頃は、このことがよくわかってなくて。

「物語は、三幕構成なんて『型』では、はかれんのじゃ」と謎の気炎を吐いてました。


でも、実際には、三幕構成は、どちらかというと「型」ではなく、観測データなんです。

たくさんの物語を観測してみたら、おおよそこんなかんじだったよーという、その集合に過ぎません。

かつ、観測データにすぎないので、いくら例外があっても別にいいのです。


「序盤があって、中盤があって、終盤があるよね」


ああ、そうだね、そりゃそうだ。なんぼなんでも、これは否定できない。当たり前だもの。

そう気付いてから、随分三幕構成がとっつきやすくなりました。



■三幕構成といいつつ、四幕だよ


で、この「序盤があって、中盤があって、終盤があるよね」の後には、お馴染みの「二時間映画の場合、大体序盤30分、中盤60分、終盤30分にしとくと安全牌だね」という話が続きます。


ただ、この三幕構成という名前はすごい語弊があるなーと思っていて。

実際は四幕なんですよね。


序盤、中盤1、中盤2、終盤、これで四幕。


挿絵(By みてみん)


だから、よく「起承転結が四区切りなのに対して、三幕構成は三区切り」っていう説明を見るんですが、そこは本質じゃないと思うんです。

区切りって意味では、どっちも四つ。


(ここが直感的じゃないから、三幕構成はわかりにくいのだと思います)


じゃあ、三幕構成と起承転結は何が違うのか。

それは、ミッドポイントの存在だと思うのです。



■転換しない中盤の仮オチ。それがミッドポイント


ミッドポイントを説明する前に、ターニングポイントの説明をします。


ターニングポイントは、その名の通り、話の転換となるポイントです。

これは、観測データによると、序盤の最後、中盤の最後でそれぞれ発生して、次の幕への橋渡しをしているっぽいぞと言われています。


対して、ミッドポイントは中盤1と中盤2の間にあるポイントです。


挿絵(By みてみん)


何故これをターニングポイントと呼ばないかというと(この辺から我流なのですが)、ミッドポイントは場面を転換しないからです。


ここでいう「転換」というのは、つまり次のシーンで何が起こるのかの示唆――いわば「引き」です。

たとえば、序盤の最後が「よし、学校にいこう!」で終われば、次の中盤は学校シーン(もしくは、それに類するもの)から始まるのだとわかります。


シャーロック・ホームズなら「では、ワトスン。事件現場に向かうとしようか」と椅子から立ち上がるシーンだったり。

夢枕獏の陰陽師なら「『行こう』『行こう』そういうことになった」みたいなシーンだったりします。

どちらも、問題の現場に行くのだとわかりますね。


次の幕にどう続くかを明示するポイント。

それがターニングポイントです。


挿絵(By みてみん)


これに対して、ミッドポイントは、次の幕でどうなるかを明示しません。


ミッドポイントは序盤から続いた流れをいったんぶったぎって、仮オチをつけてしまいます。

大抵の場合、次の中盤2への橋渡しをしない。

ストーリーを前半と後半で分けるのがミッドポイント。


よくミッドポイントについて「いったん主人公が勝つか負けるかするところ」と説明されるのは、このためだと思います。

筆者は、勝つか負けるかというよりは、セントラルクエスチョンへの一次回答するタイミングとして捉えています。


挿絵(By みてみん)


■セントラルクエスチョンとは


一応の補足。


セントラルクエスチョンというのは、序盤で視聴者が思う「この話、どうなっちゃうの?」というハラハラのことです。

さっき書いた「ハウルの動く城」でいうと、「ソフィ―にかかったおばあちゃんになる呪いは解けるの?」がセントラルクエスチョン。


閑話休題。



■引きがないから、次のシーンでテコ入れをする


ミッドポイントは、仮オチをつけるポイント。

で、大抵の場合、次のシーンへの橋渡しがない=引きがない投げっぱなしの状態で終わります。

なので、中盤2は方向性がふよふよした状態からスタートします。


中盤1の終わり方からでは、中盤2がどう始まるかわからないということです。


このため、中盤2の最初では、新しいストーリーのベクトルが付与されます。

筆者は、これを「テコ入れ」と呼んでいます。


ミッドポイントに限らず、ターニングポイントの押しが弱くて、充分にターン(次幕への橋渡し)できない時も、次幕の最初でこのテコ入れが発生します。


挿絵(By みてみん)



■ターニングポイントも引きが弱いと、テコ入れで補う


既存作品見る時とか、このテコ入れを意識して見ると、色々面白いと思います。

「あー、やっぱりターン足りなかったからテコ入れしてきたか!」みたいな。


場合によっては、どの幕の最後もターンの押しが弱くて、全部の幕の最初でテコ入れしているような作品もあるんじゃないかなと思います。

別に、それは悪いことではありません。

ターンが足りなければ、次のシーンで継ぎ足してやればいい。それだけのことです。


挿絵(By みてみん)


(「ターンの押しが弱いターニングポイント」と「ミッドポイント」の違いは、セントラルクエスチョンの一次回答をするか否か、つまり、仮オチがつくか否かです。単純にターンしないだけなのが「ターンの押しが弱いターニングポイント」。仮オチがついて、かつターンしない場合が多いのが「ミッドポイント」)



■三幕構成は、起結起結


話がちょっと逸れました。まとめます。


起承転結と三幕構成は何が違うのか。

それはミッドポイント(仮オチ)の存在です。


つまり、起承転結に対して、三幕構成は、起結起結なんです。

ターニングポイントが入るから、より正しくは、起(転)結起(転)結。


もっとざっくり言うと、三幕構成というのは、1クールアニメの二話完結型ストーリーなんです。

詳しくは、次話にて。


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