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俺は異世界で軍師になる  作者: 中村竜野
第1章~始まり~
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フリダム王国の誕生

 カリアンへ平原で帝国を破ってから1日が経過した。

 俺たちは、エミルの家で話し合いをしていた。話し合いに参加したのは、前回のメンバーとゴットンだ。しかし、ゴットンは顔を俯いたまま話そうとはしなかった。


 (まあ、しょうがないよな。敵に捕まったって楽しく談笑なんて出来るわけないか)


 俺はそう考えているとエミルがゴットンに近づいていった。

 それに気がついたゴットンはにやり、と笑った。


 「儂を殺すのだろ?好きにすればいい」

 

 ゴットンは挑発しているような話し方をしてきた。だが、エミルはそんな事を気にしなかった。


 「私たちの仲間になってくれませんか?」

 「なんじゃと!正気か!」


 ゴットンは驚いた様子で声を荒げていた。


 「あなたがどんな事で帝国に仕えていたのか分かりません。民に重い苦しみを与えて、自分だけ楽にしている帝国に」

 

 エミルは屈んでゴットンの顔を覗き込んだ。


 「儂とて好きでいたわけではない。アストラ国の再興を約束してくれたから居ただけじゃ。しかし、儂も老いぼれたのう。まさかそこの小僧に負けるとわ」


 一瞬フリードの方を見ながら目を落とした。エミルは申し訳なさそうな感じでゴットンに今日の事を話した。


 「……再興は出来ないと思います」

 「なんじゃと!ふざけた事をぬかすな!」

 

 ゴットンは怒り心頭で言ってきた。


 「今日の新聞でアストラ国、国王が処刑されたんです……新聞を見てみますか?」

 「なん……じゃと。見せてくれ!」


 エミルは自分の部屋から急いで持ってきて見せてみた。


 「国王……マースも失いワシはどうすれば良いんじゃ」

 「マースさんの件は本当にすみませんでした」


 エミルはゴットンに深く謝罪をしていた。それに驚いたゴットンは慌ててなだめ始めた。


 「な、何をしておる。この中の一番偉い方がそんなすぐに謝るではないわい」

 「私は、あなたの国の再興を手助けがしたい。あなたに仲間になってもらいたい。だから謝っているんです。もし、本当にダメなら帰ってくれても良いです」

 

 俺は、エミルの姿を見てすぐに駆けつけた。


 「ゴットン将軍!お願いします。我らに力を貸して下さい!」


 それを見たフリードたちもお願いしますと頼み始めた。

 ゴットン将軍は、それを見て肩を落とした。


 「儂の負けじゃ。そなたらに降ろう」

 「ありがとうございます。皆もありがとう」


 恥ずかしながら、皆にお礼をしていた。

 その時、町の鐘が鳴った。


 「おっと、(じじい)の説得で時間を食っちまったな。早く行こうぜ!」

 

 フリードはそう言うとゴットンの縄を解いて、すぐに皆出て行った。残ったのは俺とゴットンだった。


 「本当に無警戒だな。儂がこの隙に逃げたらどうするんじゃ」

 「私もそう思います。もう少しちゃんとしてくれればと」

 「お主は、戦場で見なかった気がするが名前は何と申すのか?」

 「私は、天宮正輝です。マサキと呼んで下さい。戦場では後方の指揮と策や陣形を考えています」

 「あの策や陣形はお主が考えたのか……近頃の若い者は素晴らしいの」

 「ありがとうございます。それでは皆を待たせてしまうので行きましょうか」


 俺たちはそう言い皆の元に行った。



 町の大きな集会場にはナストレア住人と元帝国軍人が居た。皆何があるのか騒いでいたが、エミルが壇上の前に現れるとすぐに消えてなくなった。

 その時のエミルの顔はとても凛々しかった。


 「私たちは今帝国の脅威に晒されている。民は苦しみ、逆らった者共はすぐに殺される。笑っているのは一部の貴族やオルガ国王ぐらいだろう。そんなので良いのか?私は、断じて嫌だ!私は、そう思い昨夜ずっと考えてきた事がある。民たちを楽しく暮らせて誰もが自由の国を作りたい!その国、フリダム王国を創る事をここに宣言をします。皆私に力を貸して下さい!」


 一瞬静けさが辺り一面に漂ったが、次の瞬間『おおっー!』歓声へと変わった。エミルはずっとありがとうと言っていた。その後は、大事な役職を決められた。


 「最初にフリード。前に出てきなさい」

 「は!」


 フリードは勇ましく前に出てくると、肩膝をついた。


 「フリードは帝国軍侵略の時、二度も敵の大将の首を取り、指揮を挫いてくれた。そこで将軍の地位を与える。これからも頼みます」

 「任せてください!」


 頭を一回下げて元の場所に戻った。


 「次に、アリス」

 「はい」


 小柄な体系だが何人の敵の副将を倒してきたアリスが前に出てきて、肩膝をついた。


 「アリスは帝国の副将やマサキが考えた策を見事にやってのけてくれた。そこで一〇〇人佐の地位を授けます」

 「ありがとうございます」


 頭を下げて戻っていった。


 「次に、マサキ」

 「は!」


 エミルの場所まで行き、皆と同じく肩膝をついた。


 「マサキは帝国の侵略に策を巡らせて我々を導いてくれた。そこでマサキには軍師としての地位を授けます」

 

 おおお、と皆が声を上げた。軍師は将軍と同じくらいで、国王の側近と言っても良い位の地位だ。

 俺は、頭を下げると元の位置まで戻ってきた。


 「その他の者は、これが終わり次第連絡する。これからもよろしく頼む」


 それを言い終わったら、また歓声の嵐となった。これから、帝国と正面から戦わなければならなくなった。これから忙しくなるなっと思いながら集会場を後にした。


 

 

 

 ここまで読んでいただきありがとうございます。

 帝国との戦いが本格的になってきます。

 次回もよろしくお願いします。

 感想等もありましたらよろしくお願います。

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