フルル森戦~前編~
俺たちが帝国の提案を拒否してから少しの月日がたった。その間は帝国が何か仕掛けてくのか警戒していたが杞憂だったようだ。そう思いながら、エミルと仕事をしていた時、扉がいきなり開かれた。前にもあったような気がしたが、まぁしょうがないだろう。
「兄貴とエミル様!偵察隊が帝国軍の部隊を見つけたってよ!」
「ここからどのくらいの距離なんだ?敵の戦力は?」
「ここから2日でたどり着ける所だ!敵はおよそ一〇〇〇ぐらいとの事だ!」
(近いな、このままではやられてしまう。何か方法は無いか)
敵の数は俺たちの約10倍ぐらいだ。しかも、俺たちと違って相手は正規の軍隊だ。普通は勝てるわけが無い。しかし、ここで勝たなければ俺たちが殺されてしまう。いや、俺は良いが助けてくれたエミルやフリード、アリス、このナストレアの住民を助けないといけない。ここで俺が弱音を吐いたらそれこそ相手の思うつぼだ。
「フリード。お前だったらどこで帝国と戦う?」
「俺は、どこだって戦えるぜ。いや、俺だけじゃなく皆もナストレアの近くの平原や森なら熟知しているから大丈夫だぜ」
フリードは、俺を安心させる為に言ってくれたのかもしれない。俺の弟にはもったいないぐらいだっと思った。
「エミル、今日中には帰ってくるから、出かけてきても良いか?フリードを連れて」
「分かった。気おつけて行って来てね」
エミルは笑顔で俺を送り出してくれた。俺はこの笑顔を守ると堅く心に誓いながら、フリードとナストレア周辺を見て回った。実際外に出る事が、あまり無かったのでフリードに案内をしてもらった。
最初は、カリアン平原と言う所に来た。道が薄っすらとあり、次の町まで繋がっている。しかし、防備の方は最悪で視界も全て見えてしまっている。数と質で劣る俺らじゃまず無理だろう。
次に、フルル森林に来ていた。この森はとても大きくナストレアよりも断然大きい。しかも、昼間なのに森の中は暗く敵を迎え撃つには絶好の場所だった。
「フリード。夜、ここで戦えそうか?」
「さっきも言ったがナストレア周辺なら俺たちは無敵だ!」
フリードは頼もしい言葉を言ってくれた。しかし、どうやって敵をここまでおびき寄せるかが重要になってきた。ここは少しナストレアよりも南に位置していた。普通は、ナストレアに直で行った方が早いのだ。そう考えていたが、このままでは日が暮れてしまうので、思考を中断して次の場所に向かった。
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その後も俺たちはずっと良い場所が無いか探していたが一向に見つからなかった。日も沈みそうだったので急いで町に帰った。俺は、エミルに今日の成果を伝えた。
「……以上だ」
「……いい場所は見つかったけど決定打が足りない……か」
「すまん、俺のせいで」
「何言ってんの。私が最初に言い出した事じゃない」
「でも!」
「何でいつも1人で背負い込もうとするの!もう少し私たちを頼ってよ!」
エミルは俺に怒り出した。
「いつもいつも1人で問題を抱え込もうとして、何で私たちを信用してくれないの!」
「俺は皆を信用しているよ!でも、自分の作戦で皆が死んでしまうかもしれないんだよ!」
その言葉を言った瞬間、俺は何が起きたのか理解できなかった。いきなりエミルは俺の事を抱きしめてくれたのだ。言ってなかったがエミルはとても胸が大きくそこの所の谷間に埋もれてた。
「それじゃあ、私たちを信じてくれない?作戦はもう決まっているんでしょ?」
エミルは子供をあやす様な感じで俺に話しかけてきた。俺は、もう濁してもしょうがないと思いながらうなずいた。それとさすがにこの体勢は恥ずかしかったので失礼しましたっと言って止めた。
「さっきも言ったけど責任を感じすぎよ。私たちには仲間がいるんだから。ほら」
エミルは、扉に指を指した。その後に、足音の音が聞こえたと思うと、扉の前に止まりいきなりフリードとアリスが入ってきた。
「兄貴大丈夫か?ちょ、調子悪いのか?そうしたらそしたら!」
「お兄ちゃん、大丈夫?あまり責任を感じすぎては駄目」
(フリードとアリスは俺を心配で見に来てくれたのか)
俺は少し嬉しすぎて涙が出そうになった。エミルも微笑みながら俺の事を見ていた。大切な人たちを守る為にこの作戦に賭けてみようと思った。
「エミル、アリス、フリード。作戦を思いついたが勝てるかどうかは分からない。それでもやってみるか?」
「俺は兄貴とエミル様について行くと決めたんだ。任せてみろ!」
「その作戦、私も聞いてみたいです」
「私はマサキを信じているわ。話してみて」
俺は、自分の考えた策を皆に話した後、この町から出た。
勝てると信じながら。
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