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俺は異世界で軍師になる  作者: 中村竜野
第2章~カラハリ地方編~
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闘技場~後編~

 俺とアリスは試合が終わったフリードと合流し、近くの店に入って食事を頼んだ。

 俺は食事が来るまでの間、フリードにアイザック大将軍の実力を聞いてみた。


 「遠くから見ても分かったが……フリードから見てどう思った」

 「……強いな。奥義も観客に普通に見せると言う事は、他にも持っていそうな感じだったからな。くそ!」

 「フリードは身を挺してアイザックの実力を見てくれた。賞金も手に入れてくれた。それで良い。後は、シンクの部隊と合流して戦いに備える」

 

 その時、俺達が頼んだ物が運ばれてきた。その香ばしい匂いを嗅いで、力強く顔を縦に振った。


 「アリスの言うとおりだ。今は、食べてすぐにシンク達と合流しよう。それから考えれば良い」

 「すまねえな兄貴、アリス。よし気持ちを切り替えて食べるか!」

 

 そう言うとフリードは、がつがつと食べ物を頬張った。

 それを見ていた、俺とアリスは、少し微笑んでから食べ始めた。

 


 食事を済ませた後、素早く身支度をして、城門を出た後にある異変に気づいた。

 誰かに見られているのだと、その時俺達は一斉に感じた。

 フリードとアリスの方に少し頭を傾けた。


 「気づいているとは思うが誰かに尾行されてないか」

 「確かにな。ここで捕まえて事情を聞くか?」

 「いや、まだよそう。一回声をかけてみるか」


 アリスとフリードは、頷くのお見た後、馬から下りて後ろに向いた。


 「誰だ。そこにいるのは」

 「気づかれてしまいましたか。大変失礼しました」


 いかにも痩せてそうな男が出てきた。

 俺は、訝しげ視線を当てながら理由を聞いた。


 「……何で俺達の後についてきた」

 「何をおっしゃいますか。あなた方が敵だからですよ。マサキ殿、フリード殿、アリス殿」

 「何?」


 薄く笑みを浮かばせながら、言ってきた。

 フリードは、それを見て真剣な顔つきで剣を向けた。


 「それなら仕方が無い。お前をここで殺して口封じをする」

 「乱暴な方ですね。でも……それは出来ませんよ」

 「どういうこ」

 『おおっー!』


 男の後ろから帝国の軍隊が馬に駆けながらこちらに来た。

 俺は、その光景を見て少し驚いたが、瞬時に冷静になり、フリードとアリスに大きな声で言った。


 「すぐに逃げるぞ」

 「了解。フリードも早く」

 「俺だってそこまで馬鹿じゃないぜ。くそっ何でこんな目に」


 俺達は、必死に逃げているがさすがに帝国も、敵の重臣だと言う事なのでなかなか見逃してくれない。

 更に帝国の馬はこちらのより早く、このままでは時間の問題だった。

 

 「マサキ殿!ご無事ですか!」


 その時、シンクの部隊が異変を察知してか少し部隊を近くまで動かしていた。

 

 「シンク、ありがとう。敵をここで倒せる」

 「当然の事をしたまでです」

 「よし、俺も反撃に出てやる。少しイラついていた所だ」


 帝国は不意を突かれた感じで驚き戸惑っていた。


 (よし、いける)


 その時の俺はそう思っていた。

 だが、


 「ぎゃあー!」


 数十人のフリダム兵士がいきなり吹き飛ばされたのだ。何事かと思い目を凝らしてみると帝国大将軍アイザックが立っていた。


 「がははははっ。無益な殺生はしたくはない。投降をしろ」

 「何を言うか!エミル様の為、フリダム王国の為ここで貴様を斬る」

 

 一人の兵士がアイザックに斬り込んで行ったが、その剣を軽く避けて、首根っこを掴んだ。

 

 「がははははっ。知能の無いサル共め。帝国に逆らうとどうなるか教えてやる」

 「うわああー!」


 兵士を宙投げた後にそこに向かって拳に力を握り締めた。


 「俺の力を示せ!波動拳はどうけん!」


 拳から見えない何かが兵士に襲った瞬間、肉片となりばらばらと砕け散った。

 それを見ていた、フリダム軍の攻勢がピタリと止まってしまった。

 シンクは、それを見て俺達に向かって言った。


 「早く逃げてください!私達が時間を稼ぎますので」

 「逃げることが出来るわけ無いだろう。味方を放って」

 「あなた方は、フリダム王国に欠けてはならない!あなた達が帝国に勝てるかも知れない希望なのです。早くお逃げ下さい」

 「……くそ!フリード、アリス」

 「シンク、死ぬんじゃねえぞ!勝手に死んだら怒るからな!」

 「生きて帰ってきて下さい」

 「ありがとうございます」


 そう言い俺達は、ガルーダ町まで馬でひたすら駆けた。



 シンクは、その後ろを見届けるとアイザックの方に向き直った。アイザックは豪快に笑っていた。


 「がははははっ。泣けるな!仲間の為にここに残るとは」

 「すみませんが、少しの間ここで時間を稼がせてもらいます」


 その言葉を聞いた瞬間、凶悪じみた笑い顔を作った。


 「良いが、俺の直属の部下が三〇〇〇の兵士を引き連れて進軍しているから、どちらにせよもう終わりだよなんちゃって、がははははっ」

 

 (やはりこの人も帝国軍人だ。俺は、最後まであの人達に賭けて見る)


 俺は、そう思いアイザックに攻撃を仕掛けた。

 

 


 ここまで読んでいただきありがとうございます。

 初めての負け戦となりました。シンクはどうなるのか、次回を楽しみください。

 5月11日~5月29日までは投稿することが出来ません。大変申し訳ありませんがそれまでまってもらえると大変嬉しいです。

 感想などありましたらよろしくお願いします。

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