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俺は異世界で軍師になる  作者: 中村竜野
第2章~カラハリ地方編~
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作戦会議

 一週間が経ち、11月となりいよいよ寒くなってきた頃、フリダム王国の経済状況もうなぎ登りの如く良くなっていった。

 最初の難題から切り抜ける事が出来たので、皆がほっとしていたが、これからの事も話さなくてはいけなくてはならない。

 俺は、そう思いこれからどうするべきかを皆と話し合った。


 「これからの事だが、アイザック将軍が滞在しているバブル城に向かって進軍をしたいと思うのだが、その間にナース山脈があるのは誰もが知っていると思う。近道だが、険しく兵士達の体力が減少してしまう。逆に山脈を迂回しながら行く方法もある。時間はかかるが確実に行けるが、でこぼことした地形なので敵の待ち伏せなどがしやすい。皆の意見を参考にしたい」

 「俺は、近道の方を選ぶぜ。進行速度も上がるしな」

 「……私もフリードに賛成」

 「儂は年寄り故に少々大変じゃから、迂回しながらゆっくりと行きたいのう」

 「私も兵士達を無理に体力を消耗させるのは嫌だわ。私は、迂回の方がいいと思う」

 

 シンクとマルニーア、アーミンの意見も聞きたかったが、仕事が忙しくて今はここには居ない。

 見事に半分半分に分かれてしまっていたので、俺の意見でどっちに行くか決定してしまうので、皆が固唾を呑んで見守っていった。

 俺は、ある考えが頭によぎったのでフリードに聞いてみた。


 「我が軍の戦力は今どのくらいあるんだ?フリード」

 「うーん、確か……三〇〇〇程だったか?」

 「二手に分かれるのはどうだろうか?」

 「二手じゃと?」

 「はい」


 俺は、どちらの意見も良くて、決められなかったため2つの案を両方とも賛成した。

 二手に分かれると戦力が分散して敵に各個撃破にされてしまう。でも、どちらの考えも捨て切れなかった自分が居た。

 ゴットンは難しい顔をしていた。


 「戦力の配分はどうするのじゃ?」

 「山脈の方をフリードとアリスに一五〇〇の兵を率いてガルーダ町に先に行ってもらいます。俺とゴットンとシンクで迂回して町で合流する。マルニーアとエミル、アーミンさんは城に残ってもらう。これで良いですか?」

 「私も行きます!」

 「しかし、エミルに何かあっては」

 「私だけが安全な所でいるわけにはいけないわ。民や兵士があっての王。私は無力かもしれないけど出来る限りの事はしたいの!お願い!」

 「さすがじゃ!こんなに民や兵士思いの王女様などみた事ない!儂は帝国といざ戦おうとした時に王様の許可がなければ兵士が動けずにその間にやられたわい。しかし、傍に居てくれるのなら対処が容易になる。ワシは賛成じゃぞ!」


 ゴットンは力強く賛成していた。フリードやアリスも同じのようだった。

 俺は、ため息をついた。


 「分かりました。そこまで言うのなら来て下さい。でも危険な事がありましたら迷わず逃げてくださいね」

 「分かってます!」


 その後、会議の後は明日の準備の為に王広間から出て行った。

 俺も無事に町までたどり着けますように、と思いながら自分の部屋に戻っていった。


 


 


 

 







 ここまで読んでいただきありがとうございます。

 次から戦闘パートに入るかもしれません。

 感想などお待ちしております。

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