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俺は異世界で軍師になる  作者: 中村竜野
第2章~カラハリ地方編~
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アカーサス城の攻略前

 次の日、俺たちはアメルリ町に行軍して行った。特に何も無く町につくことができ、住民の人も歓迎してくれた。


 (ここの人たちも帝国の圧政に怯えていたんだな。俺たちが帝国を倒さないと!)


 俺はしみじみと心の中で決意を固めた。

 俺たちは、この町の領主に会いに行くべく住民に案内をしてもらった。その領主の家はとても大きく、エミルの家よりも大きいかもしれないかと思った。そう思っていると玄関から俺たちの年齢が同じくらいの女の子が出てきた。


 「ご足労をかけまして、大変すみませんでした。どうぞ狭いですが、入って紅茶などを飲んでいってください」

 「あ、ありがとうございます」


 俺たちは、どこが狭いのか分からないまま中に入っていった。外見どおり中もとても広かった。リビングと思わしき所にテーブルとイスが置いてあり皆はそこに座り、領主が俺たちに一礼して話を始めた。


 「私はここの領主を勤めさせていただいておりますアーミンと言います。以後お見知りおきを」

 「ナストレア町の領主のエミルと言います。よろしくお願いします」

 

 エミルがそう言うと各々(おのおの)挨拶をした。全員が終わるとアーミンは今回の作戦の話を始めた。

 

 「私たちの出せる戦力は五〇〇で、皆さんの戦力は二〇〇〇で合計が二五〇〇になると思います」

 「それは分かっている。それで?」

 「偵察部隊をアカーサス城に送ったのですが、敵の戦力は三〇〇〇との事です」


 フリードとシンクはその事を聞いて嬉しがっていた。


 「俺たちは、それ以上の敵の戦力を打ち破っているんだ!行けるぜ!」

 「そうだな。今回も俺の拳の力を見せるかな」


 しかし、反対に俺とアリスとゴットンは真剣な顔をしていた。その事にエミルは心配した顔になった。


 「どうしたの?お腹でも壊した?」

 「いやそんなんじゃないが」

 「フリード、シンク。今回の戦いはそんなに甘くないよ」

 「そうじゃのう。今度ばかりはきつい戦いになるかのう」

 「どういうことだ?」


 フリードは俺たちの言葉の意味が分かっていなかった。俺は真剣な顔で皆に訳を話した。


 「まず、敵の戦力がこちらより多い事」

 「そんなのは、気合で何とかするぜ!」

 「二つ目は、敵には篭城をする手段がある事」

 「何!?」


 フリードは驚いていた。確かに敵の数が多いのは問題だが、それよりも篭城作戦に出られたら更にまずい事態になってしまう。こちらは中から開けるか城門をぶっ壊さないといけないが普通は無理だ。しかも、時間が経てば帝国から援軍が来てしまうだろう。だから、古来より敵の城を攻めるには一〇倍の戦力が必要とされてきた。何故かと言うと城の周りに取り囲んで、外部からの情報を遮断して降伏を呼びかけるのがセオリーだ。しかし、今回は戦力が相手より少ないのでこの策は使えなかった。

 俺たちは、どうすれば勝てるか考えていたが全然思い浮かばず、時間だけが過ぎていった。アーミンは、今日は私の所に泊まって明日考えよう、と言ってくれたのでそのご好意を素直に甘えさせてもらった。

 俺は、部屋で策を考えていると、エミルが入ってきた。


 「少し良い?」

 「良いよ」


 俺たちは短く言葉を交わすと顔を赤くしたエミルが入ってきた。エミルは、近くのイスに座った。


 「次の戦いはどう?」

 「分からない。正面から激突すればもしかしたら勝てるかもしれないけど、篭城されたら終わりだしな」


 俺は、どうすれば良いか悩んでいた。帝国軍と戦う時はいつも防衛する側だったからいざ攻撃側に移るとどうすれば良いのか分からなかった。

 エミルは、そんな思い悩んでいる俺の姿を見ながら思いがけない事を言った。


 「そうだね……何とか敵の注意を惹きつけられたら良いのにね」

 「……敵の注意を惹き付ける?」


 俺は考えだした。その異変に気づいたエミルは心配し始めた。


 「大丈夫?もしかして……」

 「エミル!君のおかげで今回も勝てるかもしれない!ありがとう」

 「え?ど、どういたしまして」


 俺はエミルの肩を掴んで喜んでいた。この策を使って帝国軍を倒す事が出来るかも知れないと思って。

 


 










 ここまで読んでいただきありがとうございます。

 次回は戦闘メインになります。

 感想などがありましたらよろしくお願いします。

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