カラハリ地方
第2章
フリダム王国を建国した俺達は、まずカラハリ地方を統一することにした。そこに帝国最強四大将軍の一人アイザックが立ちふさがる。正輝達は、この困難を乗り越える事が出来るのか。それとも……
俺たちがフリダム王国を建国してから1週間経過した。その間は軍備や兵の数を集めていたりしていた。帝国も俺たち以外の反乱軍と激しい戦闘を繰り広げていると噂になっている。
俺は今、エミルの家でいつものメンバーで今後の話をしていた。
「まず最初に俺たちの地方『カラハリ』を全て我が軍の領土にしよう」
「それも良いと思うけど……私たち城とか持っていないから大丈夫?お兄ちゃん」
さすがアリスは、賢いなっと思った。
「確かに俺たちを守ってくれる城がない。だから最初に城を攻略しよう」
「でも、どこの城じゃ?ワシはここの地理が無くてのう」
「カラハリ地方には二つの大きな城があります。カリアンへ平原を少し東に行った所に一つ目に城があります」
このカラハリ地方には二つの城しかない。確かに自然豊かな地方なので仕方ないのかも知れないが。
「それじゃあ、この地方にいるアイザック大将軍はどうするんじゃ?一度だけ面識があるんじゃがかなり強いと思うの」
五つの地方に分かれている。中央は帝国地方、北東はアイス地方、南東はサンバラ地方、北西はイフリト地方、最後に俺たちが所属する南西のカラハリ地方がある。帝国四大将軍と言われ、その力は絶大でそれぞれの地方を統治かとしている。カラハリ地方にいるのがアイザック大将軍なのである。
「まずマルニーア殿が調べてくれたのですが、俺たちが行こうとしているアカーサス城には居ない事が分かっている」
「しかし、兄貴。その城が無人って事は無いだろう。どの位居るんだ?」
「情報では、二〇〇〇から三〇〇〇と言われているがまだ細かい詳細は分かっていない」
「今の俺たちならいけるかも知れねえって事か!すぐに取ろう!」
「でも、まだ誰が守備しているのかも分かっていないから油断は禁物だ!」
「それじゃあ私たちはどうすれば良いの?マサキ」
エミルが可愛く首を傾けてきた。
「まず我々の軍二〇〇〇をカリアン平原の先にあるアメルリ町で駐留させてもらいます。これは町の皆に事前に話したらすぐに許可が下りました」
二〇〇〇という兵は元帝国兵一〇〇〇とそれぞれの町から集めてきた兵一〇〇〇だ。
「しかもアメルリ町からも兵を貸してくださる事なので合計二五〇〇となりますがどうかな?」
「素晴らしいですね。これなら勝てる気がしてきましたよ」
「流石です……お兄ちゃん」
「俺も次の戦いでもう少し功績を挙げたいぜ!」
マルニーア、アリス、シンクがやる気満々だった。
「それじゃあ、今日の会議は終わりね」
「ああ、明日出発だからちゃんと準備しっかりしとけよ」
皆、はーいと言って出て行った。自然とエミルと二人っきりになっていた。少し胸の高鳴りが上がってきた。
「き、今日の事で何か疑問の所や変えた方が良い所とかあったか?」
「な、何も無いよ。マサキは凄い軍師になれるよ」
「あ、ありがとう」
俺たち二人は緊張しながら話していた。
「エミル。明日から居なくなるけど心配事とかあるんなら言って」
「私も行くよ?」
「え?」
俺の中で少しだけ時間の軸が外れてしまったかのように遅くなった気がした。
しかし、はっとなりすぐに止めた。
「エミルに何かあったらダメじゃないか!来ちゃダメだ!」
「私は民を守ると誓ったの!私だけ逃げていたらだめだと思うの。だから一緒に行かせて?」
エミルは上目使いで見てきた。思わず可愛くてうっと唸ってしまった。
「他の皆が許してくれないと思うぞ」
「……?マサキ以外の人には許しを得たけど。ゴットンなんか泣いて喜んでいたぐらいだし」
マジかよ。皆それで良いのか、と心の声で悪態をつけながら呆れながら分かったと言った。
「でも、危なくなったらエミルだけでも逃げてくれよ。これが守れないようだったら連れて行かないからな」
「うん。約束する」
「よし、それじゃあエミルも早く準備してきな」
エミルは軽く頷くとすぐに出て行った。俺も支度をしなければと思い、自分の部屋へ戻っていった。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
第2章始まりました。
感想等ありましたらよろしくお願いします。




