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現実世界1

参考にしていきたいので、見終わったあとに評価をつけていただけると嬉しいです。

 「清華姉(せいかねえ)、早く起きないと遅れるよ。今日高校の入学式でしょ。」

 俺、支倉嘉輝(はせくらよしき)は階段下から2階に向けてそう叫んだ。

 しかし、2階からは返事が返ってこない。

 3分ほど待つが、返事どころか物音一つしない。

 「まったく、しょうがないなぁ。」

 嘉輝はため息をつきながら階段を上った。

 上りきり右に曲がる、そのまま直進し突き当たりにドアがある。

 ドアには綺麗な字で「お姉ちゃんの部屋♡」と彫られた木の板が釘で打ち込まれている。

 これを作るのには苦労したのだ。

 姉から土下座までされて、渋々引き受けたのはいいものの、木にただ「清華の部屋」と書いた木を作ったら・・・

 「手抜きをしてるじゃない!愛が感じられないわ。愛が!」

 と突き返された。

 いや、反論はしたんだよ。

 「いや、愛って・・・、俺たち姉弟(きょうだい)だし。」

 しかし、姉はその反論にこう言った。

 「はあ、わかってないわ。嘉輝ちゃんはなにもわかってない。いい、私とあなたは姉弟だけど、他人でもあるの。まず、あなたはお父さんが旅行に行った時に連れ帰って来た養子。これから導き出される解は私とあなたは義理の姉弟ということ。もちろん結婚もできるし、子供も作れる。OK?」

 姉は「義理」のところを殊のほか強調しながらそう言ってきた。

 「でも―」

 「でももクソもありません。嘉輝ちゃんはもっとお姉ちゃんを愛するべきなのよ。」

 「・・・クソって。女子なのにそんな言葉を使うのはあんまよくないと思うよ。」

 嘉輝は真剣な声でそういった。

 「嘉輝ちゃん!」

 「え、なに!?」

 いきなり姉が詰め寄ってきた。

 「お姉ちゃん、そういう差別行けないと思うの。女だから汚い言葉を使っちゃダメとか、女だから男の嘉輝ちゃんと一緒に風呂に入ったらダメとか。」

 「たしかに・・・、って二つ目は違うでしょ。」

 「違わないわ!大事なことよ。人間が水分を取るのと同じくらい大事なことなのよ!」

 と、いろいろあって自分の部屋から彫刻刀を探し出し15時間という膨大な時間をかけて制作されたものがこれだ。

 昔のことを思い出して少し気が落ち込みながら嘉輝は姉の部屋のドアをノックした。

 「清華姉、そろそろ起きたほうがいいよ。」

 ・・・・・・・・・・

 返事がない。

 「入るよ。」

 嘉輝はそうことわって姉の部屋に入った。

 姉の部屋は毎朝(・ ・)綺麗に片付いている。

 毎夜、姉の寝た後に嘉輝が掃除しているからだが。

 「でも、掃除しないとすぐ汚くなるからなー。」

 実際、嘉輝が中学の修学旅行で3日間家を空けて帰ってくると家がゴミ屋敷の、幽霊屋敷になっていた。

 両親は家事スキル0、まずものを捨てない、洗濯をさせると洗濯機から泡が溢れ出し、料理を作ると炭や生ゴミが量産される。

 姉もほとんど変わらない感じで、妹が居るのだがそちらは少しましといった具合だ。

 とまた、思い出してますます気力をすり減らしながら、ベットに寝てる姉に近づいた。

 「清華姉、起きないと遅刻だよ。」

 揺すぶるが起きない。

 仕方なく嘉輝は最終手段を使う。

 本当にこれは最終手段だ。

 何しろ、これは自分の胃に穴が開くかと思うほどの心労が副作用としてあるからだ。

 「だけど、清華姉を初日から遅刻させるわけにも行かないからな。」

 嘉輝は心を決めた。

 一つ深呼吸をして、気持ちを落ち着ける。

 そして、無の境地へと到達し、無心で・・・・・・

 無理だった。

 「もうすでに、胃が痛い。」

 しかし、ここは我慢して

 「清華姉、大好きだよ。」

 「私もよ!」

 一瞬で起きた。

 「おはよう、清華姉。早くしないと遅刻するよ。」

 嘉輝は若干頬を引きつらせながらも笑ってみせた。

 「じゃあ、朝食作ってる途中だから。早く支度しないと朝ごはん食べれないよ。」

 「嘉輝ちゃん、お姉ちゃんも好きだよーーー!」

 嘉輝は、ベッドの上で叫んでいる姉のせいで朝からテンションダダ下がりだが、このままだとずっと叫んだままなので最後に付け加える。

 「支度早くして、朝食食べに来てよ。朝食抜くような不健康な清華姉、嫌いになるから。」

 「わかった。」

 そういうやいな、姉は速攻でベッドから出て、洗面台に向かった。

 「はあ。」

 嘉輝は、布団を外に干して、姉の着替えを持って姉の部屋を出た。

 階段の手前まで来ると、前からも人が来た。

 茶髪のショートカットで八重歯が特徴。

 今は眠そうに目をこすっているが、冴えているときは元気な女の子である同じ年の妹、支倉花菜(かな)だ。

 「嘉にぃ、おはよう。」

 「花菜、おはよう。」

 花菜は、たまに自分に突っかかってくるが基本的に可愛い妹だ。

 学校ではクラスも一緒で、実はかなり男子に人気がある。

 誰かと付き合ってるなどのことは聞いたことはないが、家族だから全部知っているわけではない。

 話したかったら話すだろう。

 「花菜も朝食もうそろそろできるから、早く支度しな。」

 「うん。」

 花菜は頷いて、階段を下りていった。

 嘉輝は、すぐに花菜の部屋に行きこちらの布団も干しておく。

 そのあとに、両親の部屋(二人とも同じ部屋で寝起きしている)に行きこの二人も起こす。

 両親の布団を干したあと、下に降りシャワーを浴びてる姉の衣類(下着も含む)を洗濯するために回収、さっき用意した着替えを置きそのことを姉に行ってからそこを出る。

 その後、台所に戻り朝食の準備を続ける。

 途中、父に髭剃りの場所を聞かれたり、母に今日の商談相手を聞かれ答えるとともに情報も付け足す、そして妹に宿題の答えを聞かれ、シャワーを終え戻ってきた姉に下着が似合っているか聞かれ、父に、母に、妹に、姉に、姉に、姉に・・・。

 「少しは自分で考えてよ!ていうか、清華姉多すぎ!」

 ついに堪忍袋の緒が切れてそう叫ぶと家の中が静かになった。

 「お、お父さん大変だよ。お兄ちゃんが反抗期だよ。」

 「お、落ち着きなさい花菜。こういう時には落ち着くことが大事だ。」

 「そ、そうですよ花菜。一輝(かずき)さんの言うとおりです。」

 「そういう母さんも、落ち着いて。」

 「元はといえば、お姉ちゃんがいろいろ聞くからじゃん。」

 「え、私のせいにするの!そう言う花菜だっていろいろ聞いてたじゃん。」

 「私はお姉ちゃんほど聞いてないもん。」

 「回数なんて関係ないわ。聞いたことんそのものが悪いのよ。」

 「清華、花菜止めなさい。」

 「「お父さんは黙ってて。」」

 「はい・・・。」

 「一輝さん、説得されてどうするんですか。早く落ち着かないと嘉輝さんが。」

 三人はは母の裕美香(ゆみか)に言われてはっとなる。

 そして、恐る恐る四人は嘉輝がいる台所を振り返る。

 しかし、そこには嘉輝の姿はなく食卓の上に一枚の紙と四人分の食事があった。

 四人は目配せし、いきなりジャンケンを始めた。

 何回かあいこが続き、五回目で母が抜け、八回目で姉が抜けた。

 父と妹は笑顔だが目が本気だ。

 そして裁決の時が―

 父が出したのはグー

 妹が出したのはチョキだった。

 妹が膝をつく。

 その顔は何もかもに絶望したものだった。

 父が、妹の肩を叩く。

 妹が振り返ると笑顔の三人が・・・

 ここに来て、やっと喋った。

 「行ってこい。」

 その父の言葉は、優しかった。

 妹は、トボトボと歩き食卓に。

 そして、置いてある紙を取り目を通す。

 「はっ!」

 そして、目を開き崩れ落ちた。

 「やばいよ、これは。どうしよう。」

 妹のこの反応には三人もじっとしてられず、急いで近づきゆっくりと妹が崩れ落ちた時に舞い落ちた紙を拾い三人は目を通す。

 そこにはこう書かれていた。

 

 ―長くなると思うので先に食べて学校に行ってます。朝食はちゃんと食べてください。食べていなかったら今後一切つくりません。あと、遅刻しないように気をつけてください。   嘉輝―

 

 三人も、膝を床につき打ちひしがれる。

 「やばいよ。」

 「やばいな。」

 「やばいわ。」

 「やばい、もといぱないです。」

 四人は、一旦席に着き食べ始める。

 そして、家族会議(一人いないが)という名の作戦会議が始まった。

 まずはじめに第一目撃者が発言する。

 「まず何よりもこの文章の書き方だよ。いつもは真面目で、気さくで、頭良くて、運動できて、イケメンで、超凄い嘉にぃがこんな他人行儀な文章を書くなんて相当やばいよ。」

 三人はその言に目を開き、頷いた。

 次は父が発言した。

 「私はこの先に行ってる(・・・・・・)というとこがやばいと思う。いつもはどんなに遅くても花菜のことを待って一緒に行くのに一人で行ってしまった。これはかなりやばい。」

 これには妹も盲点だったのか目を見開いてそういええば、と頷いた。

 「それだけじゃないわ。この食べなかったら今後一切つくらないっていうところ、いつもはあんな温厚で、聖人君子もビックリなほどの優しさを持ち、後ろに後光が見えるほどの包容力があり、神も裸足で逃げ出すほどの有能さとそれを奢らない人間性、女神でさえ足元にも及ばないあの美しさ、街では誰もが振り返るほどの格好良さがあるあの嘉輝ちゃんがこんな厳しい事を言うなんてこれは地球崩壊なんてものじゃないほどやばいわ。」

 三人は何も突っ込むことなく当たり前のように頷く。

 これはいわずもがな姉の発言だ。

 そして、母がすっと立ち上がる。

 ご飯を食べ終わったのだ。

 「早く行かなくてはいけません。朝のことに加え、遅刻までしたらどうなるか想像もつきませんから。」

 そう言って、すぐにスーツに着替え家を出た。

 それを見た、三人も急いで家を出るのだった。

 

 家では、テレビがつけっぱなしの状態で放置されていて、ニュースが流れていた。

 「昨日未明、東京都でまた行方不明者が出ました。被害者の部屋には魔法陣と思われるものが書かれており―」

 そして、テレビには被害者の部屋の様子が映し出され、そこに焼けたような後があった。

 それは、丸の中にわからない文字や図が書かれた。魔法陣に似たなにかだった。

見ていただきありがとうございます。

まだ拙い文ですが、どうでしたでしょうか?

意見、感想を送っていただけると嬉しいです。

よろしくお願いします。

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