妄想1~姉がいる朝~
これは全部妄想の話です。
なにもかもうそっぱちのフィクションで、誰が得するかもちょっとよくわからないようなものばかりです。
登場人物はその時によって様々です。大体は姉、妹、その他……など、「こんな人がいたらいいなあ」という主人公の妄想です。
ちなみに主人公は18歳。思春期まっさかりをちょっと通り過ぎた、彼女のいない男です。
では、そろそろ始まります。
『姉が家にいた場合の朝』
『朝だよ! 起きて! おにーちゃん!』
「うわああああああああっっっ!!??」
「あっははははははっ!」
朝の心地よい眠気と静寂を切り裂くように、鈴を転がしたような可愛らしい声が俺の耳の奥の方に鳴り響いたうっせぇ耳痛い!!
え、なにこれ。
自分のとなりに置いてあるスマートフォンからつながるイヤホンが、俺の耳に生えていた。
昨日つけたまま寝ちゃったかな? いや、ちゃんと寝たはず。あれー。
寝起きで思考がまとまらない……そもそも、俺はこんなアラームを設定した覚えはない。
いつもは軽やかな音楽が流れ、爽快な朝を迎えるはず。それが、いわゆるアニメ声な妹ボイス(音量最大)になっていたのだ。
どうでもいいけど、声がわりと好みのタイプだった。音を普通くらいにして聞きたかったな。
ちなみに、俺に妹は居ない。いるのは姉だけ。
さっきからずっと、そこで笑っている。笑い転げている。へそ見えてる。
へそっていいよね。女体の神秘がそこにあるよね。いやあ、おはようございます!
「おはよう姉ちゃん」
「いひっ! いひひひひっ、おう、おとーとくん、ひひっ」
「おはよう姉ちゃん」
「ん、く、おはよ……ふふっ、ふう」
落ち着いたようなので、結論をば。
「あなたが犯人です」
「正解ですおめでとう」
「姉ちゃんこのやろう」
「賞品はおねーちゃんに朝ごはんをつくれる権利です」
「あ、放棄しまーす」
「えー」
「えーじゃない」
「ええじゃないか」
「語感が似ててなんだかちょっともやもやするよ俺」
どうよ? みたいな感じの顔を向けてくる姉ちゃん。んん、寝起きにしては綺麗な顔だ、美人っていうよりかわいい感じの。でもドヤ顔はやめて! 腹立つから!
さて、と仕切り直し。
「俺のアラームを勝手に変え、音量を最大にしてたことに対して何か言うことはないかな? ん?」
「面白かったです!!」
「まさかの対応に俺もびっくり!」
「まあ、私も悪気があってやったわけじゃないんだからさ……許してやってよ」
「どこ目線から話してるの!? 姉ちゃんは当事者だよ!?」
「まあまあ。そんなことは置いといて、朝ごはんでも食べよう」
「そんなこと!?」
そう言って、リビングに向かう姉ちゃん。自由すぎる……
ちょっと切なくなりながらも、姉ちゃんのあとについていく。
この感じが嫌いじゃないなと思いながら、姉ちゃんと朝ごはんを作るために部屋を出た。
結局このあとは姉ちゃんと一緒にスクランブルエッグ(なぜかいろんなところに散乱してしまった)を食べ、学校に行ったのだった。
『姉が家にいた場合の朝』~了~
ひっさしぶりに書いたから色々忘れてるなあwwんんww
いつ書くかは未定ですが、もしまた来たら生暖かい目で見ていただけると小躍りして喜びます!