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第1話

ここは某県の神域と呼ばれる森の中、時刻は6時半を過ぎた頃。季節は夏真っ盛りの8月上旬なので太陽は既に顔を出していた。

そこに1人の男が無心で竹刀を振っていた。男の名は白戸(しらと 光矢(こうやといい、一部の間では知らないものはいない程の有名人である。背丈は178㎝、体重は72㎏のその体は素人から見ても無駄な脂肪などついていない、美しく強靭な肉体だと分かる。今年に19歳を迎えたばかりだが、その体は既に完成されつつある。足下の地面や草は流れた汗でびっしょりと濡れていて、光矢が何時から竹刀を振っていたかを物語っている。

朝日が自分を照らすのを感じながら、光矢はひたすらに、己を高めるため竹刀をふるっていた。


光矢の家系は代々剣道道場を継いできた。そのため、光矢は自然に剣道と接する事になった。子供の頃から才能が飛び抜けていた光矢は範士8段の祖父や錬士5段の父親の指導もあり、どんどんと力を付けていった。元々才能もありながら、努力をすることにも一切の妥協をしなかった光矢は9歳で全国大会の小学生部門優勝を皮切りに、高校最後の大会まで全て優勝を果たした。この圧倒的な強さを人は「鬼神」と呼んだ。

光矢の強さは留まるところを知らず、既に自分の家の道場で光矢に勝てるのは父と祖父だけになり、父親に限っては勝率は4割まで落ち込んでしまい、密かに枕を濡らしているのは内緒である。祖父も最近負け始めてきてるが、国内最強の剣士としてのプライドもあり、勝率8割をキープしている。しかし、祖父はあと5年もすれば光矢に追い抜かれると確信しており、祖父として孫の成長が嬉しくあり、剣士として光矢の才能を羨ましく思う複雑な心境だった。

こうして光矢は同世代、いや国内では殆ど敵無しになった。



既に竹刀を振り始めてから3時間は経過し、一休みのため素振りをやめ腰を下ろし持ってきた水を飲んだ。冷えた水が火照った体を冷ましてく感覚を感じながら、光矢は吹き抜ける風を心地よさに身を委ねていた。光矢はこの森の雰囲気を気に入っていた。古くから神域と呼ばれ人の手がつけられていない、神秘的で幻想的なこの森が。ここにいると心がとても落ち着き無心で剣が振れるので、休みの日はいつもこの森で鍛錬していた。そして、今日もいつも通り昼まで鍛錬しようと思い再び腰を上げて剣を振ろうとした時だった。


突如、光矢の足下に漆黒の穴が空いた。

「なに!?」

突然の事に流石の光矢でも何も出来ずただ穴の中に落ちていった。

落ちていく感覚を感じながらも、常に冷静を心がけている光矢はすぐにこの現象が何なのか考えるが、何故か朦朧としてきて抵抗虚しく意識を手放した。

ここまで読んでくださりありがとうございました。右も左も分らぬ初心者ですのでご指摘があればどんどん言ってください。

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