プロローグ 「このままでは冤罪で破滅ですわー!」
学生講堂。
ざわめく教養科の生徒たち。
中央に立つのは──
アンジェリーヌ・ド・フロレアル。
公爵令嬢であり、第二王子の婚約者。
その婚約者。
第二王子ヴィクトルが、堂々と指を突きつけた。
「アンジェリーヌ!」
「お前を断罪する!」
カンッ。
第二王子のマイ木槌が、良い音を立てる。
毎週恒例。
断罪裁判が開廷する──
講堂がどよめく。
「始まった」
「今週もか」
「実況は?」
アンジェは思わず叫んだ。
「このままでは冤罪で破滅ですわーー!」
──そして回想。
どうしてこうなりましたの。
一ヶ月前。
階段で足を滑らせ。
頭を打ちましたの。
目が覚めた瞬間。
「……あら?」
記憶が、二重。
前世の記憶が戻りましたの。
私は二十代の社畜。
残業。
上司。
終わらない打ち合わせ会議。
書類。
締め切り。
それに追われていたはず。
なのに。
ここはどこ?
異世界?
貴族?
魔法?
……待ってくださいまし。
なんのゲームですの?
乙女ゲーム?
わたくし。
萌え萌え男子アイドルゲームしかしてませんの!
悪役令嬢とか知りませんわよ!
私は頭を抱えた。
記憶を整理する。
ここは王立聖クレール学院。
貴族子弟が通う学校。
私は公爵令嬢アンジェリーヌ。
そして。
目の前にいるストロベリーブロンドの少女。
コレット──おそらくヒロイン。
乙女ゲームなら、ここから恋が始まるはず。
しかし。
なぜか。
彼女は私を睨んでいた。
そして。
数日後。
講堂。
生徒が集まり。
中央には演壇。
第二王子が立つ。
そして。
私を指差した。
「アンジェリーヌ!」
「お前を断罪する!」
カンッ。
王子の木槌が鳴る。
講堂が沸く。
「始まった!」
私は思わず叫ぶ。
「このままでは冤罪で破滅ですわー!」
……どうしてこうなりましたの。
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