表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スキル『100円ショップ』で異世界暮らし。素材回収でポイント貯めて、美味しいご飯と便利グッズで美少女たちとスローライフを目指します  作者: 月神世一


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

171/217

EP 51

深海に咲く紅蓮、凍てつく海、黄金の閃光

【海底国家シーラン国・戦場中央】

オクトパス将軍を瞬殺したフレアは、優雅にヒレを動かして女王リリアーナの元へと降り立った。

「リリアーナ、フレア様!!」

リリアーナは救援に感謝しようとしたが、フレアが人差し指を立ててそれを制した。

「ねぇ、リリアーナ。申し訳ないのだけれど、魚人兵達を後ろへ引き上げさせて貰えるかしら?」

「え?」

「私って、細かい作業って苦手なのよねぇ。敵だけを狙うとか、そういうチマチマしたのは性に合いませんの」

フレアは妖艶に微笑んだが、その瞳の奥には破壊の予兆が渦巻いている。

「だってぇ、私の灼熱で魚人さん達を巻き込んじゃうからぁ♡ 全員、煮魚にしたくはありませんでしょう?」

「ひっ……!」

リリアーナは戦慄した。この方は本気だ。味方がいようが関係なく、この海域ごと焼き尽くすつもりだ。

「わ、分かりました! 直ちに!」

リリアーナは魔法拡声で全軍に号令をかけた。

『シーランの兵士達よ! 下がりなさい! 直ちに結界の内側へ退避し、防戦に徹しなさい! 巻き込まれます!!』

「え? 優勢なのに?」

「女王陛下の命令だ! 急げ!」

魚人兵たちは困惑しながらも、本能的な危機感を察知して一斉に後退し始めた。

戦場には、取り残された魔族の大軍と、巨大なアノマノカリウス、そしてたった三人の「最強種」だけが残った。

「お? 魚人兵達が居なくなったな」

狼王フェリルがニヤリと笑った。

「じゃあ、そろそろ……遠慮なくやれるね」

ブンッ! ブンッ!

フェリルの体がブレたかと思うと、左右に実体を持つ「分身」が現れ、計3体となった。

さらに、彼が生成した無数の氷狼たちが、主の周りに整列する。

「吸い込め……」

3体のフェリルと氷狼たちが、一斉に海水を吸い込むように口を開けた。

口腔内に圧縮されていくのは、物理法則を無視した「絶対零度」の冷気。

「む? そろそろ終いか」

アノマノカリウスの巨体を片手で抑え込んでいた竜王デュークも、退屈そうに鼻を鳴らした。

「ならば、我も掃除してやろう」

ゴオオオオオオ……!!

デュークの口元に、黄金の粒子が集束していく。

それは、星の核すら撃ち抜く竜王の極大エネルギー。

そして、真打ちが登場する。

「さぁ、ダンスの時間ですわよ」

フレアが海中で優雅に舞い始めた。

彼女が回転するたびに、海水がボコボコと沸騰し、八つの巨大な火球が出現する。

水の中で燃え盛る理不尽な炎。それらは鎌首をもたげ、八体の「火龍」へと変貌していく。

「消えなさい、汚らわしいモノたち」

「『不死鳥紅蓮のフェニックス・クリムゾン・ダンス』!!」

「行きなさい!!」

フレアの号令と共に、八つの火龍が魔族軍へと突撃した。

「ギャァァァァァ!! 熱い!? 水の中なのに燃えるぅぅぅ!?」

「助け……グワァァァァ!!」

火龍が通り過ぎた場所では、魔族たちが一瞬で炭化し、周囲の海水は超高温の蒸気となって爆発した。

逃げ場を失った魔族たちに、今度は極寒の地獄が襲いかかる。

「『絶対零度ブレス(アブソリュート・ゼロ)』!!」

フェリルの分身と氷狼たちが、一斉に冷気の波動を放った。

パキパキパキパキパキッ!!!!

沸騰していた海水が、一瞬にして凍りつく。

火龍から逃げ延びた魔族たちは、恐怖の表情を浮かべたまま、永遠に解けない氷の彫像マリオネットへと変えられた。

そして、最後は巨大な王の一撃。

「『アルティメット・バースト』!!」

カッ!!!!

デュークの口から放たれたのは、視界を全て白く染め上げるほどの黄金の熱線。

それは一直線にアノマノカリウスを飲み込んだ。

「ギシャァァァァ……!?」

断末魔すら残らない。

太古の魔獣は、細胞の一片に至るまで原子分解され、溶けるように消滅した。

熱線はそのまま海底の岩盤を貫き、遥か彼方の海溝まで突き抜けていった。

数秒後。

戦場だった場所には、何も残っていなかった。

魔族も、アノマノカリウスも、瓦礫さえも。

あるのは、異常な水温上昇による蜃気楼のような揺らぎと、漂う氷塊だけ。

『…………』

結界の中から見ていた魚人兵たちは、あまりの光景に言葉を失っていた。

これは戦争ではない。災害だ。神の御業だ。

だが、静寂を破ったのは、誰かの歓喜の声だった。

「か……勝ったぞおおおおお!!」

「魔族が全滅したぁぁぁ!!」

「シーラン万歳! 太郎国の援軍万歳!!」

ウオオオオオオオオオッ!!

海底都市全体が、勝利の雄叫びに包まれた。

その中心で、三柱の最強種たちは、まるで散歩でも終えたかのように涼しい顔をしていた。

「ふぅ。こんなものかしら」

「お腹すいたー。リリアーナちゃん、宴会しよー!」

「フン、準備運動にもならん」

圧倒的な力の前に、シーラン国は救われたのである。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ