表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
スキル『100円ショップ』で異世界暮らし。素材回収でポイント貯めて、美味しいご飯と便利グッズで美少女たちとスローライフを目指します  作者: 月神世一


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

117/207

EP 39

深海の死闘! 押される竜王

神殿の最深部で、戦いの火蓋が切って落とされた。

「まずは小手調べだ! 『アルティメット・バースト(竜王の咆哮)』!!」

デュークが大きく息を吸い込むと、口腔内に圧縮された破壊のエネルギーが臨界点に達する。

放たれたのは、全てを消し飛ばす極太の光線。

「ふん!」

しかし、魔王デュランダルは眉一つ動かさなかった。

手にした漆黒の魔槍を無造作に振るう。

ズパァァァン!!

信じがたいことに、竜王のブレスが縦に真っ二つに斬り裂かれ、神殿の壁に弾かれて爆散した。

「ほう、少しはやるようだな」

デュークがニヤリと笑うが、その目は笑っていない。

周囲には、親玉を守ろうと大量の魔族たちが殺到してきていた。

「よし! 僕だって!」

太郎は『雷霆』を構え、指の間に『必殺の矢』を3本同時に挟み込んだ。

主の戦意を感じ取った雷霆が、バチバチと紅い火花を散らす。矢じりに膨大な魔力が注がれ、赤雷の光が周囲の水を赤く染め上げた。

「行けッ!!」

弦が弾ける音と共に、三筋の紅い閃光が奔った。

矢は空中で枝分かれし、正確に魔族の群れを捉える。

ドゴォォォォォォンッッ!!!

水中で巨大な爆発が発生した。

衝撃波と雷撃が魔族たちを飲み込み、一撃で数十体が蒸発する。

「な、なんだこの威力はァ!?」

「に、人間じゃないぞコイツら!」

生き残った魔族たちが怯んだ隙を、もう一人の修羅は見逃さなかった。

「ふふっ……私の包丁も血に飢えていますわ」

サクヤが愛用の包丁(ミスリル製)を逆手に持ち、艶やかに微笑んだ。

水流を味方につけたかのような滑らかな動きで、魔族の懐に飛び込む。

「新鮮なうちに捌いてあげます……秘技! 『百連抜刀ひゃくれんばっとう』!!」

銀色の斬撃が網の目のように空間を切り裂いた。

サクヤが通り過ぎた後、数秒の遅れを置いて――。

「あ……」

魔族たちの体が、サイの目状に崩れ落ちた。

まさに神業。食材の下ごしらえのように、敵は細切れにされた。

「よし! 後はデュランダルだ!」

太郎が叫び、視線を玉座の方へ向ける。

そこでは、次元の違う戦いが繰り広げられていた。

ガギィィィン!! ズドォォォン!!

デュークの剛腕と、デュランダルの魔槍が激突するたびに、激しい水流が発生し神殿が揺れる。

「どうした竜王! 動きが鈍いぞ!」

デュランダルが水の膜を纏い、超高速でデュークの背後に回り込む。

「チッ……!」

デュークが裏拳で迎撃するが、デュランダルは既にそこにはいない。

逆に、デュークの脇腹に魔槍の一撃が入る。

「ぐぅッ……!」

堅牢な竜鱗が削られ、赤い血が海に滲んだ。

「ハハハ! ここは深海! 水圧、抵抗、全てが私の味方だ! 空を飛ぶ事しか能のないトカゲが、私の領域で勝てると思ったか!」

デュランダルは水を得た魚――いや、魔王として、その力を遺憾なく発揮していた。

対してデュークは、深海という極限環境に加え、水中での動作抵抗により、本来のスピードとパワーを出せずにいた。

炎のブレスも威力は半減し、動きも精彩を欠いている。

「くっ……おのれ、チョロチョロと……!」

デュークの拳が空を切る。

徐々に、しかし確実に、竜王が押され始めていた。

「このままでは……デュークが負ける!?」

太郎の背筋に冷たいものが走った。

最強の助っ人が敗北すれば、全滅は免れない。

深海の闇が、三人に重くのしかかろうとしていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ