巡りを終えたその先に
さて、完結はいつになるやら・・・
・・・驚くほど、静かだ。
まるで本当に、この領域には私しか存在しないような気がする。
・・・・・・
しかし、それなら何故・・・
彼らはこの領域で、こんなものが用意できたのだろう・・・?
{我々と手を取り、器である彼を救い出すのを手伝ってほしい}
{我々は既に時間を使い果たした}
{苦しみから解放され、本当の未来を歩ませるには}
{今この文章を読んでいる、君にしか託せない事だ}
この文章は、私が通ってきた道に記されていた。
しかしそれは、この領域でなければ見えなかったもののはず____
・・・私が逆に、此処に飛ばされた?
でもそれなら、全員が集まる事は無かったはず・・・
それに私の視界からは、彼らが転送したように見えた。
・・・やっぱり、今考えても仕方が無いか・・・
なら、文章を読み進めてみよう。
{君はこの領域に移動したのではない}
{君は我々が消え去った後に、偶然か必然か、狭間の世界と化した領域に存在しているのだ}
{もしモニターが動いていれば、今の状況と過去の状況を見ることが出来るだろう}
「・・・これか。」
「・・・・・・確かに、今は人どころか、世界全体が止まっているように見える。」
「・・・この過去って映像は・・・うん、普通にみんな動いてるね。」
無理やり状況を飲ませようとしているのか・・・
それとも、本当に語り掛けてきているのか・・・
{君の使命は、器である彼の精神を崩壊させない事}
{彼に、もう1つの未来を歩ませることだ}
もう1つの未来・・・か。
{しかし、その過程でどうしても、この世界を保つエネルギーが必要となってくる}
{エネルギーの回収方法は簡単ではあるが、彼の精神に負担がかかる可能性がある}
{エネルギー回収を行う場合は、慎重に事を運んでほしい}
・・・なんか、色々と複雑になってきたなー・・・
{もし安定化する事が出来た場合は、君はこの領域から外に出れるだろう}
「・・・まるで脱出ゲームみたいな言いようだな・・・」
{君ならば、彼を救うことが出来ると信じている}
{そして、改めてこの世界に終止符を打ってくれることを、願う}
「・・・・・・凄い事任されちゃったなあ・・・」
「・・・まあ拒否権なんて、何処にも存在しないだろうけどね」
「さてと・・・それじゃあ、いっちょやってみようか」
1週間後……
「これでよしっと・・・ふう、なかなか疲れる仕事だね・・・」
「けど、これで当分は持つはず。後は扉さえ開いてくれれば・・・」
機械音声「エネルギーを確認、エデン領域へのロックを解除」
?「・・・エデン領域?」
名も無き存在は扉を開ける。そこは、一面が煌びやかな空間で埋め尽くされている、楽園だった。
他のが終わってないって?しょうがないじゃん!私忙しいんだから!