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1通目
突然だが、私は手紙が好きだ。
スマホの画面とは違うあの質感、紙の匂い。書くことも貰うことも大好きだ。
小学生の頃から現代に至るまで貰ったものはすべておかしの缶に保管している。
部活の先輩、後輩、恩師からの手紙、授業中に回した小さな紙まで。読み返すことでその時代、その空間が蘇り、自分の存在を思い出すことが出来る。
先日私はそれら手紙の束の中から1通の手紙を見つけた。それを読んだことで、あの人のことを忘れたくないと思い、この文章を書いている。
いつか誰かがこれを読んで、私のことはしょうもない人間が居たんだな、とでも思ってくれるだけで良い。そして私を変えてくれた人を知ってくれたら嬉しい。
人が本当に死ぬのは忘れられた時なのだから。
ド素人のド素人による小説です。お時間に余裕のある方だけどうぞ温かい目で見てください。
昔から小説を1本書くのが夢でした。話数は多いですが、一つ一つは短くなっております。
手紙はお菓子の缶にしまっておく派です。