第76話 五月初日の朝
五月に入り、ゴールデンウィークももうすぐ、半分に達する頃——
今日からインターハイ予選、最後の追い込みとして、四人は、二泊三日の合宿で、自然公園に来ていた。
集合時間は午前九時であり、伏見高校男女硬式テニス部以外にも、三校の硬式テニス部が集まっていた。
「それにしても五月に入って、暑いですね。やはり、地球温暖化のせいでしょうか?」
大きな荷物を持った唯は、空を見上げて言った。
太陽も照って、雲はあるが、雨が降る気配は一つもない。
「で、なーんで、あいつらがいるわけなの?」
不機嫌そうにしている里菜の視線の先には、少し前に地元のショッピングモールで会った【元】同級生である。
「里菜姉、プリント、しっかり見ていなかったのか? 三校の内、その一校は、あいつらが進学した高校なんだよ。残りの二校の内、一校も俺達の地元の高校、後は、こっちの高校だな」
ラケットバックを背負って、服などを入れた荷物を持った敦也は、里菜と同じように同級生を見る。
「別にいいんじゃない。こっちはこっち、まだ、成長段階、本当に負かしたいのであれば、一か月後」
咲弥は、着替えを入れた荷物とは別に違う荷物を持っていた。
「咲弥姉、それ、何?」
「ん? これは、私の仕事道具、マネージャーとしての……ね」
咲弥は普通に答える。
(ああ、俺達の動きの分析ってわけね……。主に俺と唯姉と里菜姉のだけど……。あ、でも、里菜姉は、理屈というよりかは、感覚派だったな)
「さて、二泊三日、死ぬ気で頑張りますか!」
「おお、張り切ってるね、敦也!」
二泊三日のサバイバルゲームが始まろうとしていた。




