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第74話 イチャイチャする一方で
ようやく、物語も終盤に差し掛かってきた頃——
映像に出てくる登場人物が告白し、そして、最高の場所でキスをする。
「きゃぁああああああああ! あっちゃん、これです! これですよ! これは興奮しますね!」
唯が思いっきり抱きついて、敦也に小声で話しかける。
興奮してはいるが、映画館のマナーは守っている。
「あっくん、これは……刺激が強すぎる……。小さい子に見せてはいけないな!」
咲弥も唯と同様、敦也に抱きついてくる。
(最後のシーンなのに、全く映画の内容が入ってこねぇ~!)
敦也の顔で、唯の包容力のある胸と咲弥の成長途中の胸が左右から押しつぶされて、何を言っているのか、全く聞こえない。
(見えねぇ……。聞こえねぇ……。いや、これはこれで嬉しいけどさぁ。せめて、映画をゆっくり見せてくれない?)
敦也が二人に襲われている時、一人でそのシーンをじっくり見ていた里菜は目を輝かせて、一人集中していた。
隣で、イチャイチャしている三人の事など、視界に全く入っていない。
(凄い! これが、恋!)
里菜は、ものすごく感動していた。




