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第69話 数時間後の現在
そして、現在に至る。
周りには、他の家族連れもいるのに、一番、この四姉弟が目立っている。
「せめて、イチゴ狩りに集中してくれ! 周りから変に思われるだろうが!」
「別に周りは関係ないでしょう。イチゴ狩りというものは、色んな楽しみ方があると思いますよ。里菜、それだけはやめてくださいね」
唯は、後ろから敦也に抱きついたまま、敦也とポッキーゲームならぬ、イチゴゲームをしようとしている里菜の顔を受け止める。
「ほふひへ、ひょほふひ!(どうして、ちょっと、唯!)」
一方で、どんどんイチゴを食べていく咲弥は、いつの間にか自分は、ちゃっかりとキープして、後は食べるだけになっていた。
「咲弥姉、自分の食べろ、自分のを!」
敦也は、咲弥をどけようとするが、後ろに唯いるため、この場から離れることができない。
それを遠くで見ていた大人たちがいた。
「あらあら、あの子達ったら、いつになっても変わらないわね」
と、敦也の両親の隣で、敦也達の元先生が言った。
「そうなんですよ、先生。主人は、娘に甘すぎですよ」
「あら、こっちも相変わらずですね」
「はい、だから、私が見ていないと、ダメなんですよ」
「あらあら」
三人は、向こうで騒いでいる四人を見ながら、幼い頃を思い出していた。




