第68話 お世話になった人へ
「え~、今日はイチゴ狩り日和です。皆さん、存分に楽しんで、イチゴを採って、食べて、楽しんでいってください!」
と、六十代くらいの女性がイチゴ狩りに集まった家族を集めて、挨拶をした。
集まった人、それぞれに採ったイチゴを入れる箱を渡され、敦也達もそれを受け取る。
「先生、お久しぶりです」
と、敦也は、その女性に挨拶をする。
「あら、敦也君、また、背が伸びたんじゃないの?」
「そうですか?」
「今年で何年生になったのかしら?」
「高校一年です」
「あら、そうなの。月日は早いものね。あんなに小さな子だったのに、こんなにも大きくなっていたなんて、先生も嬉しいわ」
「あはは……。先生、何年前の頃の俺を想像しているんですか。それに毎年あっているじゃないですか」
と、女性と談笑する敦也。
「先生、お久しぶりです。お元気そうで何よりです」
「先生、お久~!」
「久しぶり」
と、唯・里菜・咲弥も女性に挨拶をする。
「あら、唯ちゃん・里菜ちゃん・咲弥ちゃんも久しぶりね。相変わらず、可愛いわ。こんなに成長するなんて、思ってもいなかったもんだから、先生、少し寂しいわ。あの頃は、皆、小さくて愛らしかったけど、大人になるにつれて、その可愛さも別の意味で可愛くなるのね」
先生は遠い目をして言った。
この女性は、まだ、敦也達、四人が幼い頃にお世話になっていた先生である。
その昔、個人経営で子供向けの教室を開いており、そこに敦也達は、参加していた。
その縁もあり、こうして毎年、イチゴ狩りに呼んでもらっている。
「今日は、楽しんでいってね。四人共」
「「「「はい!」」」」
四人は返事をして、ビニールハウスに入っていった。




