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第67話 見せつける咲弥
「咲弥姉、自分の席に座って寝てくれないか?」
敦也の膝の上に頭を載せて、横になっている咲弥に言った。
「いいの、いいの。これくらいで、怒らない」
咲弥は、マイペースに思うがまま、敦也に甘える。
「いや、怒ってはないんだけど、前の二人が、こっちを見ているんだよね」
「ん?」
チラッと、前の席に座っている唯と里菜を見た咲弥は、勝ち誇ったかのように笑みを浮かべる。
「別にいいよ。敗者は、勝者に対して、何も文句をいう事はできない」
咲弥は、顔を敦也の方に向け、足を曲げ、抱きつく感じの体勢をとる。
「あの時、グーを出していれば……」
「次こそは……」
と、咲弥の見せつける態度を目の辺りにする二人は、悔しそうに咲弥を見る。
咲弥の方を見ると、「くくく……」と、笑っている。
(もう、寝よ……)
敦也は、この切迫した状況の中、咲弥に膝枕をしたまま、眠ることにした。




