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【祝75000PV突破】 三姉妹の姉達は、弟の俺に甘すぎる!  作者: 佐々木雄太
一年生  四月篇
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第66話  数時間前の出来事

「さて、今日は待ちに待ったゴールデンウィークのイチゴ狩り、しっかりと、皆でイチゴを採るぞ!」


 敦也達の父親は、張り切っていた。


 昔、お世話になっていた知り合いの農園に、毎年、家族揃って、イチゴ狩りに行くことになっている。


 だが、敦也、ただ一人は、歳を重ねるごとに目的が変わっていた。


 イチゴ狩りもいいが、この時期、毎年、公開されるアニメ映画を優先したいのである。


 敦也の町にも、映画館はあるのだが、公開日が二カ月ほど遅れて、上映されるため、この日を毎年楽しみにしている。


 イチゴ狩りに行くぐらいなら、映画を見に行った方がマシだ。と、思っており、自分だけ、その町の大型ショッピングモールに降ろしてもらうように頼むのだが、これを邪魔する者たちがいる。


「父さん、俺、イチゴはいいから、映画の方を見に行きたいから、途中で卸してくれない?」


 と、申し出る。


「父さんも、お前の意見を通してあげたいところなんだが、娘達のあの目を見ると、どうしても命が欲しくて……な。だから、今回もイチゴ狩りの後で映画を見に行くことにしてくれ、頼む!」


 父親は頭を下げて、敦也にお願いする。


「そうですよ。あっちゃん、お父さんが、ここまで、お願いしているのですから、その言葉に答えてあげないといけませんよね?」


「そうだよ、敦也、父さんのためにイチゴ狩りに行かないとね」


「そうそう、あっくんの用事は、後で、お姉ちゃん達が付き合ってあげる」


 そう、これが毎年のやり取りである。


 このため、敦也はチケットを後で四人分、ネット購入しているのである。


「マジかよ……」


 敦也は、天井を見上げた。


 それから、出発前に誰が、敦也の隣の席に座るのか、公平にじゃんけんで決める。


「姉ちゃん達、早く、決めてくれよ」


 敦也は、荷物を車内の後ろに運ぶ。


「敦也、ありがとう。ごめんね、父さんが、娘に甘くて……」


「別にいいよ、母さん。母さんも、そんな事くらいわかっていただろ?」


「それはね……。でも、娘に甘すぎるのは、どうかと思うわ。母さんが、今度、厳しく言っておくわね」


「あはは……。くれぐれも、心を折らないようにね……」


 敦也は、母親に対して、父も大変だと思った。


「良し! 勝った!」


 と、拳を挙げたのは、咲弥だった。


「「ま、負けた~」」


 負けた二人は、ガッカリした。


 こうして、家族揃って、イチゴ狩りに向かった。

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