第59話 企む二人
平坦の道を歩く敦也達は、ようやく、【クリスの海】にたどり着いた。
「ここが、さっき、お前の言っていた場所なのか?」
と、敦也が康介に訊く。
「ああ、そうだ。絶景だろ?」
「まぁ、確かに絶景だな。この木の柵がなければ、恐怖に変わるけどな……」
断崖絶壁に見舞われたこの場所は、もし、落ちれば、波しぶきが荒々しい、海へとまっしぐらである。
「で、問題の鐘っていうのは、どれだ?」
「あれ」
と、康介が指さす方を見ると、確かに鐘を鳴らす場所がある。
そこには、生徒達が集まって、記念写真とかを撮っている姿が見える。
「意外と人気、あるんだな……」
「ま、人は噂話とか、神頼みは好きだからな。それに、こういうところは、たまにしか、こないから珍しいんだろ」
二人が、そう話していると、夏海は、全員に提案する。
「それじゃあ、あの鐘の場所で、写真撮影しない?」
「しゃ、写真撮影ですか? わ、私は構いませんよ!」
と、戸惑った言い方をする唯。
「私は大丈夫よ。咲弥は、どうするの? 辞めておく?」
「私は……撮る……」
どういった執念なのか、写真を撮りたいらしい。
「弓削君、ちょっといい?」
と、夏海が康介を呼び出す。
「俺?」
と、夏海の方に駆け寄る康介。
「写真は全体写真と姉弟揃っての写真でよろしく。いいわね」
と、夏海は小声で康介に伝える。
それを聞いた康介は、なるほど、とニヤニヤして、夏海の策略に乗っかる。
「あの二人、何の話をしているんだ?」
「さぁ? 俺には、あの二人、良からぬことしか考えていないと思うけど……」
健斗は、二人の様子を見ながら苦笑いをした。




