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【祝75000PV突破】 三姉妹の姉達は、弟の俺に甘すぎる!  作者: 佐々木雄太
一年生  四月篇
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第58話  体力の限界

 遠足が始まり、ガイドラインにあったハイキングコースを歩く敦也達は、歩き始めてから一時間半が経とうとしていた。


「それにしても、山登りと言いながら、このアップダウンは、異常じゃないか? これじゃあ、完璧におもりを背負ってのトレーニングになっているんだが……」


「あっちゃん、文句を言ってはいけません。もう少し、頑張れば、平坦の道にでますよ」


 さすがの唯もこのハイキングは想像していなかったらしい。


「ふふふ……。本来であれば、もっと簡単なコースがあるんだが、どうやら、教師陣は、あえて、こっちを選んだらしい。さすが、四十年も続く伝統校、これは、来年、雨で校内遠足になることを願うしかないな」


「康介、言っている事と自分の顔色を見比べた方がいいよ。やばい事になっている」


 隣で歩く健斗が、康介を心配していた。


「ちょっと、咲弥ちゃん! カムバック! 皆、ストップして!」


 後ろで歩く、夏海の声から咲弥が行き倒れしている報告を受ける。


「…………」


 咲弥から返事がない。死体のようにぐったりとしている。


「咲弥? 生きてるの? 生きているなら、返事して~」


 と、里菜が、咲弥の体を支えて、生きているか確認する。


「もう、無理……」


「え?」


 小声で聞こえない。


「もう、歩けない。このまま、寝たい」


 と、限界を超えているらしい。


「ねぇ、唯。咲弥が、ダウンしちゃったけど、どうする? 咲弥の体力からして、本当にまずいかも」


 里菜が、咲弥に意見を述べる。


「そうですか。どうしましょうか?」


 唯も困った顔をする。


「それだったら、敦也が、咲弥さんを背負って、歩けばいいんじゃないか? 荷物は俺が持ってやるから」


 と、康介が提案する。


「えっ? なぜ、そうなるのでしょうか? 弓削君?」


 と、唯は微笑みながら、康介の方を見た。


「お、おう。でも、それ以外に解決策がないというか、その方が、一番いいと思ったので……」


 唯の圧に押される康介は、怯えながらも答える。


「私も賛成かな? その方がいいと思う!」


 夏海も康介の意見に賛成した。


「夏海さんも! ……仕方ないですね。ここで遭難されるよりか、あっちゃんに背負ってもらった方が、いいですよね……」


 唯は、二人の押しに心が折れた。


「あっちゃん、咲弥を背負って、歩くことができますか?」


 唯は、話の中心になっている敦也に訊く。


「俺? まぁ、康介が荷物を持ってくれるんだったら別に構わないけど……」


 敦也は康介に荷物を渡し、咲弥の近くに行く。


「咲弥姉、おんぶしてやるから、それくらいの体力が残っているか?」


「うん……」


 と、咲弥は、敦也の背中に乗り、おんぶしてもらう。


 咲弥の荷物は、体力のある里菜が持つことになった。


「あー、生き返る。ずっと、おんぶしてて……」


 と、咲弥はボケる。


「馬鹿言うな。そこまでの体力、俺にはねーよ」


 と、敦也は、咲弥を背負いながら、再び山を登り始めた。


 それを見ていた唯と里菜は、羨ましそうに咲弥を見た。

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