第55話 遠足の班決めをしよう
四月下旬——
ホームルームの時間で、松山先生が話を始めた。
「はい、今日は今週行われる遠足について話します。この学校は、毎年、四月に全校生徒で海沿いにある山をハイキングします。とりあえず、三組は六組のグループを作って、一緒に行動してもらいます。男女別、混合でも構いません。七人一組のグループを作ってください」
と、先生の合図と共にクラスメイト達は、グループを作り始める。
「とりあえず、俺と健斗、敦也の三人は、決まりだな。同じテニス部だし、後四人、誰を選ぶかだよな」
と、いきなり、康介は敦也をグループのメンバーにするのは、確定済みである。
「あ、俺、確定しているのね。別に構わないけど……」
「そりゃ、そうだろ。俺と健斗だけで、他五人、どう集めるんだよ。男子の何人かは、話したことがない奴らばかりなんだぞ。自慢ではないけど」
「俺も早く、クラスになじめるといいんだけどな」
敦也は、クラスの雰囲気を見る。
唯、里菜、咲弥も男女問わず、誘いを受けている。
「俺にとっては、残りの四人は、お前の姉ちゃんと、これは仕方ないが、あの女しかいないな」
康介が言う『あの女』とは、夏海の事である。
夏海もまた、同じテニス部であるのだ。
「さて、この四人を効率的に誘うとなると、難易度は高くない」
「それは?」
「お前だよ。お前が言えば、グループがすぐに作れるってことさ」
康介は、ニヤリと笑う。
すると、唯が敦也の方を振り返る。
「ほら、お姫様、その1の登場だ。頼むぞ!」
耳元で、敦也に囁く。
「どうしたの? 唯姉」
敦也は打ち合わせ通り、唯に訊く。
「あっちゃんは、もう、決まっているの?」
「一応、康介と健斗の三人だけど、後、四人集まらないんだよね」
「それでしたら——」
と、唯が言おうとすると、唯の肩を掴む人物がいた。
「抜け駆けは駄目だよ、唯」
「私達も同じ」
里菜と咲弥が、同じ輪に入る。
「私も一応いるから、これで四人だよね? 弓削君?」
「ああ、そのつもりだ。これで、四人確保の上、七人揃ったな」
と、シナリオ通りとなって、康介は、頷いた。
(こいつ、最初からこうなることが分かった上で、ここ最近、俺をおもちゃにしていないか?)
敦也は、未だににやけている康介を見た。




