第46話 里菜の策略
街の中心にある大型ショッピングモールに着いた敦也と二人は、里菜から敦也の手を握り、中へと入った。
「里菜姉、なんで手を繋ぐの? 周りの目が気になるんだが……」
「気にしない、気にしない。ほら、行くよ!」
敦也は、周りの目を気にしているが、里菜は、全く気にしていないらしい。
「いや、同級生とか見られたらさぁ……」
敦也は、中学時代の同級生と会うのを気にした。
「それがどうしたの? 私達は、姉弟。手を繋いで歩くくらい、何もないでしょ‼」
建物の中は、クーラーが効いていて、涼しく、久々の休日の地元での買い物で、人の多さに驚いた。
「へぇ、今日は、人が多いね。さて、とりあえず、目的のものは後にして、楽しもうか?」
里菜が、敦也をエスコートする。
「まずはどこに行く?」
「え? ラケットは買わないの?」
「それは後にして、せっかく、二人っきりなんだし、邪魔が入る前に楽しまないと!」
「邪魔って……」
敦也は、唯と咲弥の事を思い浮かべる。
おそらく、家に帰った後は、質問攻めと説教が待っているのだろうと、自分自身、そう思った。
「ねぇ、敦也。最初にゲーセンに行こうよ!」
「ゲーセン? 珍しいね、里菜姉がゲーセンに行きたがるなんて……」
「ま、まぁーね。ちょっと、敦也とやりたいことがあるんだよ」
里菜は、嬉しそうに言う。
敦也は、後の事を考えずに里菜と楽しむことを優先した。
ここからゲームセンターは、二階の南エリアにある。
エスカレーターに乗って、二人は目的地へと向かった。




