第39話 お家デート【咲弥の場合】~その②~
「あっくん、この卵焼きどう?」
と、咲弥は味の感想を求めてくる。
「うん、咲弥姉の料理は美味しいよ。これだったら、将来、いいお嫁さんになれるよ」
敦也は味の感想をそのまま素直に述べた。
「そ、そう。ありがとう……」
真っ向から言われると、少し恥ずかしいところがある咲弥。
だが、ここで引くわけには行かない。
「それじゃあ、次は……」
咲弥は、たこさんウインナーを箸で掴み、敦也の口元に持っていく。
「はい、あーん!」
敦也は、咲弥に食べさせてもらいながら、食べている。
(咲弥姉にあーんされる相手がいたら、将来、最高だろうな。俺にとっては姉ちゃんだし、咲弥姉にとって俺は弟。その関係でしかない。他の二人だってそうだからな。いずれ皆、バラバラになる。そういう日が、いつかは来るのかな……)
敦也はそう考えていると、次の料理がくる。
「おお、これは!」
敦也もびっくりするほどの出来栄えだった。
パサパサした中華料理店でも出される炒飯である。
敦也が、咲弥が作る料理の中でベスト3に入る料理である。
「そうだよ。あっくんが好きな食べ物の一つ、炒飯だよ」
咲弥は、スプーンすくい、敦也に食べさせる。
「うん、おいしい!」
敦也は、この優しい味が好きである。
「あっくん、次は私に食べさせて?」
咲弥は、スプーンを敦也に渡し、口を開ける。
敦也は、咲弥がしたように、咲弥にあーんする。
咲弥は、パクッと食べ、幸せそうに自分の作った料理を味わう。
「うーん。我ながら、作った料理なのにここまで美味しくなるとは……。幸せ……」
咲弥は、二人と違って、これでよかったらしい。
この後も、お互いに食べさせ合ったりした。




