第37話 お家デート【里菜の場合】~その②~
「ほら、しっかりと体を曲げる。そうしないと、いつかは怪我しちゃうよ。体は、毎日、念入りに手入れしないと、金属と同じで錆び付いちゃうよ」
「いてててっ!」
体を海老反り状態にさせられて、里菜にサポートされながら、体をほぐす。
「はい、はい、しっかり呼吸を整えて、ゆっくり、吸って、吐いて、吸って、吐いて」
里菜と体を絡めあいながら、敦也の心技体、全てがバラバラな状態である。
(こんな状態で、集中できるかぁ! 体、マジでいてぇ!)
敦也の体が、ようやく解放されると、ぐったりと、マットの上でうつ伏せになりながら、寝た。
「敦也、体がまた、硬くなっているよ。毎日、体の手入れはしているの?」
「……時々しか、していません」
「はぁ……。やっぱり……。そこはしっかりとしないといけないところだよ。ほら、次は仰向けになって!」
と、敦也は言われるままに、仰向けになると、里菜が覆いかぶさってくる。
「あの里菜姉? なぜ、覆いかぶさっているのですか? ヨガとか、ストレッチですよね?」
「ん? そうだよ。これは私が独自に編み出した敦也にだけのスペシャルメニューだよ」
笑顔で言う里菜。
「それは、それは何よりで……。でも、これはどういったスペシャルメニューなのでしょうか?」
敦也は苦笑いする。
「そ・れ・は……。こういう事!」
足を絡めて、腕を敦也の体に回す。敦也と里菜の顔が近い。
二人の吐息が、近くで感じ合い、もう、雰囲気は出来上がっている。
「敦也、いいよね?」
「いや、ダメに決まっているだろ。俺達、きょうだ——‼」
唇と唇が、重なり合う時、それは甘酸っぱい恋のような味がした。




