第34話 お家デート【唯の場合】~その①~
改めて唯の部屋は、女の子らしい部屋である。
敦也は床に座って、唯が姿を現すのを待っていた。
(唯姉に必要なものを持ってくるように言われたのは、いつも通りの勉強道具のみ。これって、いつもみたいに勉強を見てくれるってことなのか? 分からん。唯姉の事だから、どこかでぼろを出すはずだ)
敦也が十分くらい待っていると、唯が部屋に入ってきた。
「お待たせ、あっちゃん。さぁ、私達のデートを始めましょう!」
と、お盆に二人分のジュースを入れたコップに、お菓子の詰め合わせ。そこまではいい。
問題は、唯が来ている服装である。
服は薄着で、明らかにブラをつけていない。その上、ミニスカート。完璧に誘っているしか見えない。
「ゆ、唯姉! その恰好、何っ⁉」
驚いた敦也は、唯に訊いた。
「むふふ! これこそ、あっちゃんを誘惑するために考えた末に思い付いたものです。服は里菜に借り、スカートは咲弥に借りました! どうです? 似合っていますか?」
似合っているとか、そういう問題の前に、なぜ、その考えにたどり着いたのか、我が姉として残念である、と敦也は思った。
お盆を床において、いつも通り、テーブルには、勉強道具が置いてある。
「さて、私達の三時間でーとを楽しみましょう! 時間がありませんよ! 早く、早く!」
唯に言われるまま、敦也と唯の姉弟デートが始まった。




