第19話 ほんの少しの息抜きで
お昼ご飯を食べ終えた敦也は、新聞の番組表とスポーツ欄をチェックし、自分の部屋に戻った。
唯との勉強会の続きは、夜頃となった。
午後からは、少し用事があるらしく、家に居ない。
里菜は、昼食後の運動をするために、外出中。
敦也は、携帯用ゲーム機を手に持ち、一人でゲームをしていた。
コンコンッ!
ドアをノックする音がする。
「はい、どうぞ!」
「お邪魔するよ」
と、咲弥がドアを開けて入ってきた。
「咲弥姉、どうしたの?」
「対戦ゲームしよ?」
と、自分のゲーム機とゲームソフトを持参していた。
「別にいいけど……。何のゲームをするの?」
「これ」
と、咲弥は敦也にゲームソフトを見せる。
「ああ、これね。丁度、やっていたところ」
と、敦也はゲーム画面を咲弥に見せた。
二人が今からやるゲームは、任〇堂の大人気ゲーム・マ〇オカート8だ。
このゲームは、敦也も大得意とまではいかないが、苦手ではない。
たまにゲームセンターでも、やるくらい好きではある。
「咲弥姉は何にするの?」
「ヨッ〇ー」
「バランス重視のドリフトが得意なキャラね。好きだね、そのキャラ」
「うん。私にとって、扱いやすいから……」
「確かに扱いにくいキャラよりかはいいよな。クッ〇とか、スピードは出るけど、あれは上級者向けだし、俺もマ〇オやル〇ージが多いからな」
二人は、ポチポチと、キャラを選択して、車体もどれにするか考える。
「対戦形式は、ネット対戦でいい? コンピューターと対戦しても面白くないし……」
「いいよ、それで……」
咲弥は小さく頷く。
「じゃあ、ネット対戦を選択するわ」
敦也は、リーダーとなって対戦者を募る。
そこに、咲弥を加えて十二人が揃う。
「コースはランダムで、ゲームスタートと」
敦也は、スタートボタンを押した。
この後、何が起こるのか知りもしないで——