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第138話 いつもの景色
やはり、誰かが敦也が寝ているそばにいる。
(これは……両腕に見覚えのある感触があり、その上、背中は妙に重たさがある……)
敦也は体全体の中で唯一動かせる顔だけを動かせる範囲だけ動かす。
(やはり……)
敦也は、小さなため息を漏らした。
左右問わず、背中の方にも、敦也は、三人の姉妹によって埋め尽くされていた。
(気持ちよさそうに寝ているのはいいが、せめて今日だけは一人にしてくれよ……。さすがの俺も疲れているっていうのに……)
三人の寝顔を見ながら、敦也は三人を無理やり起こそうとしたが、起こすのをやめた。
(ま、いいか……。俺ももう少し眠ろう……)
敦也は、そのまま、三人に密着されたまま、再び夢の中へと入っていった。