第137話 深く考えないように
服に着替えた後、荷物を一階のリビングに置きっぱなしにした敦也は、そのままベットの上でうつ伏せになりながら眠り始めた。
さすがに三日間の合宿を終えたとはいえ、疲れが溜まっていないわけがない。
他にもまだ、やらなければならない事も分かっているのだが、理性よりも本能が、それを拒絶する。
自分のベットの上で寝るのと三日間の合宿で寝泊まりした場所を比べると、睡眠に質が違うのが少しわかる気がする。
そのまま、知らぬまま敦也は深い眠りについた。
あれから時間がどれくらい経っただろうか。
敦也は、まだ、疲れが取れていない体を感じながら、重たい目蓋を開いた。
眠りにつく前まで、窓から射した光は、いつの間にか消えており、代わりに月の光が部屋の中に差し込んでいた。
(いつの間にか、結構な時間、寝ていたんだな……)
敦也は部屋の床の方を見ると、自分の荷物が置いてあることに気が付く。
(あれ? 俺って、荷物を自分の部屋に持ってきたか? 誰か、持ってきてくれたのだろうか?)
そして、敦也は、自分の体に何かしらの重みがある事に気づく。
(ちょっと待て……。荷物がある事はいいとして、これは、まーた、いつものパターンなのでは?)
敦也は、深く考えすぎないように自分の体を動かそうとしたが、力があまり入らず、動く事すら難しかった。